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お化けのオンロック

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お化けのオンロック

長谷川哲也
←長谷川哲也氏のブログを借用

長谷川哲也氏サイト⇒ http://mekauma.web.fc2.com/index.htm#あたま

おばけのオンロック(その1)

長谷川哲也が幼少時代、寝る前に母親からくり返し聞かされた話がある。

オンロックという化け物の話である。

親の言うことを聞かない子供はオンロックが捕まえに来るぞ。と、よく脅された。

オンロックは明らかに子取り鬼の一種である。

容貌に関してはよくわからない。とにかく真っ黒で巨大であることは確かだった。

顔というものは無いのかもしれない。

そいつは山の中に住み、時々子供を狙っては木々をざわざわとかき分け、里に下りて来るらしい。

民家の明かりも見えぬ山中を提灯片手によく行かされたリトル長谷川には

真っ暗な山中に潜む真っ黒な怪物は架空の生き物ではなく、

現実のものとして恐ろしかった。

聞いた時の印象としては、

オンロックが来るのは母親が子供に愛想を尽かしたとき、

という条件があったようで、

そこには何らかの親と怪物の暗黙の契約がある、といった感じだった。

話には歌が付いていた。

「おばけのおばけのオンロック。

お前は大バカ大間抜け。

腹が立ったらやって来い。

キコイはここだよ、椰子の実だ。」

母親はオンロックが来るぞと言った後、

かならず節をつけてこの歌を歌うのだが、はっきり言って意味不明であった。

明らかにオンロックを挑発する歌だ。

キコイって誰だ?なんで椰子の実なんだ?

 

謎が謎を呼び、いつしか記憶は薄れ、オンロックの恐怖からも開放されたと思った高校生のとき、

突如としてついに、オンロックの正体が明らかになる日がきた。

オンロックは母親の自作の化け物ではなかったのである。

 

おばけのオンロック(その2)

高校時代、長谷川はデキル子だったので図書館に入り浸っていた。

字の多い本を読むとなぜか頭が痺れるのでもっぱら絵本を読んでいた。

とは言っても「僕を探して」などの哲学的な絵本が多かったので、やはりデキル子であることは間違い無かった。

ある日、図書館の膨大な絵本の中から偶然手にした本が

「おばけのオンロック」だった。

当然のごとく見たとたん頭が痺れた。気がつくと、やっぱり図書館の中で1、2秒経っていた。

フィリピンの民話だった。なぜかフィリピンの民話だった。

なぜフィリピンの民話???

長谷川マザーはフィリピン人ではない。モンゴル人だ。そりゃあもう絶対にモンゴル人だ。では何故モンゴル人がフィリピンの民話を...?戦争中に流行ったのだろうか。

たしか古川タクが挿絵を描いていた。へんな怪物だった。顔は無かった。白い牙が2本だけあった。

オンロック1

オンロック2

オンロック3

オンロック4

オンロック5

オンロック6

オンロック7

オンロック8

オンロック9

やまのおかしら

やまのおかしら
やまのおかしら → フィリピンの昔話

サイト・タイトル

全文ここより引用⇒http://hukumusume.com/douwa/index.html

蚊 

 むかしむかし、マヨンという山の近くに、シヌクアンという大男がいました。


 からだじゅうが、けもののように毛むくじゃらで、かみの毛もかれ草のようにのびほうだいです。


 風がふくと、からだの毛やかみの毛が、ビュー、ビューと、音をたてるのです。


 でも、子どもずきのやさしい若者で、よく、子どもたちをあつめては、
「さあ、坊やたち。みんなでおじさんの腕(うで)にぶらさがってみな」
と、ふとい腕をのばしてやります。


