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2017年03月03日

こそ

ひなまつりですね。
半期に一度の厄除けの日……
というと、何のことだか分からない人もいるかもしれませんが。

三月三日は、「桃の節句」ともいいますね。
五節句の一つです。
桃の花は、可愛らしい春の花というイメージですが、
実は災難など厄を祓う力を持っています。
九月九日は、「菊の節句」といい、
宮中では今も菊酒を飲むそうです。
菊の花にも、厄を祓う力があるからです。
三月三日と、その半年後の九月九日。
昔の人は半期に一度の厄除けの日として、
お花を飾ったのでした。

さて、今日は、名古屋市の公立中学校は卒業式です。
最近は卒業の歌にもバリエーションが増えて、
色々な歌が歌われていますが、
昔は卒業の歌といえば、
「仰げば尊し」に「蛍の光」でした。
どちらも言葉が古いので、
最近の子は歌の意味を理解できないかも……

仰げば尊し 我が師の恩、
教えの庭にも 早幾年、
思えばいととし この年月、
今こそ別れめ いざさらば。

「思えばいととし この年月」の
「いと」は、
「たいそう」「とても」などの意味の程度の副詞、
「とし」は、
漢字で書くと「疾し」で速い(早い)という意味の形容詞なので、
「思えばこの年月の経つのは、とても早くてあっという間だったなぁ」
ってこと。

「今こそ別れめ」は、
これが今日のテーマです٩(๑^o^๑)۶

「こそ」は係助詞です。

今使われている副助詞の「こそ」の元が、これ。
「卒業式だから、今日こそ告白するぞ」の「こそ」、です。
強調したり、文のリズムを整えたりするのに使います。
現在は「こそ」を使っても文末は変化しませんが、
古文では「こそ」を使うと文末が終止形ではなく、已然形になります。

係助詞によって文末の活用形が変わるのを、
「係結びの法則」といいます。

「ぞ」「なむ」「や」「か」→文末が連体形に
「こそ」→文末が已然形に

中学のどこかのタイミングで習いますね。

「別れめ」は、
直前の係助詞によって、
終止形「別れむ」が已然形になって「別れめ」になったものです。
「む」は、推量・意志の助動詞。

よって、「今こそ別れめ」は、
「さぁ、今はもう、別れましょう」
「今こそ別れるぞ」
という意味なのです。

「今が別れ目」だと思っている人が、
係結びを知らない小学生ならまだしも、
中学生以上の人にも結構いるらしいと聞き、
今日は「こそ」の解説をしました。





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posted by 良岑吏茶 at 14:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 古文
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