2017年05月05日
古代ギリシアの哲学者たち‐文学部史学科‐西洋哲学史リポート
古代ギリシアの哲学者たち‐文学部史学科‐西洋哲学史リポート
プラトンは哲学史に多大な影響を与えた人物である。
それは、プラトンが書いたと言われる書物がたくさん残っており、後世の人が書物からプラトンの思想を読み取ることができることも1つの理由である。
また、プラトンは政治にも興味を持っていた。
理想の国家を作るためには、その統治者階級となるべき人には徹底した教育が必要であると考えた。
そのため、プラトンは、学園、アカデメイアを創設する。
学園でプラトンは理想国家の統治者になるべき人間を育てていく。
学園を作った事は、プラトンの思想をたくさんの人に知ってもらうきっかけともなるし、また、学園の創始者プラトンの思想に影響を受ける人も増えるのである。
プラトンは幼少の頃からソクラテスと親交があり、ソクラテスの思想の影響を受けることになる。
その後、各地を旅し、いろんな人に出会い影響を受け、また、自分自身の哲学を作り出していく。
プラトンの功績はタレス以来のギリシア哲学を1つの集大成としてまとめあげた事にあるだろう。
プラトン哲学の中心となる思想はイデア論である。
イデアとは形相の事で、視覚的なものと中身は違うと考えた。
例えば、美しいと感じる物があったとするなら、その美しいと感じる物のなかには、永遠不変の美のイデアが存在していると考えた。
また、イデアは高貴な神によって創造され、また、神の意志や思想を帯びたものであると考えられた。
この非現実的で神秘性を秘めたイデア論は後に、中世キリスト教の思想や教義とも結びついていくのである。
アリストテレスもプラトンに影響を受けた人物の1人である。
イデア論はソクラテスが考え始め、プラトンが完成し、アリストテレスが引き継いで影響を受けた事になる。
アリストテレスは宇宙の万物は、神の影響の元にあり、また、神の意志によって動かされていると考えた。
このアリストテレスの神秘的な思想は、プラトンのイデア論の影響を受けていると見る事ができるだろう。
しかし、アリストテレスの功績は、プラトン哲学を引き継いだことではなく、哲学や学問の世界に新たな道を作ったことである。
アリストテレスの学問領域はとても広く、様々な学問を紐解き、さかのぼって行くとアリストテレスに行き当たるのである。
万学の祖と言われる由縁である。
また、アリストテレスは豊富な知識をもとにヨーロッパで初めて学問の体系分類を試みた人物でもある。
そして、最大の功績と考えられるのは、哲学の分野に実証という概念をとり入れた事である。
それは、自然観測や観察をもとにして研究を行い、証拠を上げてから、理論を作っていく方法である。
プラトン哲学は実証性に掛けているが、アリストテレス哲学は実証性と神秘性を結びつけた哲学とも言える。
この実証的な学問のやり方は、現代でも通じるところがある。
哲学に実証の概念を取り入れた事から、そこから、自然科学と言う新しい学問分野も生まれてくる。
アリストテレスによってギリシア哲学は完成期を迎えたと言っても過言ではないであろう。
アウグスティヌスはプラトンの思想影響を大きく受けた人物の1人である。
アウグスティヌス哲学は、自然に関することはあまりなく、神や魂と言った神秘的な部分を重要視している所である。
この神秘的な部分がプラトンの影響を受けた部分と考えられる。
そして、アウグスティヌス哲学の特徴は、自然哲学を省いている変わりに時間の概念を取り入れている所である。
時間の概念を取り入れる事は歴史哲学に繋がっていく。
歴史哲学はギリシア哲学ではあまり考えられる事がなかった分野なので、ギリシア哲学に新しい要素を加えたとも見る事ができる。
時間と魂や神を考える哲学と言う事は、魂の行く末や人間の未来、歴史の行方、国家の行方などを考える事である。
人間の行方を考える所から、救済の問題も出てくる。
人間はどの様に生きていれば救われる事ができるのだろうかなどである。
この救済の概念から宗教哲学に発展していくのである。
そして、アウグスティヌス哲学は、中世キリスト教(カトリック)の教義と結びついていくのである。
そして、カトリック教会の教義は中世ヨーロッパ社会を思想的に支配して、ヨーロッパ中世社会形成の中核的役割を担っていくのである。
カトリック教会の教義が中世ヨーロッパ社会を支配した事は、カトリック教会の教義に影響を与えたアウグスティヌス哲学が一般の人々にまでその影響を与えた事を意味している。
トマス・アクィナスは宗教と結び付つき形式化してきた哲学に新しい分野を切り開いた人である。
トマス・アクィナスの生まれた13世紀はキリスト教の教義が社会を支配し、ギリシアなどの異教徒の古典文化は危険視されていた時代である。
そのような時代の中、ギリシア哲学のアリストテレスの研究をしていきました。
トマス・アクィナスの功績はキリスト教とアリストテレス哲学とを結び付けたことであろう。
宗教と結びつき非現実的で形式化されてきた哲学の世界に、実証的で科学的なアリストテレス哲学をとり入れた事は新しい道を切り開き、また、停滞していた学問の発展を促すきっかけともなった。
また、異教徒のギリシア古典文化をとり入れた事は、後に始まる、ルネサンスの先駆となっているのかもしれない。
(西洋哲学史 今道友信 講談社 参照)(ギリシア・ポリス社会の哲学 岩崎充胤 未来社 参照)