 すると子どもたちは、ふとい腕でブランコをしたり、さかあがりをしたりしてあそびました。


 また、力持ちで親切なシヌクアンは、村じゅうの力しごとをてつだって、みんなから喜ばれていました。


 ある日、シヌクアンのところへ、山のけものたちがぞろぞろとやってきました。


「なんだ、おまえたち。さては、また畑をあらしにきたんだな?」


 シヌクアンがいうと、けものたちはあわてて手をふっていいました。


「と、とんでもございません。シヌクアンさまのような力持ちのおられるところへ、どうして畑をあらしになどくるものですか。じつは、おねがいがあってまいりました。わたしたちけものの、お頭(かしら)になってほしいのです」


「なに、お頭にだって?」


「はい。シヌクアンさまほど、人のためにつくす人はおられません。それで、そういうかたこそ、けもののお頭になっていただきたいという、みんなののぞみなのです」


 シヌクアンはしばらく考えていましたが、やがて、毛むくじゃらの胸をボンとたたいていいました。


「よし。頭になってやろう」


 あくる朝、シヌクアンがまだねているうちに、一羽の小鳥がやってきました。


「お頭。いつでもこまったことがあったら相談にくるようにとおっしゃったので、さっそくおねがいにまいりました。じつは、わたしが住んでいる森のおくに、沼(ぬま)があるのですが、そこのカエルどもがギャアギャアうるさくないてこまっているのです」


「ふーん。しかし、カエルは歌がすきだから、みんなで歌でもうたっているんだろう」


 シヌクアンは、ねむい目をこすりながら小鳥をなだめました。


「いえいえ。それがきたない声で夜どおしわめくんですからたまりません。おかげで小鳥たちは、ひと晩じゅうねられなくてフラフラです。どうか、カエルどもをこらしめてください」


「ふーん。それはカエルが悪いようだ。よし、カエルをつれてこい」


 小鳥にいわれて、年とったカエルがシヌクアンのところへやってきました。


 シヌクアンは、さっそく小鳥の話をしてカエルをしかると、カエルはふくれっつらでこたえました。


「お頭。わたしたちカエルが、夜どおしないているのは、歌がすきなためではありません」
「なに、それならどういうわけだ?」


「カメが悪いからですよ。カメがあの大きな重い家をせおったまま、ドボンドボンと沼(ぬま)へとびこむので、あぶなくってしょうがないんです。それで下じきになってつぶされないように、自分のいるところをカメに知らせるためにないているんですよ」


 シヌクアンはきいているうちに、カエルのいうことがもっともだと思いました。


「そうか。そうだったのか。よし、けしからんカメをよべ」


 年とったカエルは、やはり年とったカメをつれてきました。


 でも、カメはなにもいわないうちから、首をすくめてだまっています。


「こらこら、カメ。だまっていてはわからん。カエルのいうことがほんとうなら、こんやから家をせおったまま、沼へとびこんではならんぞ」


「お頭さま。それはお話がちがいます。わたしどもは、カエルさんにけがをさせるつもりで沼へとびこむのではありません。沼のあたりに住んでいるホタルが、ボウボウともえている火をもってとびまわるので、家がやかれてはたいへんだと、沼へとびこむのでございます」


「ふーん。それはしらなかった。ホタルが火遊びをしていては、なるほどあぶない。ホタルをよんで、こらしめてやらねばならん」


 カメとホタルはつれだって、シヌクアンのところへやってきました。


「お頭。おまたせいたしました。こいつが火遊びをしているホタルでございます」


「うそです。わたしたちはそんなあぶない遊びなど、一度もしたことがありません」
と、ホタルがいいました。


「ほう、それならなぜ、火をもってとびまわっているんだね」


「はい。悪いのはカどもです。チクリ、チクリと、するどい剣でわたしたちをさしますので、しかたなしにわたしたちは火をつけて、夜どおしカの見はりをしているのです」
と、ホタルがわけを話しました。


