2021年12月30日
枝打ち用ノコのお薦め
枝打ちとは、節の無い材を作ることを目的として、立木の枝をノコギリ等を使って切り落とす作業です。私は2mのムカデハシゴ(主に枝打ちに用いられるムカデのような形状のハシゴで、商品名はロッキーラダー2)を用いて、地上4mの高さまでの枝打ちをしたことがあります。木の成長段階に合わせて、4mのハシゴを用いて6mの高さまで、逆にハシゴを用いず2mの高さまでの場合もあります。ちなみに、ハシゴを用いず高枝ノコギリを使ったり、太い枝が多い場合はノコギリではなく小型のチェーンソーを使ったりもします。
さて、前置きが長くなりましたが、私が現在使っている2種類のノコギリ(以降、ノコと表記)を紹介したいと思います。レザーソーのLシリーズの270mmで、1つ目が仮枠鋸(下の写真左)、もう1つが剪定鋸(下の写真右)です。
両者の見た目の違いは、主に刃の大きさなので、拡大した写真も下に載せます。
私は上司の薦めでこの2種類を使うようになりました。他にも枝打ち用の良いノコは沢山あると思いますがが、どちらも新品のうちは切れ味良好なので、ハズレではないと思います。
この2種類のノコの利点・欠点を下表にまとめてみました。
仮枠鋸の欠点で「刃先が欠けやすい」とありますが、使っていると、いつの間にか「写真@」のようになります。
【写真@】
どのタイミングで刃が欠けるのかは分かりませんが、太めの枝を切る際に、ノコ(刃)が挟まれた状態で枝が「クイッ」と半折れすることがよくあります。その際に、刃先にゆがみが生じます(アサリが1つの刃だけ大きくなります)。その状態の刃で枝打ちを続け、枝を勢い良く切り落とした際に、勢いが余って下の枝やハシゴに「ガツッ」と当てた際に、ゆがんでもろくなった刃が衝撃で折れるのではないかというのが、私の推測です。1日に何千本もの枝を切るため、気を付けていても半折れする枝に挟まれたり、下の枝に刃を勢い良く当ててしまうことは多々あり、完全にそれらを防ぐのは難しいです。そこで私はゆがんだ刃を見つけた際は、ラジオペンチでなるべくゆがみを解消するようにしています。
刃先が1つや2つ欠けたとしても、まだ使えますが、細い枝を切る時に引っ掛かりやすくなるため、刃欠けが多くなると新品に交換するしかないです。私は刃欠けが5つ、6つでも我慢して使いますが、連続した2つの刃が欠けた時は、新品に交換するようにしています。さすがに引っ掛かるので。ちなみに、剪定鋸で刃先が欠けたことは、まだ1度もありません。
剪定鋸の欠点で「刃が折れやすい」とありますが、これは主に太い枝に刃が挟まれている状態で、前方に力任せに押し出す時に折れるのではないかと思われます。特に太い枝かつ真横に向けて(幹の表面に対して水平に)伸びる枝には、ノコ(刃)が挟まれやすいので、注意が必要です。刃折れを防ぐためにも、太い枝を切る際は、ノコを少し浮かすくらいの感覚で押すのが良いと思います。もちろん、仮枠鋸でも折れる時は折れますが、剪定鋸の方が刃に厚みがあり、硬く、あまりシナらないので、構造上折れやすいのは確かです。
剪定鋸は頻繁に刃の欠ける仮枠鋸よりも、基本的に長持ちします(コストパフォーマンスが良いです)。ただ、油断すると新品でも何でも刃が「ポキッ」と真っ二つに折れるので、焦った作業をして刃をよく折る人にとっては、コストパフォーマンスは最悪です。
剪定鋸の利点で「刃を使って鞘の掃除ができる」とありますが、枝打ちをしていると、上方から落ちた切りくず等が鞘に入り込み、鞘が詰まることがよくあります。そんな時、写真Aのように、剪定鋸を鞘の反対側から突っ込んで、切りくず等を押し出すことができます。これを仮枠鋸でやると、刃が鞘の半分ほどしか入らず、しかも刃がシナるため、うまくいきません。
【写真A】
ここまで長々と書いてきましたが、結局「枝打ちにノコは2種類必要なのか?」と問われると、答えは「No!」です。仮枠鋸1本で充分です。仮枠鋸は、細い枝も太い枝も得意なオールラウンダーなので、細い枝が苦手な剪定鋸よりも使い勝手が良いです。ただ、仮枠鋸は頻繁に刃が欠け、新品に交換する頻度が高いため、コストパフォーマンスのことを考えると、剪定鋸も使いたいところです。よって、私は「基本的には剪定鋸。若齢林(細い枝が多い場合)、二股木等の極端に太い枝や真横に伸びた太い枝を切る場合、腕が疲れた時には仮枠鋸」というように、2種類を山に持っていき、状況に応じて使い分けています。ちなみに、使い込んで切れ味が落ちている状態では、仮枠鋸よりも剪定鋸の方が、枯れ枝がよく切れるような気がする(あくまで感覚的にですが・・・)ので、枯れ枝が多い木には剪定鋸を使うようにしています。この「レザーソーのLシリーズ」は、仮枠鋸も剪定鋸も柄が同じなので、例えば仮枠鋸の刃だけを買って、剪定鋸の柄に付けることも可能です。
ただ、どんなノコでも、使っているうちに切れ味が悪くなります。ノコを引いても「スースー」した感じになります。「山で丸々3日くらい使ったノコ」と「新品のノコ」の切れ味を比較すると、その差は一目瞭然です。ただ、3日使ってゴミにすると、ノコ代がバカにならないので、私は目立てをして、少しでも長く使うよう努力しています。そんなことで、次回は「枝打ち用ノコの目立て」について、書いてみようと思います。
