2018年04月25日
山頭火 椿
笠にぽっとり つばきだった
無心に歩く山頭火の笠(網代がさ)の上に
突然大きな音ともに衝撃が走った。
ハッ ! と現実に戻って見上げた山頭火は、
笠に落ちてきたものが
ツバキの花だということに気が付いたことだろう。
足元には飛び散ったツバキの花びらが敷き詰められていた。
サクラは花びらが1枚ずつ木から飛び散るため、
風に吹かれて「ヒラヒラ」と舞い散る。
しかし、ツバキは花が付け根のところから落ちてくる。
したがって、ツバキは「ぼっとり」なのである。
そのため、ツバキは木の真下に花びらをまき散らしたようになる。
この句は、山頭火が笠にツバキの喜捨を受けて
どれくらいの時間が経過して作られたのだろう。
私は、見上げてツバキを認識した刹那に
吐かれた句のように思えてならない。
笠に手をかけ見上げてすぐに・・・。
武家屋敷には ツバキの木はない。
花が「首」のところから落ちてくるのが、
刀で首を切られたことを想起させるので、
縁起が悪いという事らしい。
関東では、ウナギをさばく時背中に包丁を入れる。
腹だと「切腹」になるので・・・。
武士もなかなか繊細だったのである。
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