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2022年05月09日

SANDA/板垣巴留/ネタバレなし

こんにちは!
ゴールデンウィーク明け、お久しぶりの投稿となります。

本日は、板垣巴留さんの「SANDA」(少年チャンピオン)の紹介です。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、板垣巴留さんはこのブログでも2作品紹介した、「BEASTERS」や「BEAST COMPLEX」の作者です。
既に紹介した2作品は動物の世界の物語でしたが、こちらはヒト科の物語でございます!

2021年末に1巻が発売され、現在3巻まで出ている、まだ新しい作品ですね。


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出典:「SANDA」コミックス1巻より
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★あらすじ

舞台は2080年、超少子化が進んだ日本。
三田一重(さんだ かずしげ)と冬村四織(ふゆむら しおり)は中学生で2人で学級委員をしている。
ある日、三田は、包丁を持った冬村に「今日中に絶対あんたを殺す」を迫られる。
わけがわからない三田は、冬村は自分のことを好きでこんなことをするのかとも考えるが、それは誤解で、本当に三田は冬村に包丁で刺されてしまう。
しかし、それは三田が「サンタクロースの末裔」であることを知っている冬村の策で、刺すことはサンタクロースの姿になる条件の1つだった。これにより、中学生の姿だった三田は背の高い中年男性へと変身した。
冬村の目的は、サンタクロースになった三田に、行方不明になっている友達・小野を見つけてほしいとのことだった。


★ネタバレなし感想

まず、板垣巴留さん(以下敬称略)が動物じゃなくて人間描いてるー−!!ってだけでも十分衝撃的でした。
よく考えたら世の中の漫画の大半は人間が主人公なので、全然おかしなことではありません。
が!板垣巴留に限ってはイレギュラーに感じてしまう不思議……。

でもここで驚いていたらあとが持たないということを、読み始めてすぐ気がつきました。

なんで包丁持って追いかけてるの!?
サンタクロースの末裔!?SANDAってそういうこと!?
っていうかほんとに刺した!?
姿変わった!?サンタクロースぅ!?

という、衝撃の連続でした。

サンタクロースの姿になった三田は、サンタの本能からか、子ども(ここでは冬村)の笑顔を見たいから、小野を探したいという冬村の願いに協力することになります。

うん。固定概念にあったサンタのイメージがガラガラと音を立てて崩れ去っていきました。
そしてあまり書きすぎるとネタバレになりそうなのでこのへんにしておきますが、他にも読者にたくさんの謎をばらまいて1巻は終わりました。←水曜日のネタバレあり編でまた詳しく書きます

この謎たちがどう回収されていくのかが今後気になります。

世界観も独特で、クリスマスという行事が「あった」、12月に雪が降るなんて珍しい、など、現実とはかけ離れたものが多くあります。
そして何より、子どもの人口が少ない。数少ない子どもを保護するために、学校は寮生活で、寝食まで管理されているという徹底ぶり。現実でも少子化は進んでいますが、さらに進んだ先、という印象です。

「BEASTARS」の動物の世界観のときもですが、こちらも世界観の設定が細かくて見入ります。

では今日はこのへんで。水曜日は1巻のネタバレあり編です!

2022年04月22日

BEAST COMPLEX/板垣巴留/3巻までのネタバレあり

こんにちは!
本日はネタバレあり編です。

現在で3巻で終わっていますが、作者コメントに「自分の故郷としてこれからも時々帰省しますので」と書いてあったので、いつか4巻が出るのではという期待をこめて「完結」扱いにはしていません。





まず、ネタバレなし編で紹介した3作品をさらに紹介します。

「キツネとカメレオン」

★あらすじ
中学校でプリント配布係を担当しているキツネ(メス)とカメレオン(オス)。カメレオンは授業中以外は擬態していて制服としっぽ以外姿が見えないようにしている。これは唯一の特技という理由以外に、キツネの前では恥ずかしいからだと言う。
キツネはクラス内でいじめられているが、カメレオンは勇気がなくて助けられないでいた。その日の放課後、プリントを窓からばら撒いてすっきりしたキツネはカメレオンに「そのままでいいんじゃない」と微笑む。
翌朝、またキツネがいじめられていると、透明な「何か」がいじめている側を突き飛ばし、助ける。その「何か」はカメレオンで、急いで制服を脱いで完全に透明な状態で助けたのだった。