※ 記事一覧はこちら
さて、前置きが長くなりましたが、私が現在使っている2種類のノコギリ(以降、ノコと表記)を紹介したいと思います。レザーソーのLシリーズの270mmで、1つ目が仮枠鋸(下の写真左)、もう1つが剪定鋸(下の写真右)です。
両者の見た目の違いは、主に刃の大きさなので、拡大した写真も下に載せます。
私は上司の薦めでこの2種類を使うようになりました。他にも枝打ち用の良いノコは沢山あると思いますがが、どちらも新品のうちは切れ味良好なので、ハズレではないと思います。
この2種類のノコの利点・欠点を下表にまとめてみました。
仮枠鋸の欠点で「刃先が欠けやすい」とありますが、使っていると、いつの間にか「写真@」のようになります。
【写真@】
どのタイミングで刃が欠けるのかは分かりませんが、太めの枝を切る際に、ノコ(刃)が挟まれた状態で枝が「クイッ」と半折れすることがよくあります。その際に、刃先にゆがみが生じます(アサリが1つの刃だけ大きくなります)。その状態の刃で枝打ちを続け、枝を勢い良く切り落とした際に、勢いが余って下の枝やハシゴに「ガツッ」と当てた際に、ゆがんでもろくなった刃が衝撃で折れるのではないかというのが、私の推測です。1日に何千本もの枝を切るため、気を付けていても半折れする枝に挟まれたり、下の枝に刃を勢い良く当ててしまうことは多々あり、完全にそれらを防ぐのは難しいです。そこで私はゆがんだ刃を見つけた際は、ラジオペンチでなるべくゆがみを解消するようにしています。
刃先が1つや2つ欠けたとしても、まだ使えますが、細い枝を切る時に引っ掛かりやすくなるため、刃欠けが多くなると新品に交換するしかないです。私は刃欠けが5つ、6つでも我慢して使いますが、連続した2つの刃が欠けた時は、新品に交換するようにしています。さすがに引っ掛かるので。ちなみに、剪定鋸で刃先が欠けたことは、まだ1度もありません。
剪定鋸の欠点で「刃が折れやすい」とありますが、これは主に太い枝に刃が挟まれている状態で、前方に力任せに押し出す時に折れるのではないかと思われます。特に太い枝かつ真横に向けて(幹の表面に対して水平に)伸びる枝には、ノコ(刃)が挟まれやすいので、注意が必要です。刃折れを防ぐためにも、太い枝を切る際は、ノコを少し浮かすくらいの感覚で押すのが良いと思います。もちろん、仮枠鋸でも折れる時は折れますが、剪定鋸の方が刃に厚みがあり、硬く、あまりシナらないので、構造上折れやすいのは確かです。
剪定鋸は頻繁に刃の欠ける仮枠鋸よりも、基本的に長持ちします(コストパフォーマンスが良いです)。ただ、油断すると新品でも何でも刃が「ポキッ」と真っ二つに折れるので、焦った作業をして刃をよく折る人にとっては、コストパフォーマンスは最悪です。
剪定鋸の利点で「刃を使って鞘の掃除ができる」とありますが、枝打ちをしていると、上方から落ちた切りくず等が鞘に入り込み、鞘が詰まることがよくあります。そんな時、写真Aのように、剪定鋸を鞘の反対側から突っ込んで、切りくず等を押し出すことができます。これを仮枠鋸でやると、刃が鞘の半分ほどしか入らず、しかも刃がシナるため、うまくいきません。
【写真A】
ここまで長々と書いてきましたが、結局「枝打ちにノコは2種類必要なのか?」と問われると、答えは「No!」です。仮枠鋸1本で充分です。仮枠鋸は、細い枝も太い枝も得意なオールラウンダーなので、細い枝が苦手な剪定鋸よりも使い勝手が良いです。ただ、仮枠鋸は頻繁に刃が欠け、新品に交換する頻度が高いため、コストパフォーマンスのことを考えると、剪定鋸も使いたいところです。よって、私は「基本的には剪定鋸。若齢林(細い枝が多い場合)、二股木等の極端に太い枝や真横に伸びた太い枝を切る場合、腕が疲れた時には仮枠鋸」というように、2種類を山に持っていき、状況に応じて使い分けています。ちなみに、使い込んで切れ味が落ちている状態では、仮枠鋸よりも剪定鋸の方が、枯れ枝がよく切れるような気がする(あくまで感覚的にですが・・・)ので、枯れ枝が多い木には剪定鋸を使うようにしています。この「レザーソーのLシリーズ」は、仮枠鋸も剪定鋸も柄が同じなので、例えば仮枠鋸の刃だけを買って、剪定鋸の柄に付けることも可能です。
ただ、どんなノコでも、使っているうちに切れ味が悪くなります。ノコを引いても「スースー」した感じになります。「山で丸々3日くらい使ったノコ」と「新品のノコ」の切れ味を比較すると、その差は一目瞭然です。ただ、3日使ってゴミにすると、ノコ代がバカにならないので、私は目立てをして、少しでも長く使うよう努力しています。そんなことで、次回は「枝打ち用ノコの目立て」について、書いてみようと思います。
玉鳥産業 レザーソー仮枠鋸 本体 270mm LT27-A / 7253(Lシリーズ)【鞘付鋸・鞘付きノコ】 価格:2,271円 |
玉鳥産業 レザーソー剪定鋸 本体 270mm LH27-A / 7453(Lシリーズ)【鞘付鋸・鞘付きノコ】 価格:2,475円 |
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