自宅でED（勃起不全）診断　（１）心因性か器質性か

バイアグラの登場はセンセーショナルであった。いままで「陰圧ポンプ＋勃起補助リング」や「陰茎に自己注射」を指導する事がED診療のメインだったのであるが、バイアグラの登場で画期的に「誰でも簡単にできるED診療」の時代となった。ただし、簡単にできるとはいえ、バイアグラや類似薬は、現状の所は病院でしか処方できない。

バイアグラに抵抗性のEDも多い。特に心因性EDの場合バイアグラが効かなかったりする。

バイアグラは血管拡張薬（降圧剤）の仲間であり、陰茎海綿体血流を普段より多くする事で海面体内血流量の増大もたらす。血圧の薬を飲んで勃起しないのと同様に、バイアグラを飲んだだけでは当然、勃起しない。性的刺激があって陰茎が大きくなる時に初めて勃起をブーストする作用を発揮する。つまり、バイアグラは「勃起させる薬」ではなく「勃起した状態を補助する」薬である。そのため、「パートナーの前だと勃起しない」などの心因性EDでは、最初の勃起自体がないため、効果の無い場合がありうる。

バイアグラの効果の無い場合、心因性のEDの可能性を考えて夜間勃起測定を行う。寝ている間に十分に勃起しているようなら、機能的には（体としては）問題ない心因性EDであり、精神科や心療内科のカウンセリングでEDが治る可能性がある。

一般的にはジェクス・メーター（陰茎メジャー）で測定する。薬局で入手可能。寝る前に巻いておくだけ。朝おきて目盛りが増えていたら、夜間勃起が正常である。一方、目盛りが増えてなかったら器質性ED（体の問題がある）。巻いた初めての日は「first night failure（初夜の失敗）」と言って、違和感のため正確に判定できないことがあるため、複数回の計測が必要。

ジェクス・メーター（陰茎メジャー）は、心因性EDの診断に使用するほか、器質性EDの経過（良くなってるか悪くなってるか）の評価にも使用できる。

心因性かどうかのチェックに関しては、簡易的には「スタンプテスト」と言って、１円切手を陰茎に一周巻きつけて、ミシン目が切れるかどうかで判定する事ができる。

ジェクスメーター





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