★感想
カメレオンの擬態するっていう性質をうまく活かした作品だと思った。
ヒーローは常にかっこよくヒロインを助けないといけないという固定概念を覆してくれる話。

「カラスとカンガルー」

★あらすじ
アルビノのカラス(オス)は全身真っ白な動物しか住めない地区(0地区)に住んでいる。外の世界は珍しい自分達を狙う動物が多いからだ。
ある日、カラスはオリオンと呼ばれているカンガルー(メス)に0地区の集会で出会う。彼女は股にオリオン座のような斑点があるためそう呼ばれており、それがゆえに完全に真っ白ではない。だが、その地区のオスと関係を持てば住み続けられるという条件で住んでいる。
カラスはショックを受けるが、オリオンに好かれるまで斑点は見ないと決めた。
2匹でそのことを話しながら歩いているといつのまにか0地区を出ており、カラスは外の世界の動物に捕まりそうになる。
オリオンはその動物を蹴ってカラスを助け、0地区に戻らず外の世界へ駆け出した。

★感想
これはカラスがBEASTARSでコーポ伏獣の住人として登場する前の話。
息苦しい0地区に本当は住み続けたくないけれど、命を守るために仕方なく住んでいた2匹。
やっとその呪縛から抜け出せて良かった。
そんなカラス、BEASTARSではムキムキに鍛えてて言葉遣いもちょっと強い感じになってて、変わってた〜!でもオリオンちゃんはどうしたんだろ!?

「ライオンとウサギ」

★あらすじ
異種族カップルとしてファッション的(肉食、それも強いライオンと小さなウサギの組み合わせ、珍しいでしょ的な)に付き合っていたが、ライオン(オス)がウサギ(メス)を傷つけてしまい、別れていた。謝るきっかけを失ったままのライオンだったが、ある日大学内のミスコンにウサギがエントリーしていることを知り、彼女の入っているテニスサークルを訪問して謝る。
ウサギは仲直りしようと微笑むが、それはミスコンで票を獲得するため「加害者を快く受け入れるイベント」で、ライオンにとっては怖いメスだった。
その後、ライオンは、ウサギと話をしているうちに、本当は辛いのに、このケガを利用して活躍してみせると強がる姿に惹かれ、ファッションじゃなくて本気で付き合おうと告白するのだった。

★感想
ライオンがウサギにケガをさせたシーンはBEASTARSで描かれており、「所詮肉食と草食のカップルは成り立たない」と思わせる要素だった。
でも、その後日譚としてそれを否定するのにふさわしい話だったんじゃないかな。
ウサギの性格良くないところが、かえって綺麗な話になりすぎずリアルに感じた。


好きな作品を3つに絞ったけど、レゴシとサグワンの話とか、カメとヒツジの話なんかも好き。というか本当は全部!笑

本編とは関係ないですが、作者さんがどうやって漫画家になったかとか、それぞれの話のテーマソングも載っていて、そちらも興味深かったです!

2022年04月20日

BEAST COMPLEX/板垣巴留/ネタバレなし

こんにちは。
本日は、板垣巴留さんの「BEAST COMPLEX」(週刊少年チャンピオン)を紹介します。

この作品は、過去に紹介した「BEASTARS」の原点(1巻が)ともなった短編集です。

★BEASTARSの記事はこちらから

あらすじ、ネタバレなし
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/2/0

1巻〜15巻までのネタバレあり
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/3/0

16巻〜22巻(完結)までのネタバレあり
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/34/0?1650418114

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出典:「BEAST COMPLEX」コミックス1巻より
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★あらすじ、というか概要

どれも動物が主人公の短編集で、肉食獣と草食獣の関係をテーマにした作品が多くあります。
BEASTARSを読んでいるとより楽しめますが、読んでいなくても十分楽しめる作品だと思います。

「ライオンとコウモリ」「トラとビーバー」のように、各話2匹の動物がメインの主人公です。

1巻…BEASTARS連載前の作品含めた6話。

2巻…BEASTARSのサブキャラたち(コーポ伏獣住人)が主人公の話5話+レゴシとハルが出てくる1話の計6話。

3巻…7話。内レゴシ含めBEASTARSの登場獣物が出てくる話が2話。


各巻よりお気に入りの話を1話ずつネタバレにならない程度に一言紹介すると、こんな感じです。

1巻「キツネとカメレオン」自分の前では擬態していて顔を見せてくれない恥ずかしがりやのカメレオンと、いじめられているキツネの話。

2巻「カラスとカンガルー」全身真っ白な動物にしか住めない地区に住んでいるアルビノのカラスと、完全に真っ白ではないものの、ある条件でその地区に住んでいるカンガルーの話。

