最近よく『宇宙意識』という言葉を目にしますが、
『宇宙意識』とは一体何でしょうか?
アメリカ心理学の父として知られる、
ウィリアム・ジェイムズは、著書
“THE VARIETIES OF RELIGIOUS EXPERIENCE”
邦題『宗教的経験の諸相(下)』
(訳者 桝田啓三郎 岩波文庫)
の中で、
宇宙意識について、
こう述べています。
(213頁〜214頁)
「『宇宙的意識の第一の特徴は、
宇宙の意識である。
すなわち、
宇宙の生命と秩序についての意識である。
宇宙の意識と並行して或る知的な啓蒙が生じるが、
これがはじめて個人を或る新しい存在の段階に立たせるであろう――個人をまったく新しい種の一員にするといっていいであろう。
これにさらに或る道徳的高揚の状態が添加される。
これは筆紙に尽くしがたい向上と意気と歓喜との感情であり、
道徳的感覚に生気を与えるものであって、
高められた知的能力と同程度に顕著でありそれより以上に重要である。
さらにそれと同時に、
不滅性の感覚、
永遠の生命の意識と呼ばれてよいものが生ずる、
これはいつか永遠の生命をもつにいたるであろうという確信ではなくて、
すでに永遠の生命をもっているという意識なのである。』
(中略)
バック博士は自分自身で宇宙的意識の典型的な出現を経験したので、
そこから他人の場合のそういう経験を研究するにいたったのである。
彼はその結論を非常に興味深い著書のなかに記している。
その書物から、
彼自身の経験に関する次のような報告を引用しておこう。
『その晩、私はある大都市で、
二人の友人と一緒に詩を読んだり、
哲学を論じたりして過ごしていた。
夜半に、私たちは別れた。
私は長い道程を辻馬車に乗って私の下宿まで帰った。
読んだり語り合ったりしたために生じた観念や心象や感情に深く影響されていた私の心は、
平静で穏やかであった。
私は平静で、
ほとんど受動的な享受の状態にあり、
積極的に考えることなく、
観念や心象や感情がいわばひとりでに私の心のなかを通過するにまかせていた。
そのとき突然、
なんの前触れもなしに、
私は火炎のような色をした雲に包まれてしまった。
一瞬間、
私は火事だと思った。
あの大都市の近くのどこかが大火事なのだと考えた。
次の瞬間、
私は火事は私の心のなかにあったことを知った。
そのすぐ後に、
狂喜の感じ、
無限の歓びの感じが私を襲い、
それと同時に、
あるいはその直後に、
筆紙に尽くしがたい知的光明が襲ってきた。
とりわけ、
私が単に信ずるにいたったというのではなく、
私が知ったことは、
宇宙は死んだ物質で出来あがっているものではなく、
その反対に、
活ける生命であるということであった。
私は自分のなかに永遠の命を意識した。
それは私がいつかは永遠の生命を所有するようになるであろうという確信ではなくて、
私がそのときすでに永遠の生命を所有しているという意識であった。
私はすべての人間が不滅であることを知った。
宇宙的秩序は、
万物が各自みなの幸福のために協力するようにできている、
ということを、
世界の根本原理、
あらゆる世界の根本原理は、
私たちが愛と呼ぶところのものであり、
各自みなの幸福は結局は絶対に確実である、
ということを知った。』 」
宇宙は活ける生命であり、
意識そのものです。
宇宙意識は、
叡智であり、
愛であり、
至福です。
宇宙意識は、
理屈で理解することはできません。
直観によって、わかります。
則ち、
インスピレーション・天啓です。
直観を得る為には、
瞑想が一番です。
瞑想を日課にして、
インスピレーション・天啓を得ましょう。
悟りを開きましょう
来たよ
来たよ
覚者の国に
悟りを開いた皆んなと一緒に来たよ
悟りあれ
幸いあれ
『宗教的経験の諸相(下)』
(著者 W・ジェイムズ 訳者 桝田啓三郎 岩波文庫)
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