シリ−ズ健康[6]−�A腎臓病

腎臓疾患

高血圧と腎臓病
高血圧と腎臓病の関係は、高血圧になるとだんだん腎臓の機能が低下することと、腎臓が悪いと高血圧になりやすいと言う、表裏一体の面を持っている。つまりどちらが先に起こっても両方が悪くなる。
腎臓の血液ろ過機能
心臓が1分間に送り出す血液は約５�g、このうち約20%(１�g)の血液が腎臓に流れ込んでくる。腎臓は左右合わせて、300g位の臓器であるが、多量の血液を受け取っている。腎臓は、この血液をろ過して尿を作る。血液をろ過するのは、腎臓の糸球体である。そして、ろ過された血液は糸球体に続く尿細管という細長いチュ−ブを通る間に、その99%が再吸収され、残りわずか1%が尿として排泄される。腎臓が1日にろ過してつくる原尿は、140�gにも及ぶ。たくさんの血液をろ過して原尿を作り、さらに再吸収する事で、体液のバランスを一定に保っている。腎臓は細小動脈の集まった臓器であるので血管が硬化すれば糸球体が硬化し、やがて腎臓全体が硬くなってしまう、この状態を腎臓硬化症といい、これが高血圧による腎臓病のもとである。

腎臓病治療
●高血圧症の安定を保つ薬剤及び食事療法
腎臓疾患の場合は食事療法と安静、保温が最も大切で、その対象となるものは急性・慢性腎炎、ネフロ−ゼ症候群(糸球体腎炎、糖尿病などの疾患が原因で起こることが多い)腎硬化症、腎不全などがあげられる。

症状
腎炎=倦怠感、高血圧、浮腫、尿変化(たんぱく尿、血尿、尿量減少)
ネフロ−ゼ症候群=高度のたんぱく尿、高度の浮腫、低たんぱく血症、高脂血症
(自身の血液検査の数値を確認すること)

食事療法の基本点
１、 塩分を制限する。薬味やレモン汁、ゴマ油などの香りを付けて、減塩してもおいしく食べられる。
２、 水分は浮腫、尿量の程度に応じ、必要最小限度に制限する。
３、 たんぱく質はたんぱく質代謝産物の蓄積を防ぐため、症状に応じて制限するが、ネフロ−ゼ症候群の場合は、低たんぱく血症となっているので、良質なたんぱく質を適正量とる。
４、 エネルギ−を充分とる。高エネルギ−で低甘味性糖質食品の粉あめなどを食べる。(氷砂糖　砂糖の結晶など)
５、 油脂類は、不飽和脂肪酸の多い植物油をとる。
６、 カリウムの多い新鮮な野菜、果物、イモ類を十分摂取補給する。
腎臓病の中で高カリウム血症の場合は、カリウムを控える
７、 エキス粉、肉汁、アルコ−ル類、濃いお茶、コ−ヒ−、ココア、香辛料、刺激食品は避ける。

※浮腫（ふしゅ）
リンパ液循環の障害によっておこる病変の一つ。厳密にリンパ液という場合にはリンパ管内を流れているものだけをいうが、リンパ液は実際には血液や組織液と密接な関係にあり、また性状が類似しているので、組織液を含めてリンパ液と理解するのが便利である。動脈側の毛細血管から血管壁を通して組織内に出ていった液は、組織に栄養を与えるものであるため、栄養リンパ液とよばれている。この組織内のリンパ液は、組織および組織内の各種細胞に栄養を与えるとともに、種々の代謝産物を含むようになり、組織リンパ液といわれる。組織リンパ液はまた、静脈側毛細管やリンパ管に絶えず入るために、流出リンパ液ともよばれる。リンパ液が毛細血管壁を透過して出入する機序（メカニズム）に関しては、動静脈性毛細管内の血漿（けっしょう）と組織リンパ液との間の膠質（こうしつ）浸透圧の差と毛細血管内血圧との関係、およびナトリウムやカリウムなどの電解質代謝などが重視されている。このようなリンパ液循環に障害がおこると、組織内にリンパ液、つまり水分が異常に貯留した状態となる。この病変を浮腫、水腫、水症とよび、リンパ管が破れてリンパ液が管外に流出している病変をリンパ漏という。浮腫、水腫はほぼ同意語であり、皮下組織などの組織内にリンパ液が過剰に存在する状態をさすが、水症はどちらかといえば胸腔（きょうくう）・腹腔などの体腔内におこる浮腫、つまり腔水症を意味することが多い。血栓症や肝硬変のときに認められる浮腫のように、静脈やリンパ管の狭窄（きょうさく）・閉塞（へいそく）によっておこる浮腫をうっ滞性浮腫あるいは機械的浮腫とよぶ。肝硬変症では、腹腔の腔水症すなわち腹水症が主要症状の一つである。心不全による全身の循環障害の結果おこる浮腫がうっ滞性浮腫の代表的なもので、身体の下部つまり足部に始まるのが特徴である。炎症の場合にも局所に浮腫がみられるが、これは炎症の主徴候の一つである腫脹（しゅちょう）に関係している。慢性の栄養不足によってアルブミンの摂取不足となり、血漿の膠質浸透圧が低下しておこる浮腫を飢餓（きが）浮腫とよんでいる。癌（がん）の悪液質の場合にも浮腫は認められ、これは一般に栄養性浮腫とよばれる。腎（じん）疾患の際にみられる浮腫は腎性浮腫といい、血管壁障害による透過性の亢進（こうしん）、電解質代謝の異常、血漿タンパクの変調などが関係し、心疾患の場合と異なり、浮腫が顔面、とくに上眼瞼（がんけん）から始まるという特徴がある。

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