2009年04月28日
膀胱炎になりやすい方へ、尿路感染症の診断
膀胱炎の自宅診断
女性に多い膀胱炎。軽い下腹部痛や違和感だけのことも有り、病院に行くべきか悩んだ時や、どの診療科に行くべきか迷うようならテステープ(検尿試験紙)が便利です。自宅で2分で診断可能。自信を持って病院に行ってください。
検尿テープの検査項目は多数ありますが、白血球(=膿の成分)がはいっているものにしましょう。膀胱内細菌に対して炎症がおこると白血球が集まり、白血球が尿中に検出されます。病院で診断する時も、まずは尿中白血球を見ます。炎症が悪化すると潜血も出ますが、補助診断です。逆に、潜血は出ていても白血球が出ていない場合、他の尿路系疾患を疑います。
尿白血球定性 : これが診断に必須の重要な項目です。
尿潜血 : 陽性になる事も多いが、あくまでも補助項目です。
治療薬(抗生剤内服薬)は、現状のところ医療機関の処方がないと出せないので、診断がついたら診療所や病院へ。泌尿器科であれば、追加で尿細菌培養検査があります。細菌の種類と薬剤感受性検査(どの抗生剤が効果あるか)を調べます。この検査は尿中の細菌を育ててからの検査となるので、結果には1週間程度かかりますが、抗生剤の効果が悪いときなど後日の抗生剤変更の参考にします。
ウロペーパーIII‘栄研’H,A,G,L,pH(E-UR55):
男性尿道炎への応用
現在、地方都市の病院にて勤務しておりますが、尿道炎を繰り返す風俗店店長の方が3−4ヶ月に一回いらっしゃいます。夜間勤務が多いようで病院になかなか来ないため、治療が遅れて尿道がただれてから来院されます。生活を改める様子はないので、早期発見と早期治療のため、病院のテステープを数枚を渡しておきました。尿道炎の診断と治療にはクラミジアや淋菌のチェックが必要ですが、リスクがわかっていて発見のためだけであれば、とりあえずは白血球のみでも、やむおえません。早期に来院される事を祈ってます。
OTC薬の現状
治療薬(抗生剤内服薬)は、現状のところ医療機関の処方がないと入手できない。数年前までは、ウイントマイロン錠やヨウジクス錠と呼ばれる抗菌スペクトルの狭い(適応菌種の少ない)抗生物質がOTC薬として薬局で販売されていたが、現在は販売中止となっている。膀胱炎に効くとされる猪苓湯(チョレイトウ)などの漢方薬などは簡単に入手できるが、抗菌薬ではないし、十分なエビデンス(効くという証明)が無い薬が多い。細菌性膀胱炎(普通の膀胱炎)など、メカニズムがわかっている病態においては、たとえ「医療用」で「膀胱炎用」といえど、漢方は使用するべきではない。猪苓湯(チョレイトウ)などは非細菌性膀胱炎に使用する薬剤であり、細菌性膀胱炎は治療が遅れ悪化する事も多いので、注意してください。
再発予防
民間伝承的に尿路感染症への作用が知られていた食品であるが、エビデンス(効果があるという証拠)も確立している。馬尿酸という酸性物質による効果とされる。当院にてもカテーテル長期留置患者さん(腎や膀胱に直接管を入れている)や尿路変更術後患者さん(膀胱癌などで膀胱摘除と同時に新しい尿路を再建)の方に推奨しているし、何よりもトラブルが少なくなるので愛飲者は多い。以前推奨していたものはクランベリー100%ジュース。患者運動のおかげで数年前から近くのスーパーにも置いている。100%ジュースははっきり言ってすっぱいし美味しくないし高い。患者さん達は工夫してるらしく、みんなハチミツ入れて飲んでると言っていた。スーパーではクランベリージュースが売れることがわかってから5%程度のもの(安くて買いやすい)も置くようになっているが、5%のものは効果が薄いはず。ここまで病院で管理できないので、ポスターで注意するようにしている。
最近は、65%程度の、比較的おいしく安いものが出ており薬局でも売ってるので、スーパーよりも薬局購入を推奨している。
日清サイエンス クランベリーUR65 125ml×36本入