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プラトンは哲学史に多大な影響を与えた人物である。
それは、プラトンが書いたと言われる書物がたくさん残っており、後世の人が書物からプラトンの思想を読み取ることができることも1つの理由である。
また、プラトンは政治にも興味を持っていた。
理想の国家を作るためには、その統治者階級となるべき人には徹底した教育が必要であると考えた。
そのため、プラトンは、学園、アカデメイアを創設する。
学園でプラトンは理想国家の統治者になるべき人間を育てていく。
学園を作った事は、プラトンの思想をたくさんの人に知ってもらうきっかけともなるし、また、学園の創始者プラトンの思想に影響を受ける人も増えるのである。
プラトンは幼少の頃からソクラテスと親交があり、ソクラテスの思想の影響を受けることになる。
その後、各地を旅し、いろんな人に出会い影響を受け、また、自分自身の哲学を作り出していく。
プラトンの功績はタレス以来のギリシア哲学を1つの集大成としてまとめあげた事にあるだろう。
プラトン哲学の中心となる思想はイデア論である。
イデアとは形相の事で、視覚的なものと中身は違うと考えた。
例えば、美しいと感じる物があったとするなら、その美しいと感じる物のなかには、永遠不変の美のイデアが存在していると考えた。
また、イデアは高貴な神によって創造され、また、神の意志や思想を帯びたものであると考えられた。
この非現実的で神秘性を秘めたイデア論は後に、中世キリスト教の思想や教義とも結びついていくのである。
アリストテレスもプラトンに影響を受けた人物の1人である。
イデア論はソクラテスが考え始め、プラトンが完成し、アリストテレスが引き継いで影響を受けた事になる。
アリストテレスは宇宙の万物は、神の影響の元にあり、また、神の意志によって動かされていると考えた。
このアリストテレスの神秘的な思想は、プラトンのイデア論の影響を受けていると見る事ができるだろう。
しかし、アリストテレスの功績は、プラトン哲学を引き継いだことではなく、哲学や学問の世界に新たな道を作ったことである。
アリストテレスの学問領域はとても広く、様々な学問を紐解き、さかのぼって行くとアリストテレスに行き当たるのである。
万学の祖と言われる由縁である。
また、アリストテレスは豊富な知識をもとにヨーロッパで初めて学問の体系分類を試みた人物でもある。
そして、最大の功績と考えられるのは、哲学の分野に実証という概念をとり入れた事である。
それは、自然観測や観察をもとにして研究を行い、証拠を上げてから、理論を作っていく方法である。
プラトン哲学は実証性に掛けているが、アリストテレス哲学は実証性と神秘性を結びつけた哲学とも言える。
この実証的な学問のやり方は、現代でも通じるところがある。
哲学に実証の概念を取り入れた事から、そこから、自然科学と言う新しい学問分野も生まれてくる。
アリストテレスによってギリシア哲学は完成期を迎えたと言っても過言ではないであろう。
アウグスティヌスはプラトンの思想影響を大きく受けた人物の1人である。
アウグスティヌス哲学は、自然に関することはあまりなく、神や魂と言った神秘的な部分を重要視している所である。
この神秘的な部分がプラトンの影響を受けた部分と考えられる。
そして、アウグスティヌス哲学の特徴は、自然哲学を省いている変わりに時間の概念を取り入れている所である。
時間の概念を取り入れる事は歴史哲学に繋がっていく。
歴史哲学はギリシア哲学ではあまり考えられる事がなかった分野なので、ギリシア哲学に新しい要素を加えたとも見る事ができる。
時間と魂や神を考える哲学と言う事は、魂の行く末や人間の未来、歴史の行方、国家の行方などを考える事である。
人間の行方を考える所から、救済の問題も出てくる。
人間はどの様に生きていれば救われる事ができるのだろうかなどである。
この救済の概念から宗教哲学に発展していくのである。
そして、アウグスティヌス哲学は、中世キリスト教(カトリック)の教義と結びついていくのである。
そして、カトリック教会の教義は中世ヨーロッパ社会を思想的に支配して、ヨーロッパ中世社会形成の中核的役割を担っていくのである。
カトリック教会の教義が中世ヨーロッパ社会を支配した事は、カトリック教会の教義に影響を与えたアウグスティヌス哲学が一般の人々にまでその影響を与えた事を意味している。
トマス・アクィナスは宗教と結び付つき形式化してきた哲学に新しい分野を切り開いた人である。
トマス・アクィナスの生まれた13世紀はキリスト教の教義が社会を支配し、ギリシアなどの異教徒の古典文化は危険視されていた時代である。
そのような時代の中、ギリシア哲学のアリストテレスの研究をしていきました。
トマス・アクィナスの功績はキリスト教とアリストテレス哲学とを結び付けたことであろう。
宗教と結びつき非現実的で形式化されてきた哲学の世界に、実証的で科学的なアリストテレス哲学をとり入れた事は新しい道を切り開き、また、停滞していた学問の発展を促すきっかけともなった。
また、異教徒のギリシア古典文化をとり入れた事は、後に始まる、ルネサンスの先駆となっているのかもしれない。
(西洋哲学史 今道友信 講談社 参照)(ギリシア・ポリス社会の哲学 岩崎充胤 未来社 参照)
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