2017年05月06日
サハラ砂漠、世界最大の砂漠とは?文学部史学科‐地誌学リポート
サハラ砂漠、世界最大の砂漠とは?文学部史学科‐地誌学リポート
世界最大の砂漠といえばサハラ砂漠である。
アフリカ大陸に位置し、東西は、エジプトからモロッコ、そして、南にはスーダン、エチオピア、ナイジェリアまで続く広大な砂漠である。
サハラ砂漠が存在する、北緯と南緯25〜30度あたりの中緯度高圧帯下では、一般的に風は乾燥しているために降水量が少ない。
そして、亜熱帯地域なので温度が高く水分の蒸発量が多いため乾燥し、砂漠が作られる。
現時のサハラ砂漠では、中緯度高圧帯の勢力が強いために、雨が降る大きな原因となる、北側にある、寒帯前線と南側にある、北熱帯収束帯がサハラ砂漠地域に入ってくる事ができない。
そのために雨があまり降らない。
かつてサハラは緑に囲まれていたが、この時は中緯度高圧帯の勢力が弱く、前線がサハラ地域に侵入してきたために、たくさんの雨を降らし、サハラは緑に囲まれていた。
気候というのは、時代とともに、うつり変わるものである。サハラは過去に、砂漠化と緑化を繰り返している。
その他、サハラ砂漠の大西洋側では、カナリア寒流が流れており、沿岸地域の地表の空気が冷却されるために、逆転層が生まれ、上昇気流が発生しなくなる。
このような理由で、雨があまり、降らなくなり、砂漠化の原因の一つになる。
まとめると、現在、サハラ砂漠で砂漠化が進んだ理由は、アフリカの川は、海に注いでいない場合が多く、沼を形成する。前線の移動などの気候の変化により、温度が上がり、雨があまり降らなくなり、地表は乾燥する。
そして、さまざまな原因が絡み合って、砂漠化が進んでいったと思われる。
サハラ砂漠のような、中緯度高圧帯で大陸の内部に位置する砂漠は、一般的に1日の温度差がとても激しく、−3.3度〜57度という世界記録もある。
また、高緯度内陸砂漠では温度の年較差が特に大きいという特徴がある。
砂漠では一般的に温度差が激しいことが言えるであろう。
この他、砂漠では雨は極端に少ないがその代わり、いっきに雨が降り、豪雨になることが多い。
サハラ砂漠では大平原が形成される地域が多いという特色がある。
これは砂漠の地形は、最終的には大平原となるためで、一億年を超える長い期間を経ている、サハラ砂漠ならではの光景である。
では、なぜ、大平原になるかと言うと、砂漠地域では厳しい環境のため岩石の破壊が通常の地域とくらべて早く、また、ときおり降る雨は豪雨となるので、岩や山が削られ侵食していく。
そして、山地は縮小していき、最終的に大平原になりやすいという特徴がある。
サハラ砂漠では、たくさんの、民族が暮らしている。
サハラ砂漠の厳しい環境で生活するために、遊牧生活を営んでいる民族が多い。
遊牧生活の中で、飼育する家畜から、生活に必要な物を生産して、サハラ砂漠の厳しい環境でも生活を行っている。
家畜からは、チーズやバターなどの食糧が取れて、また、余剰は、町などで、他の食糧を買う、収入源ともなる。
また、家畜から、取れる毛皮は、衣服や移動式テントを作る材料ともなる。
この様に、遊牧こそが、サハラ砂漠の民族の生活を支えている手段である。
サハラ砂漠の遊牧民は、わずかな、草をもとめて、砂漠の中を遊牧する。
サハラ砂漠の厳しい環境下で、移動するのには、ラクダを使う。
ラクダは砂漠の環境に適した動物でサハラ砂漠では、人間の生活にはとても重要な動物である。
サハラ砂漠のガルダイアなどの、オアシスがある都市では、オアシス農業が行われている。オアシス農業は、あまり水を必要としない作物を栽培している。
サハラ砂漠で水量の多いオアシスには、昔から、人が集まり、都市化が進み、交易が行われ、サハラ砂漠の中心となっていった。
広いサハラ砂漠の中で、エジプトの砂漠には外来河川のナイル川がある。
エジプトではこのナイル川を中心として、人間が生活をいとなんだ。
ナイルの賜物、まさに、エジプトでの生活はナイル川なしには語られない。
ナイル川では7月ぐらいから10月にかけて、川は大洪水を起こす。むかしは、この時、川の灌漑などをしなかったために、ナイル川は洪水した。
ナイル川の洪水は、同時に上流からの天然のミネラルを含んだ養分を洪水地域のまきちらす効果がある。
ナイル川の洪水が終わった10月をすぎたら、毎年この洪水の地域には農業に適した肥えた土地ができあがる。
このため、人間は生活をするための食料と水を手に入れることができてエジプトの砂漠では人間が生活できた。
また、古代エジプトでは、このナイル川の洪水の時期には、住民は暇をもてあますために、国家プロジェクトである、ピラミッドやスフィンクス、神殿などの建設を行ってうまく繁栄した。
サハラ砂漠地域では、かつては、イスラム帝国の支配下にあったことが理由で、サハラ砂漠地域にイスラム教が伝来して、現在でも、イスラム教を信仰している民族が多数いる。
最後に人間はさまざまな環境に適応するために、いろんな工夫を行って、環境に適応していった。
そして、人間は生物が生きていくためには難しいような地域、砂漠や寒冷地などを含め広く世界中に生命の営みを育んでいる。
これは、人間、いや地球上の全ての生物が環境に適応する能力をもっているためではないだろうか。
(エジプト 鈴木八司 新潮社 参照)
(日本放送出版協会発行 緑の思考・砂漠の思考 参照)
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