私たちは、他者や物事を批評・批判したり、決めつけたり、裁いたりしがちです。
つまり、白黒をつけたがります。
それがトラブルや心の病の原因になります。
心理療法の一つに論理療法があります。
これは、
イラショナル・ビリーフ(irrational belief)をラショナル・ビリーフ(rational belief) に変える療法です。
つまり、白黒思考で凝り固まった不合理な考え方を、柔軟で現実対応力が高い合理的思考に変えていく療法です。
イラショナル・ビリーフは無意識的に生じているので、その認知の歪みにほとんどの人は気づいていません。
具体的には、
@ マイナス思考(ネガティブ・バイアス)
A 自己の過小評価
B 情動的な決めつけ
C 思いこみ(〜すべき、〜すべきでない)
D 悲観的・否定的な早とちり
E ラベリング(一方的な断定)
等です。
イラショナル・ビリーフには論理的な根拠がありません。
単なる独断と偏見です。
このことに気づくことが重要です。
思考と感情・行動は連動しています。
思考が変われば感情や行動も変わります。
イラショナル・ビリーフが日常生活にマイナス効果となっていることに気づけば、気が楽になったり、気が軽くなったりします。
“思いこみ”や“決めつけ”を止めましょう。
20万部突破のロングセラー 『反応しない練習』(草薙龍瞬著 KADOKAWA)
の52頁に、こう書かれています。
「 目覚めた者は、人間が語る見解、意見、知識や決まりごとに囚われない。
彼は、善し悪しを判断しない。
判断によって心を汚さない。
心を汚す原因も作らない。
ブッダは、正しい道(方法)のみを説く。
かくして 『わたしが』 という自意識から自由でいる。 ――スッタニパータ 〈心の清浄について〉 の節 」
善悪を判断しすぎる心が私たちにはあります。
それは、『わたしが、わたしが、という“我”(自意識)』 によるものです。
つまり、エゴです。
アーノルド・パテント氏は、著書 「『成功』+『幸せ』 を手に入れる21の原則」 (訳=あさりみちこ 徳間書店) の中で、エゴによるレッテル貼りが不快感の原因であるとして、次のように述べています。
(95頁〜96頁)
「 わたしたちは、無意識のうちに、ありとあらゆるものに評価や判断をくだしてしまう 『クセ』 があります。
これが、いわゆる 『レッテル貼り』 です。
(中略)
このレッテル貼りこそが、わたしたちから真実を見失わせてしまう元凶です。
すべてのものは、ありのままで完璧なのに、レッテルを貼ると、それがわからなくなってしまうのです。
すべてが不完全に見えてしまうのです。
そのうえ、エネルギーも停滞してしまい、自由に流れなくなります。
レッテル貼りをした瞬間、レッテル、すなわち 『かたよった考え』 は、レッテルを貼った対象(人、もの、出来事)に対するあなたの気持ちと合体して、ひとつになります。
これが、エネルギーをとどこおらせ、不快感をもよおさせる原因です。
レッテル貼りをやめないかぎり、ギクシャクした人間関係や、特定の不愉快な状況は、なんども、なんどもくりかえされます。
わたしたちは、つい、なんにでもレッテルを貼りたがるものですが、実際には、この世には、正しいことも、間違っていることも、良いことも、悪いことも存在しません。
正邪の観念は人間の思考が勝手につくりだしているだけであって、あくまでも相対的なものにすぎません。
すべての出来事は、純粋なひとつの出来事なのです。
それが真実です。
単なる出来事に、『○○だ』 とレッテルを貼るから、単なる出来事は、レッテルである 『○○』 にすりかわってしまうのです。
これでは、完璧な人生を楽しむことなど無理な相談です。
人生を完璧にする唯一の方法は、すべてのものを、ありのままで完璧だと受け入れることなのです。」
宇宙コンピュータは完璧です。
すべてはありのままで完璧です。
この事実を受け入れましょう。
それが人生を楽しむ秘訣です。
判断力を重視している人は、『判断しない』 という考え方が“腑に落ちない”のではないでしょうか?
『判断しない』 を 『断定しない』 『裁定しない』 に置き換えてみてください。
要するに、『決めつけない』 『思いこまない』 ことが肝要であるということです。
好き・嫌いも判断です。
「 『好き』 と 『嫌い』 の間に 『どうでもいい』 という“グレーゾーン”を作ると良いですよ。」
と、斎藤一人さんは提唱しています。
『おもしろすぎる成功法則』 (サンマーク文庫) の中でこう述べています。
(115頁〜117頁)
「 この前、お弟子さんの舛岡はなゑさんから、すごくいい話を聞いたので、みんなにも教えたいと思います。
はなゑさんが、
『普通は“好きな人”と“嫌いな人”がいるよね。
でも、私の場合はね、“好きな人”と“どうでもいい人”しかいないんだ』
って言うんです。
それを聞いて、ひとりさんは
『はなゑさん、いいこと言うなあ!』
と思いました。
なぜかというと、私のお弟子さんになるような人は、みんな 『いい人』 だから、たとえ 『嫌いな人』 がいても、『好きにならなきゃいけない』 って思って、一生懸命努力するんだよね。
でも、『嫌いな人』 を好きになることって、なかなかできないんです。
また、『嫌いな人』 って、『嫌われるようなこと』 をするから、嫌われるんだよね。
それで、そういう人を、いくら好きになろうとしても、また嫌がらせをされて、イヤな思いをしたり、傷ついたりするんです。
そういうときに、
『この人は“どうでもいい人”だから、何を言われても気にならないんだ』
って思うと、気持ちがふっとラクになって、乗り越えられるんだよね。
不思議なものなんだけど、『好き』 という分類と、『嫌い』 という分類の間に、『どうでもいい』 っていう“グレーゾーン”があると、すごく助かるんです。
なぜかというと、『あの人、嫌いだ!』 と思っていると、『嫌い』 っていうトゲトゲした波動を、常に出していることになります。
でも、『どうでもいいや』 と思っていると、トゲトゲした波動は出さずに済みます。
だから、『どうでもいいや』 と思うだけで、自分も、まわりの人も、おだやかでいられるんだよね。」
白黒思考ではなくて、白グレー思考に切り替えましょう。
換言すれば、
『マル(○)バツ(×)思考ではなく、マル(○)サンカク(△)思考でいきましょう。』
ということです。
とにかく、『批判、非難、否定、嫌い』 というネガティブな波動を慎みましょう。
それは、周りの人の為でもあり、自分のためでもあります。
(結論)
『 白黒思考から白グレー思考へ切り替えよう!』
『反応しない練習』(著者 草薙龍瞬 KADOKAWA)
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「『成功』+『幸せ』を手に入れる21の原則」(著者 アーノルド・M・パテント 訳者 あさりみちこ 徳間書店)
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『おもしろすぎる成功法則』
(著者 斎藤一人 サンマーク文庫)
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