脳梗塞

軽い脳梗塞　退院後も要注意

3年で3割再発

まひが残らない軽度の脳梗塞を患った人のうち3年以内に30%が脳梗塞や心筋梗塞を再発させることが、名古屋大学医学部保健学科の山田純生教授らのグル−プの研究で分かった。
山田教授は「脳梗塞は生活習慣病。退院後の生活が改善できていないことが、再発につながっている可能性がある」と指摘している。

グル−プは平均年齢が64歳の軽度脳梗塞者102人を2006年から追跡調査。このうち25人が2年以内に脳梗塞か狭心症、心筋梗塞を発症した。
さらに、3年目に4人増え、合計でほぼ30%に達した。
再発の多くは同じ脳梗塞だが、4人は狭心症や心筋梗塞だった。

山田教授によると、心臓から血栓以外の原因で発症した脳梗塞のうち、重度の運動まひが残る人は全体の3割。残る7割は軽度で、約2週間入院して退院した。
しかし、脳梗塞は生活習慣病。生活が変わらなければ再発する危険性が高い。

グル−プの研究で、退院３ケ月の時点で身体活動量が低くかつ塩分の摂取量が多い人は再発率が高いことが判明。

また、脳梗塞を再発した患者の３割はまひが重度となった。脳梗塞には最初は軽度でも再発で重症化する傾向が見られた。

グル−プは現在、軽度の脳梗塞を患った人たちに運動や減塩を指導し、生活習慣の改善で再発がどの程度減少するかを研究している。

山田教授は「再発が減ることは予測できるが、正確なデ−タはこれまでにない。研究結果を社会に広く知ってもらい、どうやって予防するかを考えるきっかけにしてほしい」と話している。

厚生労働省の人口動態統計(２０１０年)の推計によると、脳梗塞などを含む脳血管疾患の死者は３位の１２万３０００人、２位心筋梗塞をはじめとする心疾患１８万９０００人。脳血管疾患と心疾患を合わせると、１位のガン３５万２０００人に迫る勢いだ。
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