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2016年09月17日

Scoovo C170 よもやま話(ノーハウ、自炊、作品のその後、製作中本箱)

 ひさしぶりです。
 前の記事から1か月以上になりますが、ScoovoC170に飽きたわけではありません。

最近はらはらしたことは、音が出るようになったことです。「酷使の因果応報かな?」「Scoovoの寿命かな?」などと不安になりました。

 以前の記事「Scoovo C170  Repetier-Hostの紹介」で述べたとおり、使用しているScoovoには「同じ層でエクストルーダーが場所を変える(Travel)とき、動く前に上に1mm持ち上がります(Lift Z)」と設定しています。つまり造形中に頻繁にz方向にエクストルーダーが1mm上下します。
 最近、このとき「キュンキュン」と音が出るようになりました。明らかに油ぎれです。Scoovoは垂直方向の長い雄ネジを回転させて万力のようにエクストルーダーと水平方向のタイミングベルトのユニット全体を上下に移動させます。
 前に一度この現象が起こってユニットの雌ネジ部分にKURE5−56をプシューと吹きかけました。これで音が消えました。しかし最近また音が出るようになりました。今度は油を吹きかけても音が消えません。そうこうしているうちに「キュンキュン」が「キャンキャン」と小型犬の鳴き声のようになってきました。

 しばらく悩んだのですが、雄ネジは左右に2つあることに気付きました。左の雌ネジばかりに気を取られていました。そこで右の雌ネジにKURE5−56を吹きかけました。

 音は消えました。

 取り扱い説明書にはこの辺のことは記載がありません。油をさす場所には気をつけましょう。例えばタイミングベルトに油がつくとまずいと思います。

 右図はScoovoの上の穴から右の雄ネジとユニットに固定されている雌ネジを撮影したものです。光がうまく入らなくてよく写っていません(文字を読むには図をクリックしてください)。
 この辺にKURE5−56を吹きかけました。
DSCN3101.JPG


 もう1つ、ちょっとしたトラブルでうまく対応できました。
 このところ、ベッドの高さの調整は長い間行っていません。
 以前の記事「2台目のScoovo C170が来ました(その2)」の中の(3)で述べてあることですが、スカートの出来が良いので高さの調整は必要ないのです。
 ところが、あるとき「ジョブ開始」ボタンを押すと、久しぶりにエクストルーダーがダッキング音を多発しました。
 観察してみるとノズルがベットをこすっているようでフィラメントの流出が滞っています。
 「これは、あれだな」とすぐに気が付いて造形を中止しました(ほとんど始まっていませんが)。
 ベッドをはずしてベッドマウンタの上を見ると、案の定フィラメントの細い繊維が載っていました。このためベッドが高くなってしまったのです。
 ほかにもゴミが載っていないことを確認して無事に造形を開始することができました。
 あわててベッドの高さ調整を始めるのは間違いです。



 以前の記事「Scoovo C170でへんなものを造りました」で製作した自炊三脚を用いて、図書館から借りた本を撮影してみました。

5ページだけアップしてみます。

図の解像度を少し、高めにしておきました。
クリックして拡大してみてください。

 ガラス板を載せて撮影しているので、自炊三脚とカメラがうっすらと映り込んでいます。これはちょっと残念ですが、妥協しました。
DSCN2885.JPG


DSCN3008.JPGDSCN3009.JPG


DSCN3006.JPGDSCN3007.JPG

 きれいですね。



 いままで製作して紹介した様々な実用品のその後を報告しましょう。

 右図は10段収納棚です。
 下から3段目にしばらく重いものを入れておいたので沈み込んでいます。
DSCN2872.JPG


DSCN2873.JPG 左図はキーボード台です。へりに変形防止用の構造があるのでだいたい安定していますが、最上段の中ほどが少し沈んでいます。


 右図は衣類整理棚です。整理整頓がなっていません。これは10段の整理棚より面を厚くしてあります。DSCN2874.JPG


DSCN2875.JPG 左は金属製ラックの中に置かれた本立てですが、重みで左右の仕切りが歪んでいます。

 PLA樹脂は長く力を加えていると塑性があって変形するようです。


 さて大きな椅子は、使っているうちに座面の中央つまりお尻の下が少し下がってきました。そこで右図のように中央に5本目の脚を追加しました。10センチ四角をアロンアルファで張り付けました。


 これでとてもじょうぶになりました。躊躇なく踏み台としても使えます。



 椅子の上にクッションを置きました(下左)。また長時間の作業では、イオンでみつけた「StyleAthlete」を用いて座っています(下右)。

DSCN2876.JPG
DSCN2877.JPGDSCN2878.JPG


 現在製作中の本箱について紹介します。

 製作動機は、すでに使用している整理棚の上記の状況です。薄いパネルのコネクタによる結合では本棚や本箱のようなしっかりした家具はできません。
 椅子やテーブルに使用した「板」ができたのだから、それを張り付ければ本箱は簡単だろうと思うのですが、実はそうではありません。

 3次元プリンタを用いるのですから、コーナー部分は一体構造として製作すべきです。

 右図は製作途中の本箱です。板は以前の記事で紹介した「卍ピース」による欠点のない嵌め込みで作成します。
  前回の記事「3次元プリンタの未来形(その3)(テーブルと椅子の完成)」で触れたように、嵌め込み構造を作成するために面はベッドに立てて造形します。
 図の前部の構造は問題なく製作できます。後部の面のピースはそのへりにある結合用の嵌め込み部分も含めてプリントします。すると面はベッドに寝かせて造形することになります。
 横に寝かせるといままでの嵌め込み部分は製作できなくなります。そこで異なる種類の嵌め込みを発明しなければなりません。サポート材を使うとしてもヤスリで簡単に削り落とせるようなものです。
 思いついたのは、H型のコネクタを使用するものです。
 実験して一応の成功はしました。しかし、設計に手間がかかります。新しい種類のピースも基本的には「卍ピース」です。

 最初に設計したピースの規格(大きさ)が不適切だったので製作中に規格を変更しました。苦労したのです。
DSCN2869.JPG


DSCN2881.JPG 左図は前図の2つの部分をプラスチックハンマーで嵌め込んだものです。
 とてもしっかり組みあがりました。

 「これでうまくいく!!」と確信した瞬間です。

製作のノーハウはすべて手に入れたので、あとは部品を設計しながらScoovoに指示するだけです。


 完成したらまた記事を書きます。

 少し前からフィラメントの使用量の記録をとりはじめました。これはノズルの寿命を知ることが目的です。使い方によってはノズルの寿命は意外に長いかもしれません。結果が出たら報告したいと思います。

 ごきげんよう。
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