「さてさて、ひとつのできごとでも調べれば調べるほどむずかしいものだ。しかし、これはどうやらカが悪いようだ。カをよんで、よくいいきかせてやらねばならぬ」


 シヌクアンはホタルにいいつけて、カをよびにやらせました。


 まもなくカは、ブンブンいいながらやってきました。


「これこれ、カ。お頭のシヌクアンさまにごあいさつをしないか」


 ホタルがいいましたが、カはあいかわらず、ブーン、ブーンというばかり。


「こら、カ。おまえは、やたらにその剣でホタルをつきさすそうだが、それにまちがいないか?」


 シヌクアンがききましたが、カはプクッとふくれたまま、へんじをしようとしません。


「へんじができないところをみると、おまえのしわざだな。よし。バツとしてろうやにいれてやる」


 シヌクアンはカをつかまえて、ろうやの中へいれました。


 でもまだ、ほかのカがその近くをブンブンととんでいます。


「ようし。みんなつかまえろ」


 シヌクアンはみんなといっしょに、ほかのカもつかまえました。


 そして山のほら穴の中へ、とじこめてしまいました。


「やれやれ。これですこしは、こたえたろう」


 山のけものたちは、みんなホッとしました。


 ところがメスのカはあやまったので、ゆるしてもらいましたが、オスのカだけは、どうしてもあやまりません。


 それでとうとう、長いあいだとじこめられているあいだに、オスのカは声をだすのを忘れてしまいました。


 でもシヌクアンのおかげで、マヨンの山はみんなたのしく、しあわせにくらせるようになりました。

 

 

 



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ワニの贈り物

ワニの贈り物 → フィリピンの昔話

サイト・タイトル

全文ここより引用⇒http://hukumusume.com/douwa/index.html

ワニ


 むかしむかし、ある村に、とてもやさしくて子もり歌の上手なおばあさんがすんでいました。
 ある日おばあさんが川へいくと、ワニが声をかけてきました。
「おばあさん、頼みがあるんだよ。泣いてばかりいるうちの子を、うまく寝かしつけてもらえないかね?」


「それなら、まかしといて!」


 おばあさんはワニの背中にのって、むこう岸ヘわたりました。
 なるほど、しげみの中では子ワニが、わんわんと泣いています。
 おばあさんは、草をかき分けてかけよりました。


「よしよし、かわいい坊やね。安心おし。わたしが来たからもう大丈夫」


 おばあさんは子ワニの頭をなでて、さっそく子もり歌を歌いはじめました。
♪バユーバイ バユバイ。
♪子ワニちゃん。
♪おねむりなさい。
♪かわいい 子ワニちゃん。
 おばあさんの歌を聞くと、子ワニはピタリと泣きやみました。
 それから、


「フワーーッ。ムニャムニャ・・・」


と、大きなあくびをして、かわいい寝息(ねいき)をたてはじめました。
 でもおばあさんは、まだしばらく歌いつづけました。
 やがて子ワニが、本当にグッスリと眠ったのをたしかめて、立ち上がりました。


「さて、そろそろ帰るとしましょうか」
 すると親ワニが、魚のいっぱい入ったカゴを持ってきてくれました。
「ありがとう、おばあさん。お礼に、これを持って帰って」


「これは、ありがたいわ。わたしは魚が大好きなのよ」


 おばあさんは大喜びで、またワニの背中にのり、川をわたって帰りました。
 おばあさんが家へつくと、となりのおばあさんがやってきました。


「おや、おいしそうな魚だねえ。いったいどこで手に入れたの?」


「川で、ワニにもらったのよ」


 おばあさんは、これまでの事を全部はなしました。


「へえー、それじゃあ、わたしも行ってみよう」


 となりのおばあさんは川ヘいくと、ワニにむかっていいました。
「さあ、お前の子を寝かせに来てやったよ」


「いえ、子どもはよく眠っているから、けっこうですよ」


「ふん! 子どもなんて、じきに目を覚ますに決まってるよ。さあ、わたしを背中にのせて、つれておいき!」


 むりやりむこう岸へわたったおばあさんは、子ワニを見て顔をしかめました。


「うへー! なんてまあ、汚くて、くさいんだ!」


 そして、寝ていた子ワニを足でけとばしました。
 子ワニはビックリして、目を覚ますと泣きだしました。


「ほら、やっぱり泣いただろう」


 となりのおばあさんは、よこでハラハラしながら見ている親ワニにいいました。
「なにをグズグズしているんだい! はやく魚をとっておいでよ。そのあいだに、子どもを寝かしつけておくからさ」


