2021年02月15日
天孫降臨の經路 その1
第三章 天孫降臨
第五節 天孫降臨の經路
高天原の在所既に之を地表上に求むべく、而して天孫降臨の地が、假りに日、肥、豊三國の境上附近にありとすれば、果して如何なる徑路を取りて、天孫の此の地に來り給ひきと信ぜられたりしか。
是當然次に起るべき問題なりとす。
東亞民族南下の情勢 その1
つらつら亞細亞東部に於ける民族南下の情勢を考ふるに、孔子の所謂未開勇猛なる北方の強者が、南方温暖なる好地を求め、黄河の流域なる中原地方に向って其の歩を進むるの事は、志那歴代の史の常に繰り返す所なり。
而して朝鮮半島に於ける民族の遷移、亦實に同一の經過を取れるもの多きを見る。
有史以前の事は考古學の撥達を俟って後決すべく、暫く架空の忖度を避く。
されど其の今日迄に世に知られたる石器時代遺物分布の系統を案ずるに、我が本州の西半、並びに四國、九州等の地方の遺蹟より發見せらるる所の或る種類の遺物は、南は臺灣より、北は朝鮮、滿洲にまでも連絡を有するものの如く解せらるるなり。
是れ蓋し嘗ては同一系統の民族によりて、是等の諸地方が時を同じうして、又は時を異にして、棲息せられたりしことあるを示せるものなるべし。
第五節 天孫降臨の經路
高天原の在所既に之を地表上に求むべく、而して天孫降臨の地が、假りに日、肥、豊三國の境上附近にありとすれば、果して如何なる徑路を取りて、天孫の此の地に來り給ひきと信ぜられたりしか。
是當然次に起るべき問題なりとす。
東亞民族南下の情勢 その1
つらつら亞細亞東部に於ける民族南下の情勢を考ふるに、孔子の所謂未開勇猛なる北方の強者が、南方温暖なる好地を求め、黄河の流域なる中原地方に向って其の歩を進むるの事は、志那歴代の史の常に繰り返す所なり。
而して朝鮮半島に於ける民族の遷移、亦實に同一の經過を取れるもの多きを見る。
有史以前の事は考古學の撥達を俟って後決すべく、暫く架空の忖度を避く。
されど其の今日迄に世に知られたる石器時代遺物分布の系統を案ずるに、我が本州の西半、並びに四國、九州等の地方の遺蹟より發見せらるる所の或る種類の遺物は、南は臺灣より、北は朝鮮、滿洲にまでも連絡を有するものの如く解せらるるなり。
是れ蓋し嘗ては同一系統の民族によりて、是等の諸地方が時を同じうして、又は時を異にして、棲息せられたりしことあるを示せるものなるべし。
タグ:東亜民族南下
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