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2021年01月07日

天孫降臨の年代 その3

人事的推測
本居、平田兩氏の所説は、古書の數字を全部其のままに信ずると、一部に改竄を加へて採用するとの差あれども、孰れも其の年數に於て、正しき古傳ありしものなることを豫斷したる上にての論なり。
固より平田氏の言へる如く、~道の事はおしてはかり難し。
ただ斯くの如き古傳ありと云ふを知りて滿足せんのみ。
されど試みに人事を以て之を度るに、文字の記録なき時代に於て、かほどの大數の、人爲によりて到底正しく語り傳へ得べきにあらざるは言ふまでもなし。
何れは陰陽五行等の説より推歩せしものなるべけんも、今其の由來を考ふる能はざるなり。
されば、暫く是等の數とは全く無關係に、年代學、考古學、人類學、土俗學、言語學、及び世界文化の撥達史、特に東亞に於ける古代文化の研究等の結果より之を論ぜんに、ほぼ我が日本民族の祖先が、皇室の御先祖御統率の下に此の島國に渡來せし年代、卽ち所謂天孫降臨の時代を、測定し得るの希望なきにしもあらず。
天孫は天照大~の授け給へる三種の~器を奉戴して、此の國に天降り給へりと傳へらるるなり。
而して鏡鑑を鑄造し、刀劒を鍛冶し、珠玉を琢磨するの技術は、既に高天原に於て撥達せりと傳へらるるなり。
若し是等の所傳を一切信憑せずと云はんには論なし。
苟も之を信じ、當時既に金属器使用の時代にありきとせんには、世界に於ける冶金鑄鍛の技術の撥達史の上よりして、又特に我が石器時代の研究よりして、ほぼ其の最高極限の年代を定め得べけんなり。
タグ:天孫降臨
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