 そして、となりのおばあさんは歌いはじめました。
♪バユーバイ バユバイ。
♪さっさとおねむり 汚い子。
♪はやくおねむり くさい子よ。
 子ワニは眠るどころか、ビービーと大泣きです。
 親ワニはおこって、カゴを差し出しながらいいました。


「これをやるから、もう帰っておくれ!」


 となりのおばあさんは、カゴを受け取るとニヤニヤわらいながら、


「そうかい。それなら、また川をわたしておくれ」


と、いって、またワニの背中にまたがって帰っていきました。
 家へつくと、まどや戸を全部しめました。
 大事なみやげ物を、だれにも見られたくなかったからです。
 そして、いよいよカゴをひらいたとたん、


「ギャーッ!」


 おばあさんは、悲鳴をあげてきぜつしました。
 カゴの中に大きなヘビが入っていて、シュルシュルと、おばあさんの体にまきついたからです。

 



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竹から生まれた人間

竹から生まれた人間 → フィリピンの昔話

サイト・タイトル

全文ここより引用⇒http://hukumusume.com/douwa/index.html

 

 昔々、この世の始まるときのことです。
その頃はまだ空と海しかなく、陸はありませんでした。

一羽の鳥(猛禽)が空を飛んでいました。
鳥は休むところを探していました。
ところが彼が休めるところは空にも海にもありませんでした。
疲れ切った鳥は一計を案じて、空と海を喧嘩させようと思い立ちました。
とりは空に向かってこういいました。

  「海が君のことを沈めてしまうぞ、といってるぜ」

それを聞いて、空はこう答えました。

  「不幸な奴め。海がせり上がってきたら、私は海に岩や島を投げこんでやる。
そうすれば重みで上がってこられまい」

鳥は海に行き、空の言葉を伝えました。
海は怒って、激しい波を起こし始めました。

  「これで奴も、私の恐ろしさがわかるだろう」

波はどんどん上がり空に近づきました。
これを見た空はかんかんに怒り、海に向かって、岩や島を投げつけました。
岩や島の重みで海は沈み、元の水位に戻りました。
そして、それ以上あがることができなくなったのです。
海の間からは、陸や島が顔を出しました。
こうして鳥は、自分の休む場所を作ったのです。

鳥が島で休んでいると、節ふたつ分の長さの竹が、海岸で洗われていました。
竹は波に揺られた拍子に、鳥の足を強く叩きました。
鳥は場所を変えましたが、また、竹は近づいてきて鳥の足を叩いてしまったのです。
鳥は怒って竹に飛びつき、くちばしでつつきました。
強くつついたので、竹は割れてしまいました。

すると、一つの節の中には、褐色の肌をした丈夫な男の子が寝ているではありませんか。
もう一つの節には、身体の柔らかい女の子が入っていました。
髪は長く、足まで伸びています。

ふたりは広大で静かな島に佇みました。
このふたりこそが、最初の人間です。
男の名はシララク。女の名はシカバイ。
男は女にこういいました。

  「結婚しよう。結婚して、この世に子供をたくさん増やそう」

しかし、女は首を横に振りました。

  「どうして結婚できるの。私たちはおなじ竹から生まれた兄弟なのよ。
もし結婚したら、マグアイやマラオンの神に罰せられるわ」

  「怖がることはないさ。大丈夫だ。どうしても心配なら、海にいる魚に聞いてみよう」

二人は海岸に行き、自分たちが結婚していいかを、魚に聞きました。
魚はこう答えました。

  「大丈夫だとも。私たちは兄弟同志で結婚して、子供をたくさん増やしている」

女はそれでも不安でした。
ふたりは今度は山奥に行き、木の枝で休んでいる鳥に尋ねました。
鳥の答えは魚と同じでした。
女はそれでも神の怒りを恐れて、男の結婚を受け入れません。

