2009年12月06日
4年の思い…氷に咲く 安藤と織田、オリンピック内定
東京・国立代々木競技場で5日に開かれたフィギュアスケートのグランプリファイナルで、来年2月にカナダ・バンクーバーで開かれる冬季五輪の代表に、女子の安藤美姫選手(21)と男子の織田信成選手(22)が内定した。メダル有力種目のフィギュアには日本からは男女3人ずつが出場できるが、4年前に悔しさを味わった2人が、一足早く五輪切符を手にした。
安藤選手は、「ミキティ」とアイドル的な注目を浴びた2006年トリノ五輪に続き2回目の出場となる。中学3年生で女子では世界初の4回転ジャンプを競技会で成功させ、一躍脚光を浴びた。五輪出場時は18歳。取材が殺到し、追いかけられた。だが、五輪で15位と失速すると、一気に引いた。五輪後、ジャンプが1回転しか跳べなくなったこともある。
8歳でスケートを始めた安藤選手が最初に教わった恩師、名古屋市の門奈裕子コーチは、トリノのころに比べ「美姫は自立して大人になった」と言う。「ジャンプを跳ばなくてもひきつけられる。何かを訴えかけてくる」という豊かな表現力は「素直な心があるから。普通なら恥ずかしがってできないことも、今の美姫ならできる」と感じる。
安藤選手は「4年前があるから今がある。乗り越えた経験を無駄にしないよう頑張りたい」と話した。
織田選手はトリノ五輪に出場できなかった。05年12月、男子の五輪代表1枠を争った最終選考会(全日本選手権)が開かれたのも、国立代々木競技場だった。「1位」と発表され、表彰台で代表を確信して笑顔をみせた。だが、直後に採点ミスが発覚。規定に反して、ジャンプを多く跳びすぎていたのを審判が見落としていた。優勝を逃した翌日の会見で「納得しているのが1割で、9割は悲しい」と泣きながら話したが、今度は五輪代表を決めた。
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