2019年04月03日
「オリオリスープ」(綿貫芳子著) 感想
オリオリスープ(1) (モーニング KC) [ 綿貫 芳子 ] 価格:734円 |
巻数 | 全4巻・完結済み |
---|---|
レシピ本として | ☆★★★★ 使いやすい。 作中に正確な分量あり&公式レシピがWEBサイトにあり。 ややエスニック・オーガニック系が多く、料理をしなれている前提の料理が多い。 |
料理を作る人 | 料理上手のデザイナー他、料理上手ばかり |
あらすじ
スープの中に、四季がある
引用:「オリオリスープ」(講談社/綿貫芳子著) 1巻
オリオリスープの主人公・織エはお腹がすくと「我慢できない!」と事務所の給油室でご飯を作りはじめてしまうほどの食いしん坊。
自分の手料理も、外食も大好き。特に一番好きなのは、スープ。
「なぜそんなにスープが好きなのか?」後輩から尋ねられた織エは少し考えて答えます。
「生きるのに必要なものが全部入っているから」と。
そんな織エが作るスープは、四季を大事にした丁寧な品物。
時に一日かけて丸どりを煮込み、数時間かけて野菜の切れ端を煮込み、ついにはブイヨンまで自作する。
その味は同じ事務所のメンバーにも好評で、満開の笑顔で頬張る織エの周りには、常に明るい雰囲気が漂います。
織エがなぜ、そんなにも「食べること」を大切にしているのか。
それが描かれるのは2巻です。
3巻以降は、初期はなにかと彼女に冷たく当たっていた同僚・弥燕との関係がメイン。
といっても、その関係は甘酸っぱい恋愛というわけではなく、お互いがお互いを助け合い、足りないものを補うやさしい関係。
時に仕事で、時に料理で、時にお互いに過去を打ち明けあい、二人の距離はゆっくりと縮んでいきます。
ゆっくりと、まさしくスープのように味わいを増していくその関係には切なくも最後にはホッとさせられます。
背景には、四季「折々」の美しい風景。
繰り広げられる人間関係もまた、切なくて少しキラキラして、実にさわやか。
読み終わった後うっとりとため息をつきたくなるようなマンガです。
こんな人にオススメ
- 美人デザイナーが作るちょっとオシャレな料理を楽しみたい
- それぞれつらい過去を背負う主人公と同僚がお互いに助け合い、解放される過程を見守りたい
- 四季の光景を描いた「キレイなマンガ」が好き
オリオリスープに登場する料理は、どれも旬の食材を使った色鮮やかなもの。
白黒のマンガにも関わらず「これは絶対キレイ!」とわくわくするようなものが多いです。
主人公の周囲を彩る人間関係もまた、わくわくさせられます。
2巻にて登場回数がグと増える弥燕は、ずば抜けた色彩センスを持つ天才肌の織エと正反対な努力家。
その着実な仕事は、高く評価されています。
几帳面な彼にとって、才能だけを頼りで(しているように見える)向上心0な織エは当初、嫉妬の対象でしたが。
織エの内心に触れる機会が増えるにつれ、無愛想だった彼には笑顔が増えます。
オリオリスープはお腹がすく料理マンガであり、ロマンチックな少女マンガなのです。
こんな人は苦手かも
- 主人公が「美人」「才能豊か」とチヤホヤされる描写が多い
- マンガだけではレシピが分かりづらい
- ページに対して文字が多く、マンガを読む習慣がないと読みにくい
業務時間でもお構いなしに本格的な料理を作り出す主人公の姿は、あまり現実的ではありません。
その姿に「美人で料理もできるなんてすごい」なんて評価されるので、チヤホヤされる主人公が嫌いな方は読むのがつらいかも。
といっても、織エは決して自分勝手なわけではないし、才能だけを頼りにしているわけではないことが徐々に描かれていきます。
レシピ本としての使い勝手は、マンガだけでは微妙なところ。
割と手間暇がかかる料理が多いわりに、ぎっしりと文字と絵がつまっているので、これだけで料理を作るのは向いていないかと。
もし献立の参考にしたいときには、公式サイトを見るのがオススメです。
写真付き・材料の分量も完璧でとても使いやすかったです。
全4巻を通して、ゆっくりと成長していく主人公を見守りたい人にオススメのマンガです。
価格:2,936円 |
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