2021年12月31日
枝打ち用ノコの目立て
ノコ(ノコギリ)について、切れなくなったら基本的には新品に買い替えたいところですが、毎日、山で枝打ちをすると、すぐに切れ味が落ちてくるので、1つのノコを長く使うためにも、目立てのやり方について模索することにしました。YouTube等で調べたところ、動画ごとにやり方が違っていたり、分かりにくかったりで、「コレッ」というやり方に出会えなかったので、今回は私が作業班の先輩に聞いたやり方を自己流にアレンジしたやり方を紹介したいと思います。何だか胡散(うさん)臭そうで、本当に切れるようになるかと思われるかもしれませんが、多少は切れ味が回復する(するような気がする?)のでご安心ください。より良いやり方を見つけ次第、修正版をアップしたいと思います。
今回、目立てのやり方を紹介するノコは、私が枝打ち作業に使っているレザーソーのLシリーズの仮枠鋸と剪定鋸の2種類です。それぞれのノコの特徴については、別記事の「枝打ち用ノコのお薦め」をご参照願います。
ノコの目立てに使うヤスリは、平ヤスリの厚みの部分が扁平なひし形になった、専用のヤスリを使います。ホームセンターにも売っています。
【ノコの目立てに使うヤスリ】
私はダイヤモンドヤスリを使っています。一般的な鉄工ヤスリも試したことはありますが、目が粗いため、「ズッズッズッ」とひっかかって、うまく研げませんでした。目立て初心者には、ダイヤモンドヤスリがお薦めなのかもしれません。
それではいよいよ目立てですが、まずノコを作業台の上に置きます。作業台は何でもいいですが、傷が付いても構わないものが良いです。私は踏み台や、車の後方の荷台のフチを使っています。
次に、手袋を装着した後、左手でノコの柄がある側を持って固定し、右手でヤスリを持ち、写真@の赤線および青線の箇所を1回ずつ研いでいきます。赤線・青線だと、いざ自分が研ぐ時に、研ぐ箇所が分からなくなるので、「柄の方に向いている斜面を研ぐ」と覚えておくと良いと思います。
ノコの固定は本来は万力を使うのですが、手間なので省略し、手でノコの柄、もしくは刃を持って、作業台に押し当てて動かないようにします。赤線は横挽刃、青線は縦挽刃といい、縦挽刃の箇所だけ刃の角度が横挽刃と少し違います。写真のノコは剪定鋸で、剪定鋸はこの縦挽刃がありますが、仮枠鋸には縦挽刃がありません(横挽刃のみです)。
研ぎ方は、ヤスリを1回ずつ前方へ押し出すだけです。複数回研がないと、研ぎ残しが生じやすいですが、時間がかかるので省略します。ただし、剪定鋸は研ぎ残しが生じやすいため、時間がある場合は、複数回研ぎます。研ぐコツは、ノコを少しだけ身体とは反対方向に傾け、ヤスリを研ぐ面になるべく押し当てながら、斜め下から斜め上へと押し出します。斜め下から斜め上へ向けて研ぐので、ヤスリを押し出す際に、作業台に手が当たらないよう、目立て作業は基本的に作業台の端で行います。ヤスリを作業台と水平にして、そのまま前方へ向けて押し出しても研げますが、刃の下の方までヤスリが入らず、刃全体がまんべんなく研げなかったり、隣の刃にヤスリが当たって、刃がガタガタになりやすくなったりします。うまく研げていると、研いだ面が光るので分かります。縦挽刃の箇所のみ、左右の手を持ち替えて(左手でヤスリを持ち、右手で刃を持って固定し)、横挽刃と同じ要領で研ぎます。文章だけでは分かりにくいと思うので、下に動画を用意しています。
刃と刃の間を研ぐ動画(剪定鋸)
刃と刃の間を研ぐ動画(仮枠鋸)
一通り研ぎ終わったら、今度はノコを反転させ、右手でノコの柄がある側を持って固定し、左手でヤスリを持ち、同じ要領で研いでいきます(写真A参照)。
〜追記〜
剪定鋸の目立てについて、上の動画では縦挽刃の箇所を研ぐ際、横挽刃と同じように前方へ向けて(斜め下から斜め上へ向けて)押し出すようにして研いでいますが、ヤスリを奥から手前に引くようにして(斜め上から斜め下へ向けて)研いだ方が、よく研げたので、下にその動画を用意しました。ただし、ヤスリを引く方向でも研げるのは、ダイヤモンドヤスリを使用した場合のみなので、一般的なヤスリをお使いの方は、マネしないでください(ヤスリの寿命を縮めることになります)。また、縦挽刃は目立てがしにくい(手を持ち替えるのが手間だし、うまく研げない場合が多い)ので、目立てを省略するのも1つの手です。
刃と刃の間を研ぐ動画(剪定鋸)そのA
〜さらに追記〜