3巻「ライオンとウサギ」異種族カップルとして付き合っていたが、ライオンがウサギにケガをさせてしまい、別れていた。そのライオンとウサギが再会した話。

★ネタバレなし感想

BEASTARSを読んだときも思いましたが、まず、世界観に引き込まれます。動物が擬人化されている絵本などでは、普通にハンバーグやチキンを食べたり、動物園に行っていたりと、人間が動物の皮かぶってるだけじゃんってつっこみたくなる設定が多いですよね。

でも、この作品はその設定に真面目に向き合っていて、肉食動物は肉の代わりにたんぱく質は大豆や卵や昆虫(昆虫食は許されている)を食べているのが基本です。
基本です、と書いたのは、草食動物を食べてはいけないというルールはあるものの、本能として肉を食べたいという欲求はあるからです。
だから、裏市という場所で秘密裏に肉が売られていたり、殺獣事件が起こったりもします。

動物の特徴も捉えられていて、ライオンやトラなどネコ科の動物は雨が降ると顔をゴシゴシするなんてこともします。

ほかには、海洋生物の扱い方が興味深いものがあります。
陸の生物と海の生物は価値観や言語が違うので、人間が外国語を学習するように、動物たちは学校で「海洋語」を学びます。アザラシは海と陸のハーフという存在で、しゃべるときはセリフがカタカナになっているなど芸が細かいです。

このように動物社会がリアルに(?)描かれており、読んでいて飽きません。
世界観だけでなく、話の内容も毎話考えさせられるものがあります。

次回、さきほど紹介した3話を中心にネタバレあり感想書きます〜

2022年04月13日

さよなら絵梨/藤本タツキ/完結までのネタバレあり

こんにちは!
本日はネタバレあり編です。





★完結までのあらすじ

一応最後まであらすじ書きますが、読み切りだし、まだ当分公開されてると思うので読んだ方が早いかもしれません↓
https://shonenjumpplus.com/red/content/SHSA_JP02PLUS00022697_57

(ネタバレなし編の続き)優太と絵梨は廃墟の中で映画をひたすら見る日々を過ごし、優太はついに映画のプロットをつくることになる。

「病院が爆発して終わる映画が酷評されたため、とびおり自殺しようとする主人公。それを止める吸血鬼。2人で映画を見まくる。主人公は映画の評判が悪かったことよりも、母親の死を撮らなかったことを悔やんでいる。実は吸血鬼ももうすぐ死んでしまう身で、自分が生きたことを忘れられないように映画を撮って欲しいのだった。主人公は吸血鬼の死ぬところを撮れて、ちゃんと生きていこうと思える」
という話を考える。

映画の撮影の最中、絵梨は本当に病気で倒れてしまい、入院する。そして絵梨は「私の死ぬところを撮ってほしい」という。
優太は落ち込むが、父親の「優太は人をどんな風に思い出すか自分で決める力があるんだよ」「みんながどういう風に絵梨ちゃんを思い出すのか絵梨ちゃんは優太に決めて欲しかったんじゃないかな」という言葉で再度立ち上がる。
優太は絵梨との思い出を撮り続け、亡くなるところまで撮ることができた。
映画の構想では主人公はこの後「ちゃんと生きていこう」と思うが、実際の優太は絵梨の映画を何度も再編集しながらなんとなく生きて大人になる。

もう死んでしまおうと、最後に絵梨と映画を見まくった廃墟に行くと、若い頃のままの絵梨がいて、自分は本当に吸血鬼で、死んだ後に蘇ったのだと言う。
蘇ると記憶はなくなってしまうが、優太の作った映画を見て、前の自分がどんな風だったかを知ることができたのだった。これから何度死んでも思い出す、と言う。
優太はそれを聞いて自殺するのをやめ、廃墟をあとにする。背景には爆発する廃墟。

★感想

まず最初に思った感想は、
これ、全部映画だったの?
ってこと。

最初は病院が爆発する映画だけだと思ってたけど、次に絵梨が死ぬところまでが映画だと思い、最後まで読むと、この漫画自体が映画だったのかな?って思えた。

で、ネタバレなし編にも書いたけど、どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションなのかわからなくて混乱した。
とっても不思議な気持ちになった。
劇中劇中劇!?

