2021年03月27日
山神の族 その2
天神と地祇
論者或は言はん。
天照大神亦伊弉諾尊の御子神にませば、天ツ神、國ツ神畢竟皆同一系統に屬すべしと。
然り、廣く之を言はば、諾冉二尊は世界の初にあらはれまして、人類の起原をなし給へる神なれば、一切の人類は亦悉く同一系統のものとなるべし。
されどこは人類を以て一源に歸するの論と同一にして、更に細かく之を言はんには、ここに數多の人種の別あり、更に同一の人種の中にも、數多の民族の區別あるべきなり。
既に天神、地神の別あり。
之を狭義に解して、別系統と見んも妨なかるべし。
されば彼の平安朝初期の編纂に係る新撰姓氏録を見るに、神別諸氏を分ちて天神、天孫、地祇の三となせり。
其の天神とは、高天原なる諸神の後裔なり、天孫とは同じく高天原の神の後ながらも、特に天照大神を祖神と仰ぐ神々の後裔なり。
而して之に對して地祇とは、天孫降臨以前より此の國土に存在せる諸神の後裔を云ふ。
姓氏録に、素戔鳴尊の御子神として傳へらるる出雲の大國主神の後裔諸氏を、地祇の中に列したるが如き是なり。
されば此の天神と天孫とを以て、皇別諸氏と共に、假りに天孫民族と稱せんには、之に對してここに所謂國ツ神、卽ち地祇に屬する先住の民族を、暫く別系統として區別せんは、其の理由なしと謂ふべからず。
論者或は言はん。
天照大神亦伊弉諾尊の御子神にませば、天ツ神、國ツ神畢竟皆同一系統に屬すべしと。
然り、廣く之を言はば、諾冉二尊は世界の初にあらはれまして、人類の起原をなし給へる神なれば、一切の人類は亦悉く同一系統のものとなるべし。
されどこは人類を以て一源に歸するの論と同一にして、更に細かく之を言はんには、ここに數多の人種の別あり、更に同一の人種の中にも、數多の民族の區別あるべきなり。
既に天神、地神の別あり。
之を狭義に解して、別系統と見んも妨なかるべし。
されば彼の平安朝初期の編纂に係る新撰姓氏録を見るに、神別諸氏を分ちて天神、天孫、地祇の三となせり。
其の天神とは、高天原なる諸神の後裔なり、天孫とは同じく高天原の神の後ながらも、特に天照大神を祖神と仰ぐ神々の後裔なり。
而して之に對して地祇とは、天孫降臨以前より此の國土に存在せる諸神の後裔を云ふ。
姓氏録に、素戔鳴尊の御子神として傳へらるる出雲の大國主神の後裔諸氏を、地祇の中に列したるが如き是なり。
されば此の天神と天孫とを以て、皇別諸氏と共に、假りに天孫民族と稱せんには、之に對してここに所謂國ツ神、卽ち地祇に屬する先住の民族を、暫く別系統として區別せんは、其の理由なしと謂ふべからず。
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