  「ねえ、私たちが結婚していいかどうか、大地の神様に聞いてみましょうか」

男は大地の神・リノクに尋ねました。リノクは答えました。

  「大丈夫。結婚して、子供をたくさん増やすがよい。神は怒ったりしない」

これで女は安心しました。
魚(海の意志)と鳥(空の意志)とリノク(大地の神)が認めたのですから。

ふたりは結婚し、女はやがてたくさんの子供を生みました。
ところが、子供たちは怠け者に育ってしまったのです。
食べて寝るばかりで、仕事をまったくしません。
両親が生計を維持しきれなくなっても、彼らは働こうとしませんでした。
両親は勇気を振り絞って、子供達を家から追い出そうと決心しました。
父親は太い棒を持ち、子供達が遊んでいる部屋に行き、叫びました。

  「出ていけ。出て行かないとたたき殺してしまうぞ」

子供たちはあわてて逃げ出しました。
あるものは寝室に、またある者は居間に。
壁の陰や台所、また、遠くに逃げ去るものもいました。
そして、時は流れました。
寝室に逃げた者の子孫は首長や貴族になり、人々に尊敬されています。
居間に逃げ隠れたものは、兵士や貴族になりました。
壁の陰に隠れた者は奴隷になりました。
台所のよごれた煙突の中に隠れた者はネグリート族になり、今では、山岳部に住んでいます。
そして、遠くに逃げた者は今では世界各地に散らばっています。
これが人類の始まりです。

「竹から生まれた人間」 (全文フィリピンの民話より引用)



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マンニャン族の起源

 マンニャン族の起源

 マンニャン族

起源

 マンニャン族は南方、セレベスやボルネオあたりから海を渡ってきてフィリピンのミンドロ島に漂着、定住した民族とされます。背は低く、骨格は細く、敏捷で、横に広がる大きな鼻が特長的です。性格は全般的に非常に内気で、周りと交わりたがりません。漂着当初は、平地に居住していましたが、タガログ人といわれる一般のフィリピン人がマンニャン族を少しずつ山へと追いやりました。ことばは独自のものをもっていますが、現在、ほとんどの人が標準語のタガログ語を話します。


部族

 

 マンニャン(Mangyan)族には5つとも7つとも言われる部族があります。ハノヌオ(Hanonuo)族は中でもいちばん文化が発達しており、織物技術、手芸、詩、民話をもち、文字さえももっています。イライヤ(lraya)族はもっとも平地に近いところに住み、平地のタガログ人との交流がもっとも盛んです。そのため、部族特有の文化を失いかけていて、部族そのものが滅びつつあります。カラミンタオ村の人々はこのイライヤ族に属します。アランガン(Alangan)族はとても内気な人々で、外部の人間と交わることをいさぎよしとはしません。しかし、学ぶことには熱心で、固有の文化を頑固に守りつつ、外部の知識を受け入れようとしています。シアポ、シプヨ、シリ、パクパク村の人々がこのアランガン族に属します。ほかに、ブーヒッド(Buhid)族、タグバンワ(Tagbanwa)族、バタンガン(Batangan)族などがありますが、特に、バタンガン族は最も原始的な生活をしており、頑固にその生活を守っています。決して外部とは交わらず、外部の者が入って行こうとすると、集落を捨てて、山に逃げ込んでしまうほどです。炭と葉で火を持ち歩くことで知られています。

 ちなみに、「マンニャン」とは「人間」の意味で、とくに「ハヌヌオ」は「本当のマンニャン」と、他の部族よりぬきんでていることを誇りとして自称したことばです。



マンニャン族資料

 

 

 実はフィリピンにはスペイン侵入以前から文字があった。しかもその文字はマンニャン族のものだったという興味深い研究です

 

