2017年03月13日
転成名詞
「近く」が名詞なのか形容詞なのかを見分ける方法はないか、
というコメントをいただきましたので、
今日は転成名詞について書きますね。
転成名詞とは、
その名のとおり、
名詞以外の品詞の単語が名詞に成ったものです。
いろいろな種類があります。
【動詞の連用形が名詞に成ったもの】
悩み←悩む、輝き←輝く、喜び←喜ぶ、決まり←決まる、守り←守る、攻め←攻める…
【形容詞の連用形が名詞に成ったもの】
遠く←遠い、近く←近い、多く←多い、早く←早い、古く←古い…
【形容詞・形容動詞の語幹に「さ」「み」「げ」などの接尾語がついて名詞に成ったもの】=派生語ともいう
暑さ←暑い+さ、ありがたみ←ありがたい+み、楽しげ←楽しい+げ、さわやかさ←さわやかだ+さ…
派生語のほうは、見ればすぐに判別できるはずなので、
見分け方を知りたいのは、
動詞・形容詞の連用形かどうか、
ということだと思います。
名詞の特徴として有名なのは、
「主語になれる」ということなのですが、
転成名詞も名詞の仲間なので、
主語になれます。
格助詞の特徴として有名なのは、
「主に体言に接続する」ということなので、
もし動詞・形容詞の連用形らしきものの下に格助詞があったら、
その格助詞の上は転成名詞であるといえます。
ちょっと例を見てみましょう。
★ 空に星が輝き、瞬いている。
☆ 空の星が輝きを増している。
★の「輝き」は、そのあとの「瞬いて」と並立の関係にあり、
「瞬き、輝いている」と言い換えることができます。
「星が」という主語に対する述部です。
ですから、
この「輝き」は、動詞の連用形で、
すぐあとに「、」があるので「中止法」ですね。
☆の「輝き」は、そのあとに「を」という格助詞が接続しています。
「輝きが増す」と言い換え、
「輝き」を主語にすることができます。
ですから、
この「輝き」は、転成名詞です。
では、もうひとつ。
★ 駅までは遠くて、とてもじゃないが歩けない。
☆ 遠くの駅まで自転車で行く。
★の「遠く」は、そのあとに「て」という接続助詞が接続しています。
接続助詞「て」は用言や助動詞の連用形に付きますから、
この「遠く」は、形容詞の連用形です。
☆の「遠く」は、そのあとに「の」という格助詞が接続しています。
この「の」は連体修飾語を作る「の」(駅という体言を修飾している)です。
格助詞の前に付いているので、この「遠く」は転成名詞です。
このように、
「どっちかな」と迷ったら、
「が」を付けて主語にできるかどうか、
すぐあとに格助詞があるかどうか、
を見て、判断してください。
というコメントをいただきましたので、
今日は転成名詞について書きますね。
転成名詞とは、
その名のとおり、
名詞以外の品詞の単語が名詞に成ったものです。
いろいろな種類があります。
【動詞の連用形が名詞に成ったもの】
悩み←悩む、輝き←輝く、喜び←喜ぶ、決まり←決まる、守り←守る、攻め←攻める…
【形容詞の連用形が名詞に成ったもの】
遠く←遠い、近く←近い、多く←多い、早く←早い、古く←古い…
【形容詞・形容動詞の語幹に「さ」「み」「げ」などの接尾語がついて名詞に成ったもの】=派生語ともいう
暑さ←暑い+さ、ありがたみ←ありがたい+み、楽しげ←楽しい+げ、さわやかさ←さわやかだ+さ…
派生語のほうは、見ればすぐに判別できるはずなので、
見分け方を知りたいのは、
動詞・形容詞の連用形かどうか、
ということだと思います。
名詞の特徴として有名なのは、
「主語になれる」ということなのですが、
転成名詞も名詞の仲間なので、
主語になれます。
格助詞の特徴として有名なのは、
「主に体言に接続する」ということなので、
もし動詞・形容詞の連用形らしきものの下に格助詞があったら、
その格助詞の上は転成名詞であるといえます。
ちょっと例を見てみましょう。
★ 空に星が輝き、瞬いている。
☆ 空の星が輝きを増している。
★の「輝き」は、そのあとの「瞬いて」と並立の関係にあり、
「瞬き、輝いている」と言い換えることができます。
「星が」という主語に対する述部です。
ですから、
この「輝き」は、動詞の連用形で、
すぐあとに「、」があるので「中止法」ですね。
☆の「輝き」は、そのあとに「を」という格助詞が接続しています。
「輝きが増す」と言い換え、
「輝き」を主語にすることができます。
ですから、
この「輝き」は、転成名詞です。
では、もうひとつ。
★ 駅までは遠くて、とてもじゃないが歩けない。
☆ 遠くの駅まで自転車で行く。
★の「遠く」は、そのあとに「て」という接続助詞が接続しています。
接続助詞「て」は用言や助動詞の連用形に付きますから、
この「遠く」は、形容詞の連用形です。
☆の「遠く」は、そのあとに「の」という格助詞が接続しています。
この「の」は連体修飾語を作る「の」(駅という体言を修飾している)です。
格助詞の前に付いているので、この「遠く」は転成名詞です。
このように、
「どっちかな」と迷ったら、
「が」を付けて主語にできるかどうか、
すぐあとに格助詞があるかどうか、
を見て、判断してください。
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「凄い」を従来通りの形容詞と捉えるならば、
・凄い近くにいる
→凄い(連体形)+近く(形容詞「近い」の転成名詞)
・凄く近い場所にいる
凄く(連用形)+近い(形容詞)
が、正しい文法になる。
最近は「凄い」という副詞ができたと捉えるべきかもという話がある、ということなんですね。
咄嗟にはまだ混乱してしまう可能性がありそうなのですが、考え方を整理できてスッキリしました。
明快なご回答をいただき、誠にありがとうございました!(^o^ゞ
とあるブログにて「凄い近くにいる」と書かれていたのを見て凄く違和感を持ったため、調べました。
「近く」の元になった「近い」は形容詞であるから、「凄く近くにいる」が正しいのではないかと思ったのですが、名詞化した形容詞であると考えれば、「凄い近くにいる」も文法的には間違いではないと考えられるような気もしました。
特集ありがとうございました!
名詞の見分け方
「が」をつけて主語になれば名詞
と参考書に書いてあったので、「近く」は「近くが」って言えるから名詞で確定だ!と覚えた次に、
形容詞を覚えたら「近い」の連用形は「近かっ&近く」だ!
で記憶が形容詞に変わって・・・
名詞を復習したら・・・ん??どっちだ?? と混乱してしまいました。
格助詞と名詞の見分け方のダブルチェックが必要なんですね!
まだ、助詞・助動詞を覚えていないので覚えます。(覚える自信ありませんが・・・多すぎ
る・・・)
ありがとうございました!