そして、爆発して終わるところも印象的。というかここに全部持っていかれた感!
最初に優太が作った映画と同じ終わり方っていうのが秀逸すぎる。
この最後の爆発があったから、「全部映画だったの?」っていう混乱を引き起こせたんじゃないかな。もし爆発しなかったら、「そっかーいい話だったなー(ページ閉じる)」で終わりになっちゃうけど、爆発の混乱で何回も読み返すことになった。笑 私はね。

それから、作者背景の絵うますぎ。
アシスタントさんが描いたのかもしれないけど。
この漫画の声質上、何コマも同じ背景があってセリフだけ淡々と進んでいく場面が多かったけど、同じ背景たくさんあって見入っちゃった。

見入るといえば背景だけじゃなくて、絵梨も。
まつ毛の感じとか美しくて、こんな吸血鬼だったら私も血吸われてもいいかなーって思っちゃう。笑
でもそれは優太が切り取った絵梨の絵で、絵梨の友達いわく、本当はメガネかけてて歯の矯正もしてて、すぐキレて自己中だったらしいね。
映画の中の絵梨と現実の絵梨は違ったようだけど、それもいいなと思う。

この作品、本当に映画になってほしいな。
だけど実写あるあるの内容や設定変えるっていうのはしないで、原作に忠実、そのまんっま!で作って欲しいな。という願望。

さよなら絵梨、美しい作品でした。

2022年04月11日

さよなら絵梨/藤本タツキ/ネタバレなし

こんにちは!
本日は、本日「ジャンプ+」で公開されたばかり、藤本タツキさんの「さよなら絵梨」を紹介します。

数日前から200ページの読み切りが公開されるという情報が出ていたので、ワクワクしながら待っていました!
さっそく読んだので感想です。





★あらすじ

中学生の優太は、誕生日プレゼントにスマホを買ってもらった。
母親から、自分は病気でもうすぐ死んでしまうから、生きている自分をそのスマホで撮って残してほしいと頼まれ、動画を撮り始める。
母親の病状が悪化し、いよいよ死期が近づいたころ、優太は父親に、母親の入院する病院へ連れていかれる。「死ぬ瞬間まで撮ってほしい」とのことだった。
だが優太は病院の中には入らず、走っていってしまう。背景には爆発する病院

…という映画を作り、文化祭で公開した優太。母親が病気になって亡くなるまで動画を撮っていたのは本当だが、最後に病院が爆発するというフィクション要素を付け加えた映画の評判は最悪。あまりの評判の悪さにショックを受けて、母親が死んだ病院で飛び降り自殺をしようとした矢先、1人の少女に自殺を止められる。
少女の名前は絵梨で、優太の映画は面白かったのに評価が低かったことが悔しかったので、もう1度映画を作ってほしいと言う。

★ネタバレなし感想

最初から「えっ?えっ?」の連続でした。病院爆発?なにそれ?っていうか映画だったの?フィクション?いいえ最後以外ノンフィクション!っていう驚き。
過去作品の雰囲気から想像はしていたけれど、これもやっぱりぶっ飛んだ作品でした。

・どこまでがフィクション?
作中のセリフに、「どこまでが事実か制作かわからない」というものがありました。
これはあらすじに書いた映画を見た絵梨の感想なのですが、このセリフはこの漫画の感想そのものです。
どういうことかは読めばわかります。
こんなに読者に判断を委ねてくるなんて!!って思いました。
あれも?これも?とフィクションとノンフィクションの境界をさまよいます。


・作者、映画好きに違いない
「チェンソーマン」や最近読み始めた「ファイアパンチ」にも映画が出てくる(出てきそう)んですが、これはモロ映画をテーマにした作品でしたね。
おそらくたくさん映画を見てきたんだろうな…と想像しています。今まで見てきた映画が漫画創作の原点になってるのかな?と勝手に想像させてもらいました。

