シリ−ズ健康−痛風

痛風
これまで痛風はぜいたくな暮らしをする人がかかる帝王病と言われていたが、現代では食の欧米化が一般化し、飽食の時代といわれる現況において、一般的な病気となった。その患者の多くは男性で、男女比はおよそ100対１である。
原因
痛風は尿酸という物質が身体の中にたくさん溜まって、それが溶け切れずに結晶になり、関節に沈着して炎症を起こし、やがて激烈な痛みを伴う痛風発作を起こすものである。
男性のほうが女性よりふだんからの尿酸値が高く、また女性ホルモンの作用により、女性では尿酸が体内に溜まりにくいため男性に多いと考えられている。
痛風の症状と経過
● 尿酸は通常腎臓で尿と一緒に体外へ排泄されるために血液中の尿酸の量は一定以上にならないのが普通であるが、場合によってはその量が異常に増えることがある。−高尿酸血症
● 高尿酸血症の状態が続くと、尿酸は体液に溶けてにくい性質のため、身体のいろいろな部位に沈着を起こしてくることがある。関節の内部をつつんでいる滑膜と、尿をつくっている腎臓の尿細管にとくに沈着しやすい。
● 腎臓の尿細管に尿酸が沈着すると尿細管から再吸収されるはずのタンパク質が尿中にもれたり、尿を濃縮する能力が低下するなど腎臓の働きが低下して腎不全になる。−痛風腎
● 関節の滑膜に尿酸が沈着し、そこに刺激が加わると、急性の炎症が起こり関節に耐え難い痛みが起こる−痛風発作・痛風性関節炎
治療
根本的な治療法は今のところ無い。しかし、医師による薬物療法、食事療法りの注意等を守ることで悪化を防ぎ、腎不全などの病気に移行する心配もない。
● 薬物療法−基本的に血液中の尿酸値を薬剤によって下げる治療が必要。そのための薬剤としては、尿酸を尿中に排泄する作用のある尿酸排泄剤、あるいは尿酸がつくられることを抑制する薬の服用。これらの薬は関節痛の痛みの有無にかかわらず、きちんとした管理の下での服用する。抗生物質であるため、副作用をできるだけ抑えるため管理服用をする。
● 食事療法−身体の中で尿酸に変化する「プリン体」を多く含む食品を避ける。プリン体を多く含む食品−鶏のモツ、マグロ、エビ、ビ−ル
痛風は肥満によっておこされることも多く、食生活に対する配慮も必要であり、高エネルギ−に偏らない献立をする。

痛風の予防
痛風や高尿酸血症は、遺伝的体質の場合には的確な予防手段はない。定期的に血液中の尿酸をチェックし、尿酸値の高い(8.0〜9.0mg/dl以上で治療対象)ときは、その原因を調べ、同時に次のようなことを注意していく。
● アルコ−ルは控えめに
● 高タンパク、高脂肪の食事は避ける−焼肉、ステ−キ、ラ−メンなど
● 標準体重を保つ
● 定期的な血液検査の実施
● 有酸素運動を持続して行う

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