A Philippine Leaf
フィリピンのマンニャン族(ハヌヌオ)の文字についての研究。英語のみ
⇒ http://www.bibingka.com/dahon/default.htm
フィリピンの葉
上記 A Philippine Leaf の日本語抄訳
⇒なくなりました


{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/1339560}{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/3679972}{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/4229109}{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/1792554}{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/900348}{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/1303955}

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ホタルとオナガザル

ホタルとオナガザル

ホタル

 むかしむかし、フィリピンの島には、『夕方(ゆうがた)』というものがありませんでした。
 いままでお日さまが、カンカンにてりつけていたかと思うと、たちまちまっくらな夜になってしまうのです。


 くらくなると、ホタルたちがチラチラとまたたきながらとびまわります。
 ある晩のこと、一匹のホタルが、友だちのところへ遊びにでかけました。
 ホタルは自分の小さなあかりで道をてらしながら、シュロ(→ヤシ科シュロ属の常緑高木の総称)の木のあいだをとんでいきました。


 それを、高い木にのぼっていたオナガザルが見つけました。
 オナガザルはホタルをよびとめて、からかいます。


「もしもし、ホタルさん。どうしてわざわざ、あかりなんかつけているんだね?」
「うるさいカを、追いはらうためですよ」
と、ホタルはこたえました。
「なーるほど」
 オナガザルは、ホタルを鼻で笑います。
「つまりあんたは、ちっぽけなカが、おそろしいってわけだな。・・・よわむしだね」
「よわむしとはちがいます。カなんかおそろしくない。ただ、ほかのものにじゃまされたくないだけですよ」
 オナガザルは、また鼻で笑いました。
「いやいや。よわむしにきまっている。あかりをつけているのは、カがおそろしいからさ」
「・・・・・・」
 ホタルは、そのままだまっていってしまいました。


 オナガザルは、あいてにされなかったのでおもしろくありません。
 あくる朝、あちこちのサルのところへでかけていって、ホタルのことをふれまわりました。
「ホタルはすごく、よわむしだぞ」
「まったく、あきれたよわむしだ」
 サルたちはみんなで、ホタルをバカにして笑いました。


 それを聞いたホタルは、オナガザルをこらしめてやろうと思い、オナガザルのところへとんでいきました。
 オナガザルは、ねむっていました。
 ホタルは自分のあかりを、オナガザルの鼻さきにつきつけました。
 オナガザルは、ビックリして目をさまします。
「なぜ、ぼくのことをよわむしだなんてふれ歩いたんだ?」
と、ホタルはきびしくたずねました。
「あしたの朝、シュロの林まできてくれ。ほかの鳥やけものにもきてもらって、ぼくがよわむしかよわむしでないか見てもらう」
「ハッハッハッハッ」
 オナガザルは、大口あけて笑いだしました。
「おまえさん、おれと勝負しようというのかい?」
「そうだとも」
 ホタルは、きっぱりとこたえました。
「いったい、だれにたすけてもらうつもりだい? 一人じゃ、とうていかないっこないだろう」
 オナガザルは、からかうように聞きました。
「一人だとも!」
「一人だって?」
 オナガザルは、あきれました。
「そう、一人だ。もっとも、こわいのならやめてやってもいいが」
「おもしろい。やろうじゃないか!」
と、オナガザルはさけびました。
「だが、ことわっておくが、こっちは一人じゃいかないぞ。仲間を集めていくからな。それもすごくつよいやつばかりをな」
 ホタルが帰ると、オナガザルは友だちのところをつぎつぎとたずねて、
「あしたの朝、こん棒をもってシュロの林にきてくれ」
と、たのみました。