・カムバックマキマさん
いや、マキマさん(チェンソーマンに出てくる人)は一切出てきません。が、主人公の母親にマキマさんっぽさを感じました。
見た目だけじゃなくてセリフとか。
あと、映画好きなマキマさんがこの漫画を読んでどう思うのか知りたくなりました。笑

・私が藤本タツキというタグを作った
どうでもいい報告ですみません。今までこのブログの記事につけるタイトルは、「漫画」(または「小説」)と「作品のタイトル」だけでしたが、きっとこれからもこの作者さんの漫画の感想を投稿する気がするので、「藤本タツキ」というタグも入れました。
これを機に他の漫画の紹介のときも作者名もタグにつけようかな……。

というわけでネタバレなし感想でした〜
次回ネタバレします

2022年04月04日

ファイアパンチ/藤本タツキ/1巻・途中からネタバレあり

こんにちは!
4月1本目は、「チェンソーマン」でお馴染み、藤本タツキさんの「ファイアパンチ」(ジャンプ+)を紹介します。
そういえばこのブログの更新頻度を決めていなかったので、キリよく4月から、月・水・金の週3更新と決めさせていただきます!

チェンソーマンの記事はこちらから↓
ネタバレなし
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/32/0

ネタバレあり
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/33/0

こちらはチェンソーマンよりも前に連載された作品で、8巻で完結しています。
ずっと気になっていたので、まずは1巻だけ読んでみたのですが……衝撃。
やっぱりこの人頭のネジとんでってる!!(褒めてます)

完結作品なので全巻読んでから記事にしようかとも思いましたが、この衝撃を忘れないうちにということで、珍しく1巻だけで
・あらすじ
・ネタバレなし感想
・ネタバレあり感想
をぶっこみます。

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出典:「ファイアパンチ」コミックス1巻より
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★あらすじ

アグニ、ルナの兄妹が住む村は、氷の魔女の影響でとても寒く、食料がほとんどない。
「再生能力の祝福者」であるアグニは、ダメージを負ってもすぐ体が再生する特異体質。
腕を切ってもすぐ生えてくるため(ただし切られるのは普通に痛い)、善意で村の住人に食料として与えれていた。
妹のルナも再生能力があるが、アグニより再生に時間がかかるので、アグニの腕だけを切っていた。
ある日、ドマという男が仲間とともに、食料をもらいにやってきた。
彼らはべヘムドルクの住人という。
勝手に村人の家へ食料を探しに行かれ、人間の腕がある=人を殺して食べていると誤解される。
ドマもまた祝福者で、「焼け朽ちるまで消えない炎」を出すことができる。
ドマは人肉を食べる村人に嫌悪感を抱き、村を焼き放つ。
アグニは再生能力の影響で燃えても燃えても死なないが、再生に時間がかかるルナは焼け死んでしまう。
8年経って自身を燃やし続ける炎に慣れたアグニは、ルナを殺された復讐の旅に出る。

★ネタバレなし感想

漫画を読んでいると色んな殺され方に出会ってしまいますが、燃える系は正直苦手でした。(某呪いの指の漫画に出てくる某呪霊怖かった)
藤本タツキさんのだから読んでみよう!と前情報なしで読み始めたので、燃えるとか全然知りませんでした。
まぁタイトルに「ファイア」入ってますが……。

人がバンバン燃えるのは怖いんですが、チェンソーマン同様、いきおいに押されて読めちゃいます。
というか、次々に突拍子もない展開に、何を読まされてるんだろう?という気持ちにもなります。
再三言いますが褒めてます。

神話とか伝承とかってこんな感じなのかなと思えます。


★ネタバレあり感想






旅に出たアグニはサンという8歳の少年に出会い懐かれる→サンともどもべヘムドルクの住人に捕まる→ユダというルナに似た女性に出会う→アグニ、ドマに再会。

と思ったらいきなり場面が変わって、トガタという映画好きの少女(トガタ)が自分1人でしゃべっているところを録画している絵になって、ぽかーん。
1990年〜2200年代とか言ってるから、少なくとも舞台は2200年よりは未来の話っぽい。
勝手に昔の話かと思ってた。

で、最後はアグニが炭になっててそれをドマが見ている、というシーンで1巻が終了!
なにこれ!?!?

まず、ユダは何者!?ルナに似てるけど、ルナではない……?
ルナは死んだと思われていたけど、実は生きていて記憶がなくなっているとか?

