隣家の無線LANに「ただ乗り」は、違法なのか
⏺️東京地裁で4月に無罪判決が出たが…
️今回の判決と総務省の見解発表を受けて、ネット上では「結局、どっちなのか
⏹️隣の家に設置された「無線LAN」のパスワードを解読し、無断でインターネットを利用
電波法違反などの罪に問われた男性
️東京地裁は4月下旬、電波法違反について無罪とする判決を下した。
この判決は確定したが、総務省が「違法になる場合もある」という見解を公表したことから、ネット上ではちょっとした混乱が生じている。
混乱を招いていることについて、ここから詳しく説明していきます。
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️東京地裁はどう判断したか
⏹️東京地裁
「無線LANのパスワードは、暗号化された情報を知るための手段にすぎず、無線通信の内容とはいえない」
️電波法違反について無罪を言い渡した。
・無線LANを無断利用した
・不正に取得した情報を使った
・銀行のサーバに侵入した不正アクセス禁止法違反
️これらについては有罪(懲役8年)とした。
⏹️総務省
パスワードを解読する際などに、他人のパソコンと無線LAN機器の間での通信を傍受。
データをコピーして、無線LAN機器に繰り返し情報を送信する行為。
️電波法違反にあたるとの考えを示した。
️近年広く普及している「無線LAN」だが、パスワードをかけていなかったり、解読されやすい方式のために「ただ乗り」される可能性はある
⏹️判決と総務省の見解発表
️ネット上では結局、どっちなのかという疑問が生まれている。
️今回の事件で注目された点
⏹️無線LANの『ただ乗り』部分が、電波法109条に定められた『無線通信の秘密』の窃用にあたるかどうかという点
東京地裁は、無罪だと判断した。
『ただ乗り』したうえでおこなった行為が、ほかの刑罰法規に触れたということには留意する必要がある。
⏹️ただ乗りは「通信の秘密」の窃用にあたるのか
【憲法】
『通信の秘密は、これを侵してはならない』と定めている。
【これを具体化した規定】
電気通信事業法4条、電波法59条などが定められている。
️『通信の秘密』には、どこまでが含まれるのかというのが、今回の論点である
⏹️『通信の秘密』を保護する理由
プライバシーその他の私生活の自由を保障し、自由なコミュニケーションを確保することにある。
️『通信の秘密』
通信の内容(電話でいえば会話の内容であったり、インターネット通信でいえば、送受信されているデータの内容)
️これを指すものではなく、通信の存在も対象に含まれるとされている。
例、
【電話料金の請求書に記載される情報】
(1)通信当事者の氏名等
(2)通信の日時
(3)場所
(4)回数
️なども通信の秘密に含まれるとした裁判例がある。
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️総務省が「違法の場合も」と主張する根拠
⏹️今回の事件では、暗号鍵が『無線通信の秘密』にあたるとして起訴された
通信の内容ではないことはもちろんのこと、通信の内容を知るための手段・方法にすぎないから対象ではないと判断された。
⏹️総務省
暗号鍵を調べるためにおこなわれるARPパケットの傍受行為が、『通信の秘密』の対象になると主張。
️相手方ではなく、アクセスポイントと端末機器との間で行われる通信が「通信の秘密」の対象になるかというと、疑問もある。
⏹️総務省
法律への当てはめや構成を工夫することによって無線LANの『ただ乗り』を電波法違反にあたると考えている。
刑罰法規の明確化のために
一定の行為類型を特定したうえで個別に法規制を設けることを議論すべきかと思われる。
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2019年08月25日
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