「ヤスリを斜め下から斜め上へ向けて研ぐ」という表現で書きましたが、あまりヤスリを斜めにしすぎると、どうやらうまく研げないようです(部分的にしか光沢が出ないことが多いです)。むしろ、ヤスリを作業台と水平にした方が、うまく研げる(まんべんなく光沢が出る)印象です。ただ、ヤスリを水平にすると、前述のように隣の刃にヤスリが当たって、刃がガタガタになりやすいので、「ヤスリをやや斜め下から斜め上へ向けて研ぐ」というのが、私のたどり着いた結論です。その「やや」のさじ加減は、読者の皆さん自身が実際に目立てをすることで、体得してください。
刃と刃の間を研ぎ終わったら、次は刃の上面の三角形になっている箇所を研ぎます(写真B参照)。
右手でノコの刃(柄ではない側)を持って固定する時は、左手でヤスリを持って、ヤスリを右斜め前に押し出すようにして、奥側(身体側ではない側)の刃を研ぎます。逆に、左手でノコの刃(柄ではない側)を持って固定する時は、右手でヤスリを持って、ヤスリを左斜め前に押し出すようにして、同じく奥側の刃を研ぎます。その際、ノコをやや身体側(手前に)傾けると研ぎやすいです。研ぐ回数は基本1回ずつです。ノコの先端の方の刃を研ぐ際は、ノコを手で作業台に押し当てて固定するのが難しくなるので、ノコの先端を手で抱え込むように握って固定します。この工程も文章だけでは分かりにくいと思うので、下に動画を用意しています。
刃の上面の三角形を研ぐ動画
以上の一連の工程が、私流のノコの目立てのやり方になります。ノコの目立ての頻度について、以前は毎日(仕事で1日使用した場合は、その都度)やっていましたが、今は頻度を落とし、明らかに切れ味が落ちたと感じた場合のみやっています。その理由は以下の3つです。
@ 毎日の目立ては大変(時間が取られる)
A 刃がちびて、アサリが無くなってくる(目立てをし過ぎると、逆に切れなくなる)
B ヤスリがちびる
私はノコ1本の目立てをするのに、剪定鋸で8分程度、仮枠鋸で10分程度かかります。上で説明したやり方のように、研ぐ回数を基本1回ずつにしてもです。高頻度で丁寧な目立てをすればするほど、目立てに多くの時間を取られ、ノコやヤスリの寿命を縮めます。「目立てをするよりも、新品に買い替えた方が効率的」ということになれば、本末転倒です。
私の目立てのやり方について、プロの目から見たら、間違っているかもしれません。しかし、情報は沢山あるのに、本当に正しい目立てのやり方が分かりにくい状況の中で、こうして自分のやり方を世に問いながら試行錯誤を繰り返し、いつの日か、よりベストに近い目立てのやり方を会得し、皆さんに紹介したいという思いから、恥を忍んで書かせていただきました。
※ 記事一覧はこちら
今回、目立てのやり方を紹介するノコは、私が枝打ち作業に使っているレザーソーのLシリーズの仮枠鋸と剪定鋸の2種類です。それぞれのノコの特徴については、別記事の「枝打ち用ノコのお薦め」をご参照願います。
ノコの目立てに使うヤスリは、平ヤスリの厚みの部分が扁平なひし形になった、専用のヤスリを使います。ホームセンターにも売っています。
【ノコの目立てに使うヤスリ】
私はダイヤモンドヤスリを使っています。一般的な鉄工ヤスリも試したことはありますが、目が粗いため、「ズッズッズッ」とひっかかって、うまく研げませんでした。目立て初心者には、ダイヤモンドヤスリがお薦めなのかもしれません。
それではいよいよ目立てですが、まずノコを作業台の上に置きます。作業台は何でもいいですが、傷が付いても構わないものが良いです。私は踏み台や、車の後方の荷台のフチを使っています。
次に、手袋を装着した後、左手でノコの柄がある側を持って固定し、右手でヤスリを持ち、写真@の赤線および青線の箇所を1回ずつ研いでいきます。赤線・青線だと、いざ自分が研ぐ時に、研ぐ箇所が分からなくなるので、「柄の方に向いている斜面を研ぐ」と覚えておくと良いと思います。
ノコの固定は本来は万力を使うのですが、手間なので省略し、手でノコの柄、もしくは刃を持って、作業台に押し当てて動かないようにします。赤線は横挽刃、青線は縦挽刃といい、縦挽刃の箇所だけ刃の角度が横挽刃と少し違います。写真のノコは剪定鋸で、剪定鋸はこの縦挽刃がありますが、仮枠鋸には縦挽刃がありません(横挽刃のみです)。