そしてアグニ。炭になってたけど死んだのかな?主人公だしたぶん死んでないと思うけど、実は主人公じゃないとか?笑
ドマは「私が死ぬ以外でなんでもする」って言ってたからアグニは「俺を殺してくれ」とでも言ったのか?
うーん、わからん。

サンはこれからキーパーソンになりそうな予感。電気の能力を使って困難を切り抜けていくんだろうか。
でもそんな単純な話にはならなさそうだよね。

2巻以降の展開が全く想像できない。から徐々に読んでいこうと思います。

藤本タツキワールドすごすぎます……
藤本タツキさんといえば、4月11日にはジャンプ+で200ページの読み切りが掲載されるらしいです。
これもぶっとんでるんだろうな

2022年03月28日

SPY×FAMILY/遠藤達哉/8巻までのネタバレあり

こんにちは。本日はネタバレあり編です。
現在8巻まで単行本が出ており、来月には最新刊の9巻が刊行予定です!





★ネタバレあり感想

この漫画の見どころはたくさんあるけれど、個人的にグッとくるのは、ロイドがだんだん父親らしくなっていくところ。
最初はミッション達成のためだけにアーニャを引き取り、仕事が済んだら孤児院に帰そうと考えていたくらい。なのに、アーニャに勉強を教えたり、アーニャを喜ばせようとしたりと奮闘する姿がいい。ロイドなりにアーニャを娘だと思いはじめてるんだろうね。
ロイドとヨルの関係性も好き。まだどこか他人行儀ではあるものの、お互いを尊重しているところがいい。

好きな編は、豪華客船編。
この漫画のこと、ネタバレなし編でさんざん「映画みたい」「映画みたい」って書いたけど、豪華客船編はまさしく映画の世界だった。
要人を守るために護衛として乗り込むヨル、敵をあざむくために整形までしてきたクライアント、船内のいたるところに潜む敵、盗聴、ルームサービスになりすまして殺しにくる奴などなど、ハラハラ要素盛りだくさん!そしてなんといっても、ヨルさんの、ここでも流石と拍手をおくりたくなるような迫力満点のアクション。

一方、ロイドはヨルは公務員としての仕事で乗っていると思っているため、ヨルとは別行動。アーニャに振り回されて変な格好してるのが笑える。
相変わらずアーニャのおかげで緊迫したシーンでもほっとできる。
特に、アーニャがヨルの武器を見て、「母の刺すやつ!」って認識してるのが面白かった。
だって名前わかんないもんね!笑
とにかく、ヨルが「刺すやつ」で活躍できてなによりでした。

もちろん、この話のメインとなる、アーニャがデズモンド次男と仲良くなるor特待生になるを目指しててんやわんやしているのも好き。
次男可愛いよね。いかにも小学生(という肩書きではないけれど)の男の子が好きな女の子にとる態度じゃん!って思った。本人はまだ気づいてないし、アーニャも全然だけど。笑


はい、というわけで(YouTubeでよくある終わりのセリフ)勢いが衰えることを知らないとはこの漫画のことなのかなと思ってます。
ますます盛り上がるスパイファミリーの紹介でした!

2022年03月26日

SPY×FAMILY/遠藤達哉/ネタバレなし

こんにちは。
今日は、遠藤達哉さんの「SPY×FAMILY」(少年ジャンプ+)を紹介します。
こちら、以前紹介した「姫様、“拷問”の時間です」https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/44/0?1648184362
に引き続き、2回目の少年ジャンプ+(アプリでの連載)からになります!
4月からアニメも始まるということで、原作も紹介しようと思います。

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出典:「SPY×FAMILY」コミックス1巻より
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★あらすじ

スパイである黄昏(たそがれ)は、任務の一環で、ある人物に近づくために、その人物の子どもが通う名門校に自分の子どもも入学させなければならなくなった。
ところが黄昏は独身で、もちろん子どももいない。
黄昏はロイド・フォージャーと名乗り、孤児院で見つけてきた子ども・アーニャを養子にし、学校の試験を受けさせる。
事前に問題を入手し丸暗記させるという方法で学力試験は通ったものの、次は面接。面接は両親と子どもの3人で行かなければならないとのこと。
妻の役を探さなければならなくなった矢先、アーニャの服を買いに行った服屋でヨルという女性と出会う。ヨルは弟に恋人がいると嘘をついてしまい、近々行われるパーティで恋人を紹介しなければならない状況に悩んでいた。そんなヨルと利害が一致し、夫婦になることを決めた。
ロイドとヨルはお互いの正体を隠したまま、アーニャと3人で家族になる。

