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タグ / 剣

記事
月光と闇 [2016/01/12 00:00]
大理石でできた剣は鍛冶屋の熱き魂を受け継いでいた。 戦に猛り、血に飢え、闘いを渇望する者に振るわれる事を 心の底から待っていた。 けれど自ら熱を生み出す灼熱の刀身は、戦いに明け暮れる者が 手に取ったとしても、全て焼き尽くしてしまう。 剣は待ち詫びていた。滾る心を諫め導く、力強い心を。 剣は待ち望んでいた。己が刀身に血を通わせる、猛き者を。 やがて待ち望んだ相手の命を奪うとしても、 それでも剣はひたすら待ち続けていた。 己が魂を納める器。氷のような永遠を。
聖女の焔 [2016/01/11 00:00]
美しくは佇まい。 歪むのはいつだって、見えない心。 願うは人々の幸福。 蔑むのはいつだって、数多の虫。 輝くは闇夜の炎。 導かれるのはいつだって、漆黒の闇。 焼かれるのは魔女の証。 火をつけるのはいつだって、私
折れた鉄塊 [2016/01/10 00:00]
鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄 鉄の塊は鍛え上げられる。堅さこそ戦場での強さだったから。 鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄 殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺 鉄の塊は殺しまくる。それが彼の存在する意味だったから。 殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺 肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉 鉄の塊は命を奪う。そうすれば願いが叶うと思っていたから。 肉肉肉肉肉肉肉..
偽りの契約 [2016/01/09 00:00]
ある村に嘘ばかりつく男がいた。 振るえもしない剣を腰からぶら下げ魔物を倒すと吹聴していたが、 嘘ばかりの男にやがて村人の誰も信用しなくなっていった。 ある日村に旅人が訪れ、魔物の棲家までの道案内を乞うた。 村人達が皆渋っていたところ、嘘つき男は道案内を名乗り出る。 「俺がお前を必ず魔物の元に連れて行ってやろう」 男は嘘ばかり教え、旅人はその度道に迷う。何度繰り返しても 旅人は男を疑うことなく迷い続け、とうとう男は根負けし、 魔物の元に案内した。男は咄嗟に魔物から旅人を庇い..
血瞑刀 [2016/01/08 00:00]
私の体は月に一度決まって血を流すのでとても汚い。 他の人よりも体は細く、力もなく、歪に歪んで脆く醜い。 他の人と違う私を、他の人達はとても乱暴に扱う。 力がないから仕事もできず、あまり役に立たない私はずっと 地下室で今日も乱暴に扱われるのを待つばかり。疲れきって 見る夢の中で、私の身体はとうとう血すらも流さなくなる。 気持ちが悪い。気持ちが悪い。気持ちが悪い。気味が悪い。 夢の中、今日も私を乱暴に扱う人が現れた。 その人が私を痛めつける為に持参した武器を奪い取る。 夢の..
聖徒の煉獄 [2016/01/07 00:00]
宣教師の素直な物言いと素敵な笑顔に安心し彼を村に招き入れる。 やがて心を許した村人達は、宣教師にあるお願いをした。 村では顔の美醜が全ての価値だった。美しい者は貴族のように 振る舞い醜い者は奴隷のような扱いを受けていた。醜い者達は 宣教師に「助けて欲しい」と泣きながらすがりついた。 素敵な笑顔の宣教師が醜い者達に手をかざす。すると、彼等の 顔が変化した。それは素敵な笑顔の宣教師と瓜二つの顔だった。 驚く村人達の顔を次々と宣教師は自分の顔と同じにしていった。 そして村人達..
処女の咎 [2016/01/06 00:00]
昔々、ある所に仲の良い三人の少女がいました。 政略結婚が当然で、女性が自由に生きるのは難しい時代でした。 けれど三人の少女は「共に純潔を守りましょう」と誓いました。 少女の一人は豊かな金髪の華やかで美しい娘でした。 彼女は長い髪を切り、亡き兄の代わりに隊を率いて戦地に赴き 信頼する従者の男に背を預け立派に戦い、戦死を遂げました。 少女の一人は黒髪の涼やかで麗しい娘でした。 本を愛した彼女は貧しい家の青年と想いを交わすもどうあっても 報われぬと知り、二人で海に身を投げ入れ戻..
雷王 [2016/01/05 00:00]
むかしむかし、荒廃した大地に雷鳴轟く荒れた空が続く、まるで 地獄のような領地がありました。領主は次々に変わり、領民は 飢えと天からの落雷に命を落とし続けていました。 ある日若き勇猛な領主が現れ、この地を開拓し豊かな土地に すると誓いをたてました。領民はみな疲れきっていたので 若き領主を誰も信じず、あざ笑う者さえいました。 若き領主は鍛冶屋に白銀の剣を作らせ、処女の娘達に 三日三晩祈りを捧げさせると、雷鳴と吹き荒ぶ嵐の中、 小高い丘で剣を掲げ地面に突き刺しました。 轟音と..
高潔なる飾剣 [2016/01/04 00:00]
私が仕える王子が守るべき国は、彼が王になる前に それはひどい戦争で滅びてしまいました。 あろうことか裏切り者がいたのです。 私が仕えた王子は健やかに成長し、強く美しい青年となりました。 再び国を再興すべく決起し、見事目的を果たし王となったのです。 それはもう素晴らしい国でした。 けれどその国も既に滅びて地図にも載っておりません。 王も国が滅びる時に逝ってしまわれました。 こちらがあの方が生涯手放さなかった形見の飾剣でございます。 ああ、王が終ぞ私を疑う事なく逝ってしまわ..
千年樹の歌声 [2016/01/03 00:00]
旅のお方、この村に来たのならあの歌を聞いて行くといいよ。 気のいいオカミと気立ても見た目も良い娘が出迎えてくれるさ。 料理も酒もなかなかのもんだ。 旅のお方、あの店で一番素晴らしいのは娘の歌さ。 娘の歌声を聞けば世の中にある嫌なことは忘れられる。 娘はもう一人いるんだけどね、二人の歌を聞けたら本望さ。 おや旅のお方、随分と久しぶりじゃないか。 またあの娘達に会ってきたのかい? あんたも好きだねえ、もう何十年と前の話じゃないか。 旅のお方、あの店の娘達の姿が変わらないのが..
断罪の咆哮 [2016/01/02 00:00]
彼は罪を犯した。 続く飢饉に増加の一途を辿る徴税、行方をくらました両親。 やせ衰え行く弟妹達のために彼は罪を犯した。 彼は手に入れたパンと牛乳を5人の弟妹に分け与えた。 幼い弟妹に全てを与え、彼はパンも牛乳も一切口にしなかった。 少しでも味わいたいとずっと咀嚼し続ける弟妹を眺めていた。 彼は罪を犯した。 やがて彼が豪商からパンと牛乳を盗んだことが露見したが、 断罪されたのは盗んだものを口にした幼い弟妹達だった。 幼い弟妹達は首と胴が汚く分断され路上に転がっていた。 鞭打..
ゼロの剣 [2016/01/01 00:00]
生まれた時から何も無かった。 だからゼロの名を持たされた。 自分が生きている価値を見いだせなかった。 祈る神がいるのであれば、殺す気でいた。 命を奪う時も何も感じなかった。 罪とか罰とか考える気にすらならなかった。 私は子供のように待ち望んでいた。 この生命が奪われる、その瞬間を。
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