今回は、「写真」です。
写真って、現実の世界を切り取って
どこが抽象なんだと思われるでしょう。
抽象ってもっと広い意味があります。
写真は確かに現実を一瞬切り取って
それを見せているわけですが、
切り取った時点で、それは、まさに
現実から切り取られたわけで、
その瞬間から現実ではなくなっているとも言えます。
わたしは、普段、なにげに街の風景を見ています。
用事で急いでいる時などは、目に入った風景は
見えていても実は見ていない。単に
目的の場所に行くための情報に過ぎない。
しかし、切り取られた写真は、どうでしょうか。
一瞬の時間の世界を、その状態の風景を
長い時間眺めているわけです。
そこに非現実の時の流れがあるのです。
その風景を通して、それを撮影した人の想い、
考えに思いを巡らします。
写真の鑑賞は、「きれいな花」「かわいい猫」
「美しい夕焼け」といった上辺の良さでは無く
その中にある撮影した人の内面まで踏み込んで
鑑賞できる写真が私は「スゴイ写真」と思えるのです。
例え、軽く一瞬を撮影したとしても
シャッターを押すまでのその人の性格
人柄があって、その行為をさせると思うのです。
私が、初めて写真を勉強したのは、この本からでした。
「写真用語事典」
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当時、1990年代、インターネットで何か検索する時代でもなく
写真もフィルム写真が全盛期でした。調べたり、勉強するには、
書籍しかありませんでした。しかも、今より勉強する書籍の量は
少なかったです。唯一、私が参考に出来たのが、この
「写真用語事典」でした。もっとも写真に必要な情報そのものは
必要最小限度で良いのです。用語の意味、表や数値の見方、ぐらいです。
特に、撮影での必要情報は、これです。
絞り値とシャッタースピードの関係表
これを記憶しておくと、どの感度のフィルムを使っても
この関係で適性の設定ができます。機械式のカメラでは、
この情報が無いと写真は撮れません。
しかし、しかし、しかし、
今は、デジタルです。
しかも、画像の質は日増しに向上しています。
今更フィルムに戻る必要も無いと
個人的には思っています。
フィルムは環境にも悪いしね。
だから、今は、こんな絞り値、シャッタースピードの
関係なんか知っていなくても十分に写真は
撮れます。つまり、技術的な格差はほぼ無いと
言っても過言ではないでしょう。
多少の金と時間があれば、誰にでも技術の習得は可能です。
今は、皆が写真を撮ります。一億総写真家の時代です。
今は、「どうしてあなたは、この写真を撮ったのか」
が、より重要になるのです。
ハード面ではなくて、ソフト面がより重要になっています。
それこそ、作品があたなそのものなのです。
「私の抽象芸術 入門」では、
このことにこだわって進めていきます。
技術的な事が知りたいのであれば、他の優良サイトが
幾らでもあります。そちらをご覧になった方が良いでしょう。
ここでは、触れません。予めご了承ください。
今回は、「はじめに」と言う意味で書いています。
私の作品をご覧になって、共鳴したとか
同じ想いを感じて頂けたらなら、次回も
どうぞご覧になってください。
感想も頂けたら嬉しいです。
「どうして あなたは シャッターを押すのか?」