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日常生活もネタになる

8月26日から雨や曇りの日が多く急に涼しいというか寒くなりました。時々晴れの暑い日もありましたが、例年より1ヶ月早い秋という感じです。最近は、ドル円相場で円安になっているため為替で赤字になる輸入案件があったりと、ため息の出る毎日でした。


『華やかな魔女たち』(Le Streghe 1967 イタリア映画)
気分転換に、『華やかな魔女たち』(Le Streghe 1967 イタリア映画)を見ました。この作品は5人の監督のそれぞれの作品が収められています。主演は5作品ともすべてシルヴァーナ・マンガーノさんです。

この作品はテレビでは思い出したように放映されていましたが、日本版のDVDはない様子です。そのためアメリカのAmazonでDVDを購入し秋葉原の免税店で買ったリージョンフリーのDVDプレーヤーで見ています。

◆教訓◆
この映画の出演者は、既にお亡くなりになったかたが多いです。こういう映画を見ていますと、普段考えないことを、ふと考えたりします。

例えば、5作品全てに出て来るシルヴァーナ・マンガーノさんを見て、輪廻転生を考えさせられました。
つまり、異なる環境の異なる境遇で生きる女性を通して、それぞれの人生で何が大切かを学ぶ旅人の話に見えてしまったのです。

最初のルキノ・ビスコンティーさんは、第一話で有名女優の内面の苦悩を描いていましたが、この監督さんの映画は、(異邦人以外全て見ましたが、)悲劇を通して教訓を投げかけるスタイルです。今回も、有名であったり、お金持ちであっても人間は幸せとは限らないという教訓を投げかけていました。これを引きずって残り4話もつなげて見てしまったせいかもしれません。

人間の幸せは、自分が他人や社会に最も貢献できることを見つけ、それを実践し周囲を幸せにすることではないかと、私は思ったりします。地位・名誉・財産といった外にあるものを求めてもダメなのです。人はそれぞれ価値観や役割を持っているようですが、誰もそれを教えてくれません。自分でいろんなことをやって体験から見つけていくしかないようです。しかし、一旦、自分の役割が見つかれば、実践を通した満足感から、自分の価値観が実現されていることを知り、心も安定し充実感も得られるようになります。一流の職人さんや専門家を見て、私はそう思うことがあります。
富を得ても心が貧しければ身を滅ぼしますので、心豊かに、穏やかに、中庸であることが大切だと思います。



◆第5話『またもやいつもの通りの夜』(Una Sera Come Le Altre)◆
この5話目『またもやいつもの通りの夜』(Una Sera Come Le Altre)を見て、私は感心したのです。
つまり、ありきたりの日常をうまく編集するだけで映画という商売になり大金が動いているからです。
人の心を捉えたり動かすことができれば、人はお金を出すということに改めて商売のヒントをいただきました。


あらすじ概要
この5話は、結婚7年目(?)の上品で控えめな奥さんが主人公です。
デ・シーカさんは、この映画のストーリーを考えるにあたり、マリリン・モンローの「七年目の浮気」も頭にあったと推測します。

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夫は仕事から家に帰ってきても、奥さんと満足に会話もしません。話しても受け流したり、話している途中で居眠りしたりしてしまうのです。奥さんはそんな夫に表面では穏やかに話していますが、心の中の妄想では、感情むき出しで夫を罵りビンタを食らわしたり、夫の目の前で不倫して自分にかまってくれない夫に復讐したりと、過激な場面の連続です。そんな奥さんも子供たちのことを思い出すと我にかえります。しかし、満たされない心は収まりません。

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そんな奥さんですが、ついに妄想もエスカレートして、世の男性全てが自分に注目し、自分の歩く後ろを、彼らも一緒について来る姿を想像するようになります。妄想の中で、その男性陣を見た夫が(戻ってこいと言う意味で)自分の名前を呼びますが、奥さんは、それを無視して男性陣を引き連れて行進します。

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最後は大競技場までやって来て、奥さんはそこでストリップショーを始めます。そして下着姿になったところで、競技場を埋め尽くした男性たちは拍手喝采の大歓声を奥さんに送ります。競技場の外では打ち上げ花火もあがっています。

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そんな光景を目にした夫は失望のあまりピストル自殺します。

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夫役は若きクリント・イーストウッドさん



ここで奥さんは妄想から現実に戻り、スッキリした気持ちになります。

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しかし、目の前の夫は、いびきをかいて寝ています。それを見た奥さんは、思わず怒りがこみ上げ、夫を怒鳴りつけます。

驚いて目を覚ました夫は、「何事か」と奥さんに訪ねますが、奥さんはあわてて、「あなたがいびきをかいていた」と誤魔化します。夫は、気持ちを鎮めるため、「これからカモミールを飲むと良いだろう」と奥さんに言います。

奥さんは、自分が情緒不安定になっているのは、夫が原因であることを、当の本人が全く分かっていないと、妄想の中で、泣きながら夫のほっぺたをビンタし続けます。

そのうち奥さんも疲れ果て、いつの間にか寝ています。

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こうして、今日も同じような一日が終わるのでした。こんな内容です。

ところで、この映画の日本語版は出してもらえないのでしょうか。不満ですね。



感想
ビットリオ・デ・シーカさんは、庶民の生活を切り取って、「こんなことある、ある」と登場人物に共感する映画をつくらせるとうまいと思う人です。そして、「人生いろいろあるけど捨てたもんじゃないよ」と言われているような気になります。

私は、今回の映画も、世の奥様方の不満をうまく取り上げ、話を膨らませて面白くしていると思います。そして、この話を見た人も、内容に共感し、ストレスを解消できて嫌なことの多い日常生活に戻っていけます。

私は、デ・シーカさんの描く、人間の生きたあかし、人のぬくもりが好きです。

私も、明日から真っ青な現実に戻りますが、また頑張るとしましょう!





それではまた!









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