大抵のターミナル駅のホームやコンコースには、
立ち食いうどん・そば、またはきしめんのカウンターが必ずあったものだ。
「失われた10年」で、一部のハブ駅を除き
どこもかしこも大手コンビニに変わってしまったが、
それまでは長きに渡って、昼夜をとわず、
数多のワーキング・ピープルの胃袋を支え、
数多の旅人の旅情をかき立てたものだ。
わたしも、それらのうちの一人だった。
少ない旅の機会でも、立ち食いに出会うと足を向けてしまうので、
移動時間には余裕を持たせている。やはり、格別だ。
旅はおろか、外食自体が特別なものになってしまったのではあるが、
在住の地では一軒だけとなった、国鉄、じゃねえや、JR駅の立ち食いに
折に触れ、行く。
しんどいことがあったときは景気付けに。
なにかいいことがあったときにはお祝いを。
それは金額の大小ではなく、わたしには特別な一膳だ。
ソウルフード、というのだろうか。
立ち食いには言い知れぬチカラがある。
すべてのヒトが時間との関係においては旅人であるがゆえに、
必要となる旅情、励起するアイテム、なのではないか。
ああ、今日も食べたい…。
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