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2024年03月26日

令和4年第23問 −解答− 〜財務・会計〜


 こんにちは!
 EVE2です。
株.jpg
 昨日までに、用語の意味を明確に認識できていないものについては、よく理解できました。
では、本日は、早速、財務会計より、令和4年第23問の解答を導き出してみましょう!
 最初に、財務・会計の令和4年第23問を再掲します。

[財務会計 令和4年第23問]
 配当政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、他の条件は一定とする。

ア,1株当たり配当金額を一定にする政策では、当期の利益額にかかわらず配当性向は変わらない。
イ,自己資本配当率(配当額÷期首自己資本)を一定にする政策では、当期の利益額にかかわらず1株当たり配当金額は変わらない。
ウ,当期の利益額のうち投資に必要な支出分を留保し、残余を配当する政策では、当期の利益額にかかわらず配当性向は変わらない。
エ,配当性向を一定にする政策では、当期の利益額にかかわらず自己資本配当率(配当額÷期首自己資本)は変わらない

[設問ア]
ア,1株当たり配当金額を一定にする政策では、当期の利益額にかかわらず配当性向は変わらない。

 それでは、設問アから見ていきましょう!
 設問アでは、配当金額を一定にした場合の、配当性向について問われています。
 このような問題の場合、配当性向を求める式を思い出すことが重要です。

 配当性向 = 配当総額 ÷ 当期純利益

 以上の式で分かるように、当期純利益は、期ごとに不定です。従って、これは、間違いです。

[設問イ]
イ,自己資本配当率(配当額÷期首自己資本)を一定にする政策では、当期の利益額にかかわらず1株当たり配当金額は変わらない。

 イでは、自己資本配当率の式が与えられ、自己資本比率を一定にした場合の、1株当たりの配当金額について問われています。
 昨日のブログにも書きましたが、自己資本とは、株主資本(株主の出資)と利益余剰金(前期の利益のあまり)で構成されています。従って、期中の取引により、株主資本が変動することはありません。その一定の自己資本で、配当額を除する場合で配当額を一定とした場合、自己資本配当率も一定です。
 以上から、イが正解です。

[設問ウ]
ウ,当期の利益額のうち投資に必要な支出分を留保し、残余を配当する政策では、当期の利益額にかかわらず配当性向は変わらない。

 解答イが正解ということは分かったのですが、ウ、エについては、どこが間違っているのか見ていきましょう!
 ウでは、配当性向が不定かどうか問われています。配当性向は以下の式で求めることは先ほど解説しました。

 配当性向 = 配当総額 ÷ 当期純利益

以上の各項目で、設問ウでは、当期純利益から投資に必要な支出を保留した上で、分母に当たる、当期純利益を求めようとしています。
 分母が不定である以上、求めようとしている、配当性向が一定のはずはありません。従って、ウは間違えです。

[設問エ]
エ,配当性向を一定にする政策では、当期の利益額にかかわらず自己資本配当率(配当額÷期首自己資本)は変わらない 

 配当性向を一定にした場合の、自己資本配当率について問われています。
 配当性向は、先ほど解説した通り、以下の式で求めることができます。

 配当性向 = 配当総額 ÷ 当期純利益

以上の配当性向を一定にするということは、分子、分母で使用する、配当総額、当期純利益も一定ということになります。以上の文章から、自己資本配当率の配当額は一定であることは分かります。
 しかし、期首の自己資本は不明です。

 では、イの解説に戻りますが、自己資本とは、株主資本(株主の出資)と利益余剰金(前期の利益のあまり)で構成されています。その期首のものということは、前期の利益で自己資本が増えている可能性があります。ようは、期首における自己資本は毎期不定です。従って、一定の配当を不定の期首自己資本で除した値は、不定です。
 ということで、エは間違えです。

[あとがき]
 ひとつひとつ調べていくとそんなに難しい問題ではありませんでしたね?サービス問題といっていいいような問題でした。
 ちなみに、財務会計 令和4年第23問を、ChatGPTBardはイと解答しましたが、Copilotは、見方がそれぞれ違うので、どれがあっている、間違っているとは言えないという解答でした。やる気を感じません(笑)。

 以上で、Studyingの財務・会計の、スマート問題、過去問セレクト演習に出題されている、難解だと思われる問題をすべて制覇しました。次回からは、経済学・経済政策に入ります。ただ、来月から、令和5年から過去5年間の問題を解きます。多分ですが、また、ブログで扱うネタが増えるんでしょうね?ちょっと、憂鬱です。

 では、また!!!

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