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古い映画には発見が多い



DVDを買う時は、白黒の古い映画なので、後悔するかなと思いながら購入しました。
しかし、非常に良かったものがありました。

それは、 「誇り高き挑戦」 深作欣二監督 昭和37(1962)年 ニュー東映 です。
3月劇場公開ということは、撮影はその前年からしていたのではないでしょうか。

この映画の概要ですが、
主人公の記者が、どこからも武器の注文が入っていない会社が忙しくしている様子はおかしいと疑問を持ち、調査を進めるうちに、武器密輸の請負人、東南アジア某国の亡命者たち、その某国で政権を取った革命政府側の人間、アメリカの諜報機関などが、関係者として浮かび上がってきます。その中には、利益を求めて仲間を裏切る二重スパイもいます。

アメリカは、東南アジア某国の政権を追われた亡命者側に、政権奪取のため影でこっそり武器輸出という形で支援しています。新聞記者はそれを妨害する邪魔者というわけです。

誇り高き挑戦3.jpg


ところで、新聞記者はなぜ危険を犯して取材を続けるのでしょうか。
それは、10年前、売春婦の痴情殺人事件として犯人不明のまま処理された事件と関係があるのです。殺された女性は売春婦ではなく、日ソ協会に勤める女性で、アメリカ側から協会内の情報収集を依頼されますが、それを断り、殺されたのが真相のようです。しかも、映画を観る範囲での推測になりますが、記者の恋人だった可能性もあります。その無念を晴らすため、女性を殺害した組織に打撃を与えるため、真相を記事にしようと努力している様子です。途中、利益によって寝返る人々から情報を得たりして、真相解明に向け前進します。

しかし、真相は、大きな力によって、結局、藪の中となります。

誇り高き挑戦6.jpg



こんな概要です。



私は、この映画の背景は全く知りませんが、撮影当時の時代に興味を持ちました。

主人公である業界紙記者(鶴田浩二さん)でも、軍隊で使われる銃に詳しいことです。これは、戦後十数年しか経過していないため、実際に戦争に行った人々が、社会の第一線で活躍していた時代であることを改めて認識させられます。

*武器密輸の中心人物(丹波哲郎さん)が、かつて記者を拷問したGHQの日本人諜報部員(?)で元日本軍の
 特務機関の人間であるという話,

*記者が、武器製造を請け負っているメーカーに行った時に、朝鮮戦争後は景気が悪く、防衛庁が兵器を注文した
 形跡もないのに、景気が良いのはなぜかと質問する場面、

などに時代を感じます。

その他では、

・記者さんが日本の占領期にGHQの諜報部に拷問される場面
・映画に登場する人物の多くがタバコを吸っている
・取材先の家庭で、朝鮮戦争で負傷した元米軍兵士が出て来る
・バーのホステスを女給と言っている
・オフィスの中は、照明、電話以外は電気が存在していない
・少々大きな道でも舗装されていない道路がでてくる
・国会議事堂の近所でも広大な空き地がある
・甲州街道か青梅街道かは不明だが、今と違って車が少なく、周囲は家がまばらで緑豊かであること
・今なら、不法駐車で駐車違反になるようなところに、多くの車が停まっていること
・郊外では、駐車場ではなく空き地に無造作に車が停めてあること

これらの光景を見ていますと、日本でありながら外国の景色を見ているような気分になりました。

また、映画出演者はお亡くなりになっているかたが多いので気付くことがあります。それは、人間はこの世に限られたスケジュールで旅行に来ている存在だということです。こういう目で日常生活を見ますと、生きているうちに、いろいろ見て、経験しないともったいないという気持ちになったりもします。

日常生活から距離を置いて、人間について考えたい時は、時代の異なる映画を見たり、同じ時代の外国に行くなど、視点をずらすのも効果的だと思います。







それではまた!



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