2009年05月03日
過活動膀胱・頻尿症(他の抗コリン剤とは作用機序の異なるブラダロン)
過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は、 「尿意切迫感(urgency)を主症状とし、多くの場合、頻尿や夜間頻尿を伴い、ときには切迫性尿失禁を伴うこともある」と定義される自覚症状をもつ状態の事です。原因の病気は前立腺肥大症・脳梗塞や脊椎疾患など神経疾患(神経因性膀胱)、婦人科的疾患、加齢、精神的ストレスなど、多岐にわたりますが、原因が何であれ診断法と治療は共通する点が多いため新しい疾患概念として提唱されました。
頻尿が症状の主体の場合は抗コリン剤(ベシケア・バップフォー・デトルシトール・ウリトス・ステーブラ・ポラキスなど)。副作用は口渇感、便秘、尿閉などです。抗コリン処方に際しては、エコー検査で残尿がないことを確認するべきとされていますが、過活動膀胱の概念が認知されるにつれて泌尿器科以外での処方が多くなり、検査なしで抗コリン剤を処方する医院も多くなり、尿閉を起こすことも多いです。 特に前立腺肥大に用いる場合は注意が必要です。過活動膀胱治療ガイドラインが最近改訂版が出て、高齢男性に抗コリン剤を処方する事についての注意書きが増えたました。ただし過活動膀胱治療ガイドラインは泌尿器科医が見るものなので、そんな対策で副作用問題が解決できるとは思えない。抗コリンは良く効く薬品ではあるが、一般医科の先生方も十分に使いこなせない薬と思いますので、泌尿器科に行ったほうが明らかによいでしょう。
他の抗コリン剤とは作用機序の異なるブラダロン(塩酸フラボキサート)があります。ブラダロンは分類上は抗コリン薬に分類されるが、他の抗コリン剤と全く異なる作用機序であり、ブラダロンは抗コリン作用は弱く、膀胱平滑筋弛緩作用および中枢性の排尿抑制系を抑制する働きがある。また、他の抗コリン剤と別系統の薬剤なので、実際に他の抗コリン剤と併用するとより良い効果が得られる。(ただし、抗コリンとブラダロンを同時に処方するとレセプト=保険診療請求で問題になることも多く、特別な状況でなければ併用の形での処方は行ってない)
一般の抗コリンと比べると効果は弱いが、十分によく効く。副作用はめったに見られない点で他の抗コリンと明らかに違う。安全性が極めて高く薬効も十分であるため、近年OTC:レディガードコーワとして薬局で入手できるようになった。近年、医院で安易に高齢男性に抗コリン剤を処方する事が問題になっているため、女性用の頻尿用薬として発売されています。女性にとっては朗報です。男性にとってはレディガードはブラダロンと同一薬であっても、「適応外使用」になります。ブラダロンそのものなので高齢男性が使用してもめったに副作用は起こらないと思いますが、病院・医院で一度相談を受けてください。「病院が遠方で通えない」などの理由でやむおえない場合もあると思います。
レディガードコーワ:20錠入
頻尿の主要な原因に「睡眠障害」もあります。膀胱の過活動が「眠りが浅い」事でさらに過敏に感じられる状況です。従来から市販薬として使用されていた「抗ヒスタミン剤」を飲むと眠くなる副作用を、逆に「睡眠のための作用」として利用した製品。ドリエルは抗ヒスタミン薬であるため、病院の睡眠剤(ベンゾジアゼピン系など)とは異なる作用機序により効果がもたらされるため、依存症状を呈することはありませんし、安全性が高い薬剤です。
ドリエル:12錠入(1ヶ月5個までの販売
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頻尿が症状の主体の場合は抗コリン剤(ベシケア・バップフォー・デトルシトール・ウリトス・ステーブラ・ポラキスなど)。副作用は口渇感、便秘、尿閉などです。抗コリン処方に際しては、エコー検査で残尿がないことを確認するべきとされていますが、過活動膀胱の概念が認知されるにつれて泌尿器科以外での処方が多くなり、検査なしで抗コリン剤を処方する医院も多くなり、尿閉を起こすことも多いです。 特に前立腺肥大に用いる場合は注意が必要です。過活動膀胱治療ガイドラインが最近改訂版が出て、高齢男性に抗コリン剤を処方する事についての注意書きが増えたました。ただし過活動膀胱治療ガイドラインは泌尿器科医が見るものなので、そんな対策で副作用問題が解決できるとは思えない。抗コリンは良く効く薬品ではあるが、一般医科の先生方も十分に使いこなせない薬と思いますので、泌尿器科に行ったほうが明らかによいでしょう。
他の抗コリン剤とは作用機序の異なるブラダロン(塩酸フラボキサート)があります。ブラダロンは分類上は抗コリン薬に分類されるが、他の抗コリン剤と全く異なる作用機序であり、ブラダロンは抗コリン作用は弱く、膀胱平滑筋弛緩作用および中枢性の排尿抑制系を抑制する働きがある。また、他の抗コリン剤と別系統の薬剤なので、実際に他の抗コリン剤と併用するとより良い効果が得られる。(ただし、抗コリンとブラダロンを同時に処方するとレセプト=保険診療請求で問題になることも多く、特別な状況でなければ併用の形での処方は行ってない)
一般の抗コリンと比べると効果は弱いが、十分によく効く。副作用はめったに見られない点で他の抗コリンと明らかに違う。安全性が極めて高く薬効も十分であるため、近年OTC:レディガードコーワとして薬局で入手できるようになった。近年、医院で安易に高齢男性に抗コリン剤を処方する事が問題になっているため、女性用の頻尿用薬として発売されています。女性にとっては朗報です。男性にとってはレディガードはブラダロンと同一薬であっても、「適応外使用」になります。ブラダロンそのものなので高齢男性が使用してもめったに副作用は起こらないと思いますが、病院・医院で一度相談を受けてください。「病院が遠方で通えない」などの理由でやむおえない場合もあると思います。
レディガードコーワ:20錠入
頻尿の主要な原因に「睡眠障害」もあります。膀胱の過活動が「眠りが浅い」事でさらに過敏に感じられる状況です。従来から市販薬として使用されていた「抗ヒスタミン剤」を飲むと眠くなる副作用を、逆に「睡眠のための作用」として利用した製品。ドリエルは抗ヒスタミン薬であるため、病院の睡眠剤(ベンゾジアゼピン系など)とは異なる作用機序により効果がもたらされるため、依存症状を呈することはありませんし、安全性が高い薬剤です。
ドリエル:12錠入(1ヶ月5個までの販売
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