【人間万事塞翁が馬】
『人間万事(ばんじ)塞翁(さいおう)が馬』という成句について、
『読み・書き・話すための 故事ことわざ辞典』(学習研究社)
に、こう書いてあります。
「『塞翁』は昔中国で、
北辺の国境近くに住んでいた老人のこと。
あるとき、
その老人の馬が逃げてしまったが(不幸)、
まもなくその馬がすぐれた一頭の馬を連れて戻ってきたので人々が祝福した(幸)。
ところが老人の子がその馬に乗って落ち、
けがをしてしまった(不幸)。
だが、
けがをしたおかげで、
若者たちのほとんどが戦死をしたというのに、
老人の子は兵役をまぬがれて死なずにすんだ(幸)という故事から。」
人生は、
何が禍(わざわい)し、
何が福となるかわかりません。
『禍福は糾える縄の如し』
ともいいます。
人間の禍福は変転し、
定まらないものです。
だから、
「いいことがあったからといって浮かれず、
悪いことが起きたからといって落ち込まず、
泰然自若として生きる」。
人生は、
『快』と『不快』の両方を経験しながら、
ゆったりと流れていく “川下り” のようなものです。
これに関して、
『ゆだねるということ(下)』(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 住友進 サンマーク文庫)
の中に、こう書いてあります。
「最も適切な状態とは、
『中庸』であることです。
心をかき乱されるたびに、
このバランスのとれた状態は失われ、
スピリチュアルな進化は阻止されます。
シンクロニシティへの通路も遮断されてしまうかもしれません。
感情を抱くのは悪いことだとか、
避けるべきだとまでは言いません。
人はつねに感情を抱くものです。
感情を抱くのは人間の条件のひとつと言ってもいいのです。
しかし、
極端な感情を抱くと、
本来の人生の目的からはずれていってしまいます。
むろん、
激しい感情をかき立てる出来事や人間関係がなくなることはありません。
世の中には、
大きな苦痛や不安の原因となる出来事がたえず発生しています。
しかし、
ひとつの感情に執着することは避けなくてはなりません。
人生を快楽と苦痛というふたつの土手にはさまれた川だと思ってください。
その川を流れていくための最高の方法は、
川の真ん中からずっとはずれずに、
ふたつの土手から等間隔の距離を保つことです。
一方の土手に近づきすぎれば、
あなたの勢いは鈍ってしまい、
ついには岸に乗り上げてしまう危険があります。
あまりに激しい快楽だと中毒症状になる恐れがあり、
あまりに激しい苦痛は人生から楽しみを奪ってしまいます。」(85頁〜86頁)
ネガティブ感情やポジティブ感情に固執することなく、
それらを超越した、
穏やかな心、
静かな心を目指しましょう。
理想は、
『泰然自若』
『雲烟過眼』
『明鏡止水』
『安心立命』
の境地です。
人生は、『流れ』です。
“自然の成り行き” に任せましょう。
“流れ” に身をゆだねましょう。
すべては『縁』です。
すべては『天の “お導き” 』です。
すべては、
あるべくしてあり、
なるべくしてなる。
『あるようにあり、なるようになる』
(推薦図書)
『ゆだねるということ(下)』
(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 住友進 サンマーク文庫)
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