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2020年12月16日

禊祓(みそぎはらひ)の意義 その3

伊弉諾尊の黄泉國訪問
左の御髻(みみづら)に刺せる湯津爪櫛(ゆづつまぐし)の男柱一個を取り闕きて、一つ火點(とも)して入り見ます時に蛆集(うじたか)れ盪(とろろ)ぎて、頭には大雷(おほいかづち)居り、胸には火雷(ほのいかづち)居り、腹には黒雷(くろいかづち)居り、陰には拆雷(さくいかづち)居り、左手には若(わか)雷(いかづち)居り、右手には土雷(つちいかづち)居り、左足には鳴雷(なるいかづち)居り、右足には伏(ふし)雷(いかづち)居り、併せて八雷神成り居りき。
ここに伊弉諾尊、見畏みて逃げ還ります時に、其の妹(いも)伊弉冉尊、吾に辱(はぢ)見せ給ひつと申し給ひて、即ち黄泉醜女(よもつしこめ)を遣はして追はしめ給ひき。
爾(かれ)伊弉諾尊黒御鬘(くろみかづら)を取りて、投棄(なげう)て給ひしかば、乃ち蒲子生(えびかづらのみな)りき。
これを〇食(ひりは)む間に逃げ出でますを、猶追ひしかば、又その右の御髻(みみづら)に刺せる湯津瓜櫛を引き闕きて、投棄(なげう)て給ひしかば、乃ち笋生(たかむらな)りき。
こを抜食(ぬきは)む間に、逃げ出でましき。
且(また)後には、かの八雷神に千五百(ちいほ)の黄泉軍(よもついくさ)を副へて追はしめき。
爾御佩(かれみは)かせる十拳劔(とつかのつるぎ)を抜きて、後手(しりへで)にふきつつ逃げ來ませるを、猶追ひて、黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本に到るときに、其の坂本なる桃子(もものみ)を三箇取りて、待ち撃ちたまひしかば悉く逃げ返りき云云。
とあるによりて知らる。
蓋し古俗觸穢を以て罪悪の一となしたりなり。
されば伊弉諾尊は、千引の磐石を以て黄泉比良坂を塞ぎ、黄泉國との交通を絶ちて、我が日向の檍原に來り、茲に禊祓し給ひきと傳へらるるなり。
posted by うさぎ at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 黄泉國
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