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女性に多い膀胱炎。軽い下腹部痛や違和感だけのことも有り、病院に行くべきか悩んだ時や、どの診療科に行くべきか迷うようならテステープ(検尿試験紙)が便利です。自宅で2分で診断可能。自信を持って病院に行ってください。
検尿テープの検査項目は多数ありますが、白血球(=膿の成分)がはいっているものにしましょう。膀胱内細菌に対して炎症がおこると白血球が集まり、白血球が尿中に検出されます。病院で診断する時も、まずは尿中白血球を見ます。炎症が悪化すると潜血も出ますが、補助診断です。逆に、潜血は出ていても白血球が出ていない場合、他の尿路系疾患を疑います。
尿白血球定性 : これが診断に必須の重要な項目です。
尿潜血 : 陽性になる事も多いが、あくまでも補助項目です。
治療薬(抗生剤内服薬)は、現状のところ医療機関の処方がないと出せないので、診断がついたら診療所や病院へ。泌尿器科であれば、追加で尿細菌培養検査があります。細菌の種類と薬剤感受性検査(どの抗生剤が効果あるか)を調べます。この検査は尿中の細菌を育ててからの検査となるので、結果には1週間程度かかりますが、抗生剤の効果が悪いときなど後日の抗生剤変更の参考にします。
ウロペーパーIII‘栄研’H,A,G,L,pH(E-UR55):
男性尿道炎への応用
現在、地方都市の病院にて勤務しておりますが、尿道炎を繰り返す風俗店店長の方が3−4ヶ月に一回いらっしゃいます。夜間勤務が多いようで病院になかなか来ないため、治療が遅れて尿道がただれてから来院されます。生活を改める様子はないので、早期発見と早期治療のため、病院のテステープを数枚を渡しておきました。尿道炎の診断と治療にはクラミジアや淋菌のチェックが必要ですが、リスクがわかっていて発見のためだけであれば、とりあえずは白血球のみでも、やむおえません。早期に来院される事を祈ってます。
OTC薬の現状
治療薬(抗生剤内服薬)は、現状のところ医療機関の処方がないと入手できない。数年前までは、ウイントマイロン錠やヨウジクス錠と呼ばれる抗菌スペクトルの狭い(適応菌種の少ない)抗生物質がOTC薬として薬局で販売されていたが、現在は販売中止となっている。膀胱炎に効くとされる猪苓湯(チョレイトウ)などの漢方薬などは簡単に入手できるが、抗菌薬ではないし、十分なエビデンス(効くという証明)が無い薬が多い。細菌性膀胱炎(普通の膀胱炎)など、メカニズムがわかっている病態においては、たとえ「医療用」で「膀胱炎用」といえど、漢方は使用するべきではない。猪苓湯(チョレイトウ)などは非細菌性膀胱炎に使用する薬剤であり、細菌性膀胱炎は治療が遅れ悪化する事も多いので、注意してください。
再発予防
民間伝承的に尿路感染症への作用が知られていた食品であるが、エビデンス(効果があるという証拠)も確立している。馬尿酸という酸性物質による効果とされる。当院にてもカテーテル長期留置患者さん(腎や膀胱に直接管を入れている)や尿路変更術後患者さん(膀胱癌などで膀胱摘除と同時に新しい尿路を再建)の方に推奨しているし、何よりもトラブルが少なくなるので愛飲者は多い。以前推奨していたものはクランベリー100%ジュース。患者運動のおかげで数年前から近くのスーパーにも置いている。100%ジュースははっきり言ってすっぱいし美味しくないし高い。患者さん達は工夫してるらしく、みんなハチミツ入れて飲んでると言っていた。スーパーではクランベリージュースが売れることがわかってから5%程度のもの(安くて買いやすい)も置くようになっているが、5%のものは効果が薄いはず。ここまで病院で管理できないので、ポスターで注意するようにしている。
最近は、65%程度の、比較的おいしく安いものが出ており薬局でも売ってるので、スーパーよりも薬局購入を推奨している。
日清サイエンス クランベリーUR65 125ml×36本入
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