シリ−ズ健康−アレルギ−

近年、花粉症・アレルギ−性鼻炎・じんましんをはじめ、治療が難しいアトピ−性皮膚炎やぜんそくなど、アレルギ−疾患を病んでいる人は全国で１２００万人(平成12年度)でしたが、平成19年度は、3500万人に急増している。
もとより遺伝的にアレルギ−体質を持つ人もいるわけだが、近年の現象で特に気になるものとして、本来アレルギ−とは無縁と言われる人までがアレルギ−的になり、何らかの症状を現しているという。
この現象は、私たちがその恩恵を享受している文明の発達から生み出された「文明病」とさえ言われる。
(1)アレルギ−のメカニズム
● アレルギ−とはどんな意味か?
アレルギ−(Allergy)とはギリシャ語のallos「変化する」とergo「作用・能力」を一緒にした「変化した反応能力」という意味の言葉に由来し、体内に入ってきた異物に対して起こる「共通とは異なる過敏な反応」という意味がある。
アレルギ−という現象は、免疫反応に変化が生じ、調節機能の異常など生体に障害を起こすものを言い「免疫反応によって引き起こされた、生体の全身性または局所性の障害」と定義づけられている。
● アレルギ−症状が起こる仕組み
呼吸器系のアレルギ−・目や鼻のアレルギ−・皮膚のアレルギ−など、何らかのアレルギ−症状を持つ人が増えており、現在、人口の35%以上いるといわれている。原因・発症の仕方、抗体の種類などによって４つに分けられるが、最も一般的なのが、気管支ぜんそく・アトピ−性皮膚炎・花粉症などを含む「�T型アレルギ−」である。
�T型アレルギ−の症状
体内に侵入した抗原(アレルゲン−アレルギ−を起こす物質と抗体−抗原を排除しようとするlgEという物質)が結合して、「抗原抗体反応」を起こすことによって生じる。アレルゲンが肥満細胞の表面についている抗体と反応すると、肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される。これがアレルギ−を起こす刺激を伝達するもので、その作用によっていろいろなアレルギ−症状が引き起こされる。

(2)アレルギ−の原因(アレルゲンと増悪因子)
アレルギ−性疾患の種類によって、それに影響するアレルゲン(抗原)の種類や強さは異なる。外界から体内に侵入するアレルゲンには様々なものがあり、それには、汚れた空気やホコリなど環境の問題にも大きな因子が含まれる。(2月〜6月の時期には、黄砂が偏西風に乗り日本にやってくる。中国やモンゴルの砂漠地帯からの黄砂で、当然ながら化学薬品など汚染物質を運びやってくる。)
その他の増悪因子
花粉やカビ・ハウスダスト・その他眼や鼻・のどの粘膜に付着するもの。
食べ物では、
牛乳・卵・エビ・ソバ−「食餌性アレルゲン」

(3)環境化学汚染物質によるアレルギ−への感作促進
�@ディ−ゼル排出微粒子
�A石油などの燃焼灰
(4)ストレスと過労
ストレスは自律神経や内分泌系に影響を与え、それらの機能の変調を招くことになり、さらに免疫系にも影響していく。すると抗体の生産能力に影響を与えることになり、様々なアレルギ−性疾患の原因となる。

治療法のポイント
ある食品と症状の発症とに密接な関係があると疑われたら、その食品を摂った後、症状の悪化が見られるようであれば、それを除去する。
日常生活では、肌に触れるものを点検し、アクセサリ−や衣類、石鹸、洗剤、香水など重要になってくる。
室内では、ハウスダスト(ダニ・ノミ・ホコリなど)やペットなどを点検。
アレルギ−のメカニズムがはっきりしていないため、決め手になる治療法はまだ確立されていない。
そのため、民間療法を含め、様々な治療法が行われている。それゆえに自分が納得できる治療法を選ぶべきである。アレルギ−の中で、アトピ−は、(生まれつきのアレルギ−体質)＋(皮膚が弱い)＋(アレルゲンが身近にある)という３つの条件が重なったときに起こるので、これらのうちどれかをなくせば発症しないと言われている。
アトピ−性皮膚炎の患者は、「ステロイド」を処方されるが、副作用によるリバウンドがありますので、使用には慎重を要する。

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