結石のある部位により腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。この中で一般に激しい痛みを伴うものは、尿管結石です。尿管結石は、左右どちらかの背部または、側腹部から下腹部にかけての激しい痛みや血尿を生じ、石が膀胱の近くに落ちてくるとしだいに残尿感や頻尿感なども生じてきます。

まずは病院に行ってください。鎮痛剤を使用すれば痛みは和らぎ、緊急の手術の必要はありません。診断は、検尿で血尿の有無をみるほか、腹部エコー検査や単純X線撮影、腹部ＣＴ検査、排泄性尿路造影（造影剤を用いたレントゲン検査）で、個々の腎臓の働き具合を確かめておく必要があります。結石の大きさが長径1cm以下の結石は、自然排石が期待できますので薬物療法と鎮痛剤にて経過をみます。６�oまでであれば、しっかりと水分を摂ることで、尿量を増やし、自然に出すことも期待できます。1cm以上の結石や1cm以下でも数ヶ月排石しない場合などは、ESWL体外衝撃波結石破砕術や内視鏡手術など他の治療法に変更せざるおえない場合が多くなります。

痛みをとるために、消炎鎮痛剤（ロキソニンなど）の内服や、消炎鎮痛座薬（ボルタレン座薬）の使用をします。内服薬は吸収に時間がかかり即効性に乏しいため、持続痛には内服を使い、急な痛みには座薬を使うことが多い。これらで痛みがコントロールできない場合は、入院の上で注射（ソセゴン：麻薬系鎮痛剤）を使用します。
自宅で管理できるものとしては、消炎鎮痛剤（ロキソニン）の内服とボルタレン座薬。ロキソニンは薬局でOTCとしても入手可能なので、通院中「処方された薬がなくなった仕事で忙しく病院に行けない」などの場合は通院せず購入が可能です。また、鎮痛座薬の大人用はOTCでは認可されていませんが、小児用ならアセトアミノフェン座薬があります。「小児解熱用」とはされているが、しっかりした解熱鎮痛薬であり、大人用（ボルタレン座薬）よりは若干弱いながらも十分に即効性がある。

ロキソニン錠（劇）：100錠（PTP）






1個（1.2g）中 アセトアミノフェン100mg





薬物療法には、尿管を拡張させる抗コリン作用剤（ブスコパンなど）を使用します。 尿路結石症の９割はシュウ酸カルシウムなので、薬で溶けません。残り１割の方（尿酸結石や、まれにシスチン結石など）に対しては、重曹やウラリットによる尿のアルカリ化によって結石が溶解することがあります（結石溶解療法）。症状緩和のため漢方や生薬も使用されることがあります。漢方や生薬の効能で「結石を溶かす」と説明されている場合も多く、誤解をうんでいます。「結石を溶かす」と開業医さんや内科医師から説明を受けてしまう場合もありますが、漢方や生薬では結石は当然ながら溶けません。

鎮痛剤以外では、抗コリン作用剤（ブスコパン）も薬局で通院せず購入可能。尿管拡張作用によって間接的に痛みが軽減する効果もあります。長期内服は副作用の観点上おすすめできません。痛みのある期間だけ内服してください。しっかりと薬効のあるOTCです。


ブスコパンA錠：20錠入








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