2009年12月05日
遼、帽子を逆にかぶり真逆のゴルフ?22位タイに浮上
<ゴルフ日本シリーズJTカップ 3日目>◇5日◇東京よみうりカントリークラブ(7,016ヤード・パー70)
東京よみうりカントリークラブで開催されている国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の3日目。まさかの2日連続で最下位に沈んだ石川遼が、3日目にしてようやく賞金ランキング1位の意地を見せた。石川はスタートの1番で幸先良くバーディを奪うと、調子を取り戻したショットを武器に次々とチャンスメイク。6番からは3連続バーディを奪い前半は4バーディ・ノーボギーと見違えるゴルフ。パットを決めきれずチャンスをモノに出来ない場面もあったが大爆発を予感させた。
しかし、後半を迎え冷たい雨が落ち始めたところで空気が変わる。「雨が降って初日のイメージが頭をよぎった」とショットが曲がりに曲がって大叩きを演じた初日の悪夢がフラッシュバック。12番ではティショットを大きく左に曲げボギー、続く13番ではパーオンしながらまさかの3パットで連続ボギーを叩きスコアを落としてしまう。“今日もまた…”ギャラリーにも不穏な空気が流れたが、15番ショートで微妙な長さのパットをねじ込みナイスパーとすると序盤の勢いを取り戻す。続く16番で3メートルを沈めバーディ、17番でも2オンに成功すると、イーグルこそならなかったもののきっちりバーディを奪取。難関の18番を3日連続ボギーとし、最後は締まらなかったがこの日スコアを3つ伸ばしトータル7オーバーでホールアウト。最下位から脱出を果たし22位タイに浮上した。
どうしてもショットの調子が戻らず2日目にはラウンド後にも関わらず練習場で大量の打ち込みを敢行。悪いイメージを振り払わんと無心でクラブを振った。その甲斐あってショットの調子を取り戻すと、トリッキーなコースを相手に今大会初めてアンダーパーをマーク。「ようやく最後のほうになって初日の感触が無くなってきた」と初日の悪夢は払拭されつつある。さらにこの日は、着用するハンチングを初日、2日目とは逆につばを後ろにしてかぶり「これまでとは真逆のゴルフをしようと思って」ギャラリーの注目度と共に自身の気持ちも盛り上げた。「本当はそんなこと考えてなかったんですけどね」と真相を明かしたが、冗談でも帽子にこめた想いが通じたような見違えるプレーにギャラリーは熱狂。優勝争いに絡むことは出来なかったが、賞金ランキング1位らしいプレーを随所に見せた。
いよいよ明日、日本ツアーの頂点に登りつめようとしている石川。しかし、「自分に対する甘い考えはゼロにしたい。池田さんに優勝の可能性が無くなっても、全員がホールアウトするまでは意識しない」と目の前に迫った史上最年少賞金王もまだ眼中にない。「最後まで上達しようという気持ちは失わなければ、良いラウンドが出来ると思う」どこまでも上を目指す18歳にとって明日は終わりではなく通過点。なによりも自身の成長のために最終ラウンドの爆発を誓う。
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