研ぎ方は、ヤスリを1回ずつ前方へ押し出すだけです。複数回研がないと、研ぎ残しが生じやすいですが、時間がかかるので省略します。ただし、剪定鋸は研ぎ残しが生じやすいため、時間がある場合は、複数回研ぎます。研ぐコツは、ノコを少しだけ身体とは反対方向に傾け、ヤスリを研ぐ面になるべく押し当てながら、斜め下から斜め上へと押し出します。斜め下から斜め上へ向けて研ぐので、ヤスリを押し出す際に、作業台に手が当たらないよう、目立て作業は基本的に作業台の端で行います。ヤスリを作業台と水平にして、そのまま前方へ向けて押し出しても研げますが、刃の下の方までヤスリが入らず、刃全体がまんべんなく研げなかったり、隣の刃にヤスリが当たって、刃がガタガタになりやすくなったりします。うまく研げていると、研いだ面が光るので分かります。縦挽刃の箇所のみ、左右の手を持ち替えて(左手でヤスリを持ち、右手で刃を持って固定し)、横挽刃と同じ要領で研ぎます。文章だけでは分かりにくいと思うので、下に動画を用意しています。
刃と刃の間を研ぐ動画(剪定鋸)
刃と刃の間を研ぐ動画(仮枠鋸)
一通り研ぎ終わったら、今度はノコを反転させ、右手でノコの柄がある側を持って固定し、左手でヤスリを持ち、同じ要領で研いでいきます(写真A参照)。
〜追記〜
剪定鋸の目立てについて、上の動画では縦挽刃の箇所を研ぐ際、横挽刃と同じように前方へ向けて(斜め下から斜め上へ向けて)押し出すようにして研いでいますが、ヤスリを奥から手前に引くようにして(斜め上から斜め下へ向けて)研いだ方が、よく研げたので、下にその動画を用意しました。ただし、ヤスリを引く方向でも研げるのは、ダイヤモンドヤスリを使用した場合のみなので、一般的なヤスリをお使いの方は、マネしないでください(ヤスリの寿命を縮めることになります)。また、縦挽刃は目立てがしにくい(手を持ち替えるのが手間だし、うまく研げない場合が多い)ので、目立てを省略するのも1つの手です。
刃と刃の間を研ぐ動画(剪定鋸)そのA
〜さらに追記〜
「ヤスリを斜め下から斜め上へ向けて研ぐ」という表現で書きましたが、あまりヤスリを斜めにしすぎると、どうやらうまく研げないようです(部分的にしか光沢が出ないことが多いです)。むしろ、ヤスリを作業台と水平にした方が、うまく研げる(まんべんなく光沢が出る)印象です。ただ、ヤスリを水平にすると、前述のように隣の刃にヤスリが当たって、刃がガタガタになりやすいので、「ヤスリをやや斜め下から斜め上へ向けて研ぐ」というのが、私のたどり着いた結論です。その「やや」のさじ加減は、読者の皆さん自身が実際に目立てをすることで、体得してください。
刃と刃の間を研ぎ終わったら、次は刃の上面の三角形になっている箇所を研ぎます(写真B参照)。
右手でノコの刃(柄ではない側)を持って固定する時は、左手でヤスリを持って、ヤスリを右斜め前に押し出すようにして、奥側(身体側ではない側)の刃を研ぎます。逆に、左手でノコの刃(柄ではない側)を持って固定する時は、右手でヤスリを持って、ヤスリを左斜め前に押し出すようにして、同じく奥側の刃を研ぎます。その際、ノコをやや身体側(手前に)傾けると研ぎやすいです。研ぐ回数は基本1回ずつです。ノコの先端の方の刃を研ぐ際は、ノコを手で作業台に押し当てて固定するのが難しくなるので、ノコの先端を手で抱え込むように握って固定します。この工程も文章だけでは分かりにくいと思うので、下に動画を用意しています。
刃の上面の三角形を研ぐ動画
以上の一連の工程が、私流のノコの目立てのやり方になります。ノコの目立ての頻度について、以前は毎日(仕事で1日使用した場合は、その都度)やっていましたが、今は頻度を落とし、明らかに切れ味が落ちたと感じた場合のみやっています。その理由は以下の3つです。
@ 毎日の目立ては大変(時間が取られる)
A 刃がちびて、アサリが無くなってくる(目立てをし過ぎると、逆に切れなくなる)
B ヤスリがちびる
私はノコ1本の目立てをするのに、剪定鋸で8分程度、仮枠鋸で10分程度かかります。上で説明したやり方のように、研ぐ回数を基本1回ずつにしてもです。高頻度で丁寧な目立てをすればするほど、目立てに多くの時間を取られ、ノコやヤスリの寿命を縮めます。「目立てをするよりも、新品に買い替えた方が効率的」ということになれば、本末転倒です。
私の目立てのやり方について、プロの目から見たら、間違っているかもしれません。しかし、情報は沢山あるのに、本当に正しい目立てのやり方が分かりにくい状況の中で、こうして自分のやり方を世に問いながら試行錯誤を繰り返し、いつの日か、よりベストに近い目立てのやり方を会得し、皆さんに紹介したいという思いから、恥を忍んで書かせていただきました。
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