2021年03月28日
山神の族 その3
大山祇神と出雲民族との關渉
國ツ神の一としての長狭の事は、海神と共に次節に説くべし。
同じく國ツ神たる大山祇神は、ただに此の日向のみならず、迹を各地に垂れて、古傳説上にも其の關係する範圍頗る廣汎なり。
彼の出雲の簸ノ川上にありて、八岐ノ大蛇の迫害を蒙りたる手摩乳(てなづち)、脚摩乳(あしなづち)の如きも、共に此の神の子なりと傳へらるる。
されば其の手摩乳、脚摩乳の女なる奇稻田姫の腹に生れまして、出雲系諸氏の祖と仰がるる彼の大國主神は、母系に於て實に此の大山祇神の曾孫にてますなり。
又同じ大山祇神の女神大市比賣(かむおほいちひめ)は、別に素戔鳴尊の妃として、大年神と宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)とを生み、木花知流比賣は素戔鳴尊の子八島士奴美命の妃として、布波能母遅久奴須奴神(ふはのもちくぬすぬのかみ)を生めりと傳へらるる。
更に古事記によれば、大國主神は此の布波能母遅久奴須奴神の玄孫にますともいふ。
孰れにしても此の神は、出雲系の諸神と交渉最も深き神として傳へらるるなり。
又其の外孫の神に、五穀の神なる大年神及び宇迦能御魂神のますことは、此の神が我が農業にも深き關係を有することを傳ふるものと謂ふべし。
宇迦能御魂神は一に倉稻魂神(うがのみたまのかみ)ともありて、稻荷神として祭らるる神なり。
國ツ神の一としての長狭の事は、海神と共に次節に説くべし。
同じく國ツ神たる大山祇神は、ただに此の日向のみならず、迹を各地に垂れて、古傳説上にも其の關係する範圍頗る廣汎なり。
彼の出雲の簸ノ川上にありて、八岐ノ大蛇の迫害を蒙りたる手摩乳(てなづち)、脚摩乳(あしなづち)の如きも、共に此の神の子なりと傳へらるる。
されば其の手摩乳、脚摩乳の女なる奇稻田姫の腹に生れまして、出雲系諸氏の祖と仰がるる彼の大國主神は、母系に於て實に此の大山祇神の曾孫にてますなり。
又同じ大山祇神の女神大市比賣(かむおほいちひめ)は、別に素戔鳴尊の妃として、大年神と宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)とを生み、木花知流比賣は素戔鳴尊の子八島士奴美命の妃として、布波能母遅久奴須奴神(ふはのもちくぬすぬのかみ)を生めりと傳へらるる。
更に古事記によれば、大國主神は此の布波能母遅久奴須奴神の玄孫にますともいふ。
孰れにしても此の神は、出雲系の諸神と交渉最も深き神として傳へらるるなり。
又其の外孫の神に、五穀の神なる大年神及び宇迦能御魂神のますことは、此の神が我が農業にも深き關係を有することを傳ふるものと謂ふべし。
宇迦能御魂神は一に倉稻魂神(うがのみたまのかみ)ともありて、稻荷神として祭らるる神なり。
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