 朝がきて、お日さまがあかるくてらしはじめました。
 ホタルはおちついて、戦いのはじまるのをまっていました。
 オナガザルが、おおぜいのサルをつれてやってきました。
 そしてホタルを見つけると、オナガザルが先頭にたって、こん棒をふりまわしながらおそいかかってきました。
 ホタルはスイーッととんで、オナガザルの鼻先へとまりました。
「このホタルめっ!」
 そばにいたサルが、ホタルめがけて力いっぱいこん棒をうちおろします。
 ところがホタルは、それよりはやくヒョイととびのきました。
 こん棒はオナガザルの鼻にあたり、オナガザルはギャン! とさけんでたおれました。
 つぎにホタルは、二匹目のサルの鼻にとまりました。
 三匹目のサルが、こん棒をふりおろしますが、またもやホタルは、ヒョイとにげて、こん棒は二匹目のサルの鼻にあたって、これものびてしまいました。
 ホタルはつぎからつぎへと、サルの鼻さきにとびうつりました。
 サルのほうはホタルをねらっては、おたがいの鼻をなぐりあい、とうとう一匹のこらずのびてしまいました。


 かしこくていさましいホタルは、大きなサルたちに勝ったのです。
「さあ、これでもぼくはよわむしで、カをおそれているという気かい?」
 ホタルは勝ちほこってさけぶと、地面にたおれているサルの上をクルクルとまわって、ひきあげていきました。
 サルたちははずかしくて、赤い顔がますます赤くなりました。



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あけまして おめでとうございます

ご挨拶です
新年あいさつ

カリガラ湾の伝説

カリガラ湾の伝説(フィリピン民話)

竹内一郎 訳 「フィリピンの民話 青土社」より抜粋
フェ・P・ナプト/タクロバン市、レイテ州

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レイテ

 

 エテの村人たちは幸せに暮らしていましたが、湾のそばの王宮には、それ以上の幸せが満ちていました。

 エテを治めていたダトゥのガニには、子供がなかったので、幼い甥のプロ、アメド、ウネカン、それから幼い姪のアロナ、カリ、ガラをそばに呼びよせて一緒に暮らしていました。

 子供たちのおかげで、王宮には明るく楽しい雰囲気が満ち満ちていました。

 彼を偉大な伯父として尊敬する子供たちがいたからこそ、ダトゥのガニは平和な村を立派に治めていくことができたのです。

 海の近くに住んでいたので、子供たちは泳ぎが得意でしたが、ガラだけは七歳になるというのに、まだ泳げませんでした。

 考えてみればおかしな話です。

 海はなかよしのお友達なのに、今だに泳げないなんて。

 海辺にいっても、ガラは浜辺を歩いたり、ちょっと水につかるだけです。

 姉のアロナやほかのいとこたちが水の中ではしゃいでるのを、ただ眺めているだけ。

 ダトゥのガニは何度も彼女に泳ぎを教えようとしました。

 プロやアメド、ウニカン、カリを見やりながら、こうもいったものです。

「ガラや。どうしていとこたちと一緒に海に入らないんだね?」

「だって、こわいんだもの」

「だからこそ、泳ぎを覚えなくてはな。だいたい、うちの家系はみんな泳げるはずなんだから。はじめは誰だってこわい思いをするもんなんだよ。一回くらいでおじけづかないで、もう一度海に入ってごらん」

