瀬戸内寂聴さんは1922年生まれで、2021年99歳で天寿を全うされました。
『含蓄に富む話』 や 『琴線に触れる話』 を沢山説かれています。
私の大好きな作家さんです。
良書『生きることば あなたへ』(光文社)
のなかで、幸せになる秘訣を述べられていますので抜粋して御紹介します。
「 人間は幸せになるために、この世に生まれてきたのです。
そして、自分の存在によって、他の誰かを一人でも幸せにするために生きているのです。
世の中は新しい世紀を迎えても一向に明るいことはないようです。
でも、あなたは絶望しないで下さい。
未来が若いあなたの手の中にあるのです。
過ぎ去った過去を思いわずらうことなく、未来に脅え、心配することなく、生きているこの今の一瞬に、全身全霊をかけ、切に生ききって下さい。
幸せはいつもあなたの心の中にいるのです。
さあ、あなたの心をのぞきこんで下さい。」 (14頁〜15頁)
「 自己の孤独にどっぷりつかり、浮かび上がった人間にしか、真の人間的やさしさは生まれません。」 (61頁)
「 一見、平凡で穏やかで、よそ目には何の苦労もなさそうに見受けられる人の内部に、どんな激しい人知れぬ嵐が吹き荒れているのか、それは掴みきれるものではありません。」 (65頁)
「 自分が孤独だと感じたことのない人は、人を愛せない。」 (67頁)
「 『もうひとりの自分』 に気づくことは、ほんとうにむずかしい。
たとえ家族と住んでいようと、友達に囲まれていようと、もうひとりの自分を発見しない限りは孤独です。
もうひとりの自分を発見できたら、巡礼ではありませんが、同行ふたりです。
孤独ではありません。
お釈迦さまは自分を灯りとしなさいとおっしゃいました。
自分を灯りとするためには『もうひとりのわたし』にマッチを擦って火をつけなければなりません。」 (88頁)
「 この世に無駄ないのちはひとつもないのです。
あなたが元気にそこに居てくださるだけで、世の中は明るくなるのです。
がんばって。」 (89頁)
「 人は幸福になるために生きています。
人間として生まれたからには、この世で幸福になることを、約束されているのです。
ならば、幸福になろうと努力しないことは、怠慢といわなければなりません。」 (190頁)
「 布施とは、相手の欲することを与えること。
物施もあれば心施もあります。
でもわたしは、顔施ということばがいちばん好き。
だれに逢ってもにこにこ優しい表情をみせることで、顔さえあればだれにでも可能なのです。」(191頁)
「 人間とは、いいえ、わたしとは何と情けない生きものでしょうか。
自分の身に体験しなければ、人の苦しさも悲しさも、実感となって身にも心にもしみてこないのです。
私は姉の死を通して、人がこの世で受けるすべての不幸せは、味わったほうが味わわない人よりいいのだと気づかされました。
心に苦しみを感じ、身に苦痛の記憶を数多く受けた者が、人の苦しみ、悲しみを思いやれるという恩寵がいただけるのです。」(54頁)
寂聴さんが述べているように、幸福になる努力をしないのは怠慢です。
不幸や不運の体験が人を強くしたり、優しくしたりするのも事実です。
『憂きことの なおこの上につもれかし
限りある身の ちから ためさん』
という、熊沢蕃山の歌にあるように発想を転換させて、
『不運や不幸を怖れるのではなく立ち向かっていく覚悟』
を決めることが、幸運や幸福に恵まれる秘訣です。
極意は
『怖れを手放すこと』
です。
『身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ』
(捨て身の覚悟があってこそ、活路を見いだし、物事を成就することができる。)
です。
私たちは人生を楽しむために、この世に生まれてきました。
これは、『天』 との約束事です。
楽しむ努力をしないのは怠慢です。
どんなことがあっても、感謝と歓喜の感情を持ち、勇往邁進しましょう。
(結論)
『人生を楽しむべく、どんなことにも感謝して、ポジティブに生き抜こう!』
『生きることば あなたへ』
(著者 瀬戸内寂聴 光文社)
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