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2021年08月17日

経営法務 〜株式〜

自己株式

自己株式とは、自社で保有している自社株式(自社が発行している株式)のことである。自己株式の取得は、自社が発行した株式を他の株主から買い戻す行為を意味する。「金庫株」とも呼ばれている。自己株式の取得により、インサイダー取引や株価操縦、支配権の強化等を実行でき、他の株主に悪影響を及ぼし得ると考えられ禁止されていたものの、経済界の要望を受けて、平成13年度の法改正により、自己株式の取得が認められることになった。
取締役会設置会社における自己株式

株式会社は、その保有する自己株式を消却する場合、取締役会決議によって、消却する自己株式の数を定めなければならない。会社が保有している自己株式には、議決権が認められていない(会社法308条2項)。会社が保有している自己株式について、剰余金を配当することはできない。会社が保有している自己株式には、新株予約権の無償割当てができない(同法 241条2項括弧書)。
自己株式の取得

有償で自己株式を取得する場合、取得対価の帳簿価格の総額が分配可能額を超えてはいけない。株式を取得することができる期間は、1年を超えない範囲である(会社法156条1項)。株主全員に譲渡の勧誘をする方法(@株主との合意による取得)の場合には、株主総会普通決議で以下の1〜3の事項を決定する。決議後、会社は取締役会決議を経て全株主に対して一株あたりの買受価格などの条件を通知し、これに応じた株主から自己株式を取得することができる。
1.取得する株式の数
2.交付金銭等の内容と時価総額
3.株式を取得することができる期間
次に、特定の株主から取得する方法(A特定の株主からの取得)の場合には、株主総会特別決議で上記の 1〜3の事項に加え、4株主に対する取得事項の通知を、特定の株主に対して行う旨を決定する。
売主追加請求権

会社法は、特定の株主からの取得の場合、原則として他の株主への売却機会を付与する売主追加請求権を定めているが、 下記の例外規定がある。
<例外規定>
1.非公開会社で相続人等から取得する場合
2.子会社から取得する場合
3.定款に別段の定めがある場合
4.市場価格のある株式を、市場価格を超えない額で取得する場合 など
また、特定の株主から自己株式を有償で取得することについて、 売主追加請求権の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。定款変更によりその定めをするには、株主から平等な売却機会を奪うことにならないように、 株主全員の同意が必要である(会社法164条2項)。
株主総会

株主総会招集通知の手続は、公開・非公開、取締役会設置・非設置、書面や電磁的方法による議決権の行使を認めるか認めないか、など会社の類型によって異なる。
kabunushi.png
株主提案権

株主総会は、取締役会非設置会社では取締役、取締役会設置会社では取締役会が招集を決定し、招集通知を発するのが原則であり、この場合、議題は株主が決めることはできない。そこで、株主総会の活性化を図り、株主の意思を経営に反映するために、株主に一定の事項を議題とし、又は提案する権利が認められている。

株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主総会の日の8週間前までに請求することが必要となる。株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、総株主の議決権の100分の1以上の議決権又は300個以上の議決権を、6か月前から引き続き有していることが要件となる。株主の提案する議案が、実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合、会社は、その株主提案を拒絶することができる。株主の提案する議案が、法令や定款に違反する議案であった場合、拒否することができるため、議案の要領を株主に通知する必要はない。
譲渡制限株式

会社は譲渡承認請求のあった日から2週間以内に株主に通知しなければならない。2週間以内に株主に通知しなかった場合には、会社は譲渡を承認したものとみなされる。 その承認については、取締役会設置会社では、取締役会の承認を要するものとし、また、取締役会を設置しない会社にあっては株主総会の承認を要するものとする(会社法第139条1項)。定款で定めることにより、譲渡制限株式の譲渡に関する承認機関を代表取締役とすることができる。
株主管理コスト

株式併合

10株を1株に、または3株を2株にというように、株式を合わせて少数の株式とすることをいう。例えば、10株を1株にする場合は、1株の株主は0.1株の株主となり、1株未満の端数が生じるときは金銭により処理され、株主は株式を失うことになる(会社法第235条)。
単元株制度

単元株制度とは、会社により定められた一定の株数(単元)を持たないと、株主総会での議決権行使や株式売買をすることが出来ない制度である。例えば、1単元300株と定められている会社で100株しか持っていない株主は、議決権を行使することができない。また、株式を買うときも、300株以下の100株や200株を注文することもできない。この制度が設けられた理由は、発行済株式数が多い株式会社の場合、株主総会を開催する場合などに、少数の株しか持っていない株主にも招集通知や資料を送付しなければいけなくなり、膨大な費用がかかるからである。そのために会社は定款の定めにより、ある一定の株数を1単元として定めることができることとした(会社法第188条)。
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