 でも、ガラはこわそうにぶるぶると身を震わせたり、かんしゃくを起こしたりするのでした。

 大きな波が押し寄せてくると、体が海の底に引き込まれていくような感じがして、こわくてしかたがなかったのです。

 初めて泳ぎ方を教わった時のことは忘れられません。

 水が口の中に入ってきて、あまりの苦しさに思わず口をぱくぱくさせました。

 鼻は布でおさえられた感じがして、息ができませんでした。

 もうこりごり。二度と海になんか入りたくありません。

 だからといって、青く、冷たい海が嫌いだったわけではありません。

 いろいろな種類の貝や石をたくさん集めました。

 いとこたちは、あの日の午後、ガラがもがくのを見ていましたが、そのことをからかったりしませんでした。

 それどころか、泳ぎを教えてあげようと親切に声をかけてくれるのでした。

 ある日、ダトゥのガニの誕生パーティが催され、王宮にたくさんの人がやってきました。

 部屋という部屋に、果物や絹、金のイヤリング、アンクレット、ネックレス、ブレスレット、指輪、壺、陶器の皿、香水、色つきのグラスやビーズの贈り物が運び込まれました。

 盛大なお祝いで、食べ物も山のようにありました。

 子供たちは昼食後、海で遊びました。

 王宮のざわめきが浜辺まで届いてきます。

 歌ったり、踊ったり、曲芸をしたりする人々の声が聞こえてきます。

 ガラは、ヒトデを突っついたりしていましたが、ふいにカリの声を聞きました。

 振り向くと、カリの頭と手がゆっくりと海の中に沈んでいくではありませんか。

 沖の深いところまでいきすぎて、溺れてしまったのです。

 ほかのいとこたちが近くにいないのを見てとると、ガラは海に向かって走り出し、カリを助けようと手をのばしました。

 けれど間にあわず、結局二人とも溺れてしまいました。

 アメドたちにはカリの声は聞こえませんでした。

 王宮のざわめきや自分たちの遊ぶ声にかき消されて、助けを求めるカリの叫びが届かなかったのです。

 お祝いは中止になり、ふたりの子供たちの葬儀が営まれることになりました。

 ダトゥのガラは悲観にくれながら、人々に葬儀に参列してくれと頼みました。

 ふたりの子供、カリとガラと失った人々は、それまでは名前のなかったその湾にカリ-ガラという名前をつけました。










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宇田川町の「ネオアコ」レコード店が閉店−ネット販売に移行へ

12月29日21時57分配信 シブヤ経済新聞


宇田川町の「ネオアコ」レコード店が閉店−ネット販売に移行へ

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閉店前の店内の様子。内装は店名の「アップル」にちなんで赤を基調にしていた

 「マンハッタンレコード」や「シスコレコード」など大手レコード店の閉店・縮小が続く渋谷・宇田川町で、2002年から営業を続けてきたレコード店「APPLE CRUMBLE RECORD(アップルクランブルレコード)」(渋谷区宇田川町)が12月21日、閉店した。

【関連画像】 閉店前の店内の様子。壁面にはレコードを飾るラックも設けていた

 2002年8月にオープンした同店は、1、2階に「ダンス ミュージック レコード渋谷」(宇田川町)が入店するビルの3階の1室に店を構え、店長でオーナーの松本淑子さんが1人で店を切り盛りしてきた。約6年で店を閉じたことについて、「体調面などから店舗運営に限界を感じ、やむなく閉店した」(松本さん)と話す。

 松本さんは、1980年代タワーレコードでのアルバイトをきっかけに、オリコンやヴァージン・メガストア(現TSUTAYA)などに勤務。音楽業界へのこだわりがあり、その後西新宿のレコード店「VINYL JAPAN(ヴィニールジャパン)」に勤め人脈を築いたという。「とにかく音楽にかかわっていたかった」(松本さん)と当時を振り返る。

 80年代からイギリスを中心に台頭してきた「ポスト・パンク」とも呼ばれる「ネオ・アコースティック(ネオアコ)」に強い関心を持っていた松本さんは、1999年から約1年間イギリスに移住。帰国後の2002年5月、以前から通っていた宇田川町の中古レコード店が閉店するという話を聞き、「それなら自分が」という思いで同じ場所を譲り受け、新たにレコード店を始めた。

 店内では、ネオアコの中古・新品レコードを中心に、海外のギターポップ・インディーズバンドの音源など約1,000枚のCDやレコードを販売。アーティストを店に招き、インストアライブなどのイベントも行ってきた。新たなレーベルやアーティストとの出会いを求め海外へも出向く中、「アジアにも面白いギターバンドがいる」(同)ことに気付き、香港やタイ、シンガポールなどにも訪れた。

 店頭販売を終了した店は現在、ネットで販売を続ける。同22日には「アップルクランブルレコード」という同名のレーベルを立ち上げ、フィリピンで発掘したインディーズバンド「Balloon Derby(バルーンダービー)」のレコードをリリースした。

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最終更新:12月29日22時0分

シブヤ経済新聞








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