★ネタバレなし感想

父はスパイ、母は殺し屋、子どもは超能力者(人の心が読める)、でもお互いにそれは知らない(アーニャは心が読めるから父、母の正体を知っている)という今までにない家族の設定の物語です。
この設定に惹かれて読みはじめたらハマりました。
舞台は架空の外国で、出てくる道具などから戦後〜現代の手前くらいの年代の物語かと思われます。
スマホどころか携帯電話もなく、黒電話だし。

ロイドはいかにもなスパイで、ルパンに出てきそうな他人の顔(変装が終わるとビリって破るアレ)の被り物をしたり、優れた頭脳を持っていたり、それだけでも映画みたいでわくわくします。
ヨルは、普段は公務員として働いていますが、実は「いばら姫」という名で雇われの殺し屋をしています。ヨルも映画に出てきそうな俊敏な動きで「お仕事」をしていて、普段はのほほんとした雰囲気と、戦闘シーンとのギャップには驚かされます。
そして、アーニャ。とっても可愛いキャラです。ロイドやヨルのことを「ちち」「はは」と呼び、スパイごっこが好きな子どもです。アーニャは人の心が読めるという超能力で、図らずもロイドやヨルを救っています。
ロイドのスパイ活動や、ヨルの殺し活動(言い方)だけだと少々殺伐とした雰囲気になってしまいがちですが、アーニャの存在によって緊張が緩和され、読んでいる側もほっとさせられるものがあります。

メインの3人以外にも、ペットの犬のボンドや、アーニャが学校で出会う先生や同級生など、個性豊かなキャラクターが勢ぞろいです。

映画のようなわくわく感、ハラハラ感、そしてほのぼの感、これらの要素で成り立っているスパイファミリーです。
原作の続きはもちろん、4月からのアニメも楽しみにしています!

2022年03月08日

葬送のフリーレン/山田鐘人・アベツカサ/6巻までのネタバレあり

こんにちは。今日はネタバレあり編です。





昨日も書いたけど、この漫画ほど「エモい」っていう言葉が似合う作品はないんじゃないかな。
エモさが溢れてる。

第二話では、フェルンは戦災孤児だったところをハイターに救われて、恩返しをするために魔法使いになる修行をするわけだけど、ハイターが亡くなる少し前に一人前になれた。
そしてフリーレンの弟子としてともに旅をすることになる。
ハイターは、以前の自分では孤児を助けることはしなかったかもしれないが、ヒンメルならそうしたはずだと思い、フェルンを助けた。
ヒンメルからハイターへ、ハイターからフェルンへっていう繋がりが感動した。

そんなわけでフリーレンとフェルン、途中から戦士のシュタルクも加わっての旅が始まったわけだけど、戦いも多くて苦労もあるだろうになんだかんだ楽しそう。

印象に残ってるのは、一級魔法使いになるための試験編。てっきりフリーレンは余裕で合格するものだと思ってたのに、最後は面接で落ちるっていう衝撃。フェルンだけでも受かって良かったけど。笑
あと、この回で新しい登場人物がたくさん出てくるのも見どころ。
デンケンっていうおじいちゃんキャラ好き。

さて。フリーレンは一体何歳まで生きるんだろう。少なくとも今の年齢は1000歳以上なのかな?
でもそれほど生きてきて、その中で「ほんの」10年旅をしてきた「だけ」なのに、フリーレンがことあるごとに思い出して影響を受ける、ヒンメルの存在感って尋常じゃないなと思う。
フリーレンが遠い遠い未来、いつか亡くなってしまうときもそっと思い出しそう。ヒンメルだけじゃなくて、ハイターやアイゼン、フェルンやシュタルクのことも。

今書いてて思ったけど、フェルンやシュタルクは人間だから、よっぽどのことがなければフリーレンより早く亡くなってしまうんだよね。フリーレンは長寿がゆえにたくさんの人を見送ってきただろうけど、彼らのことも見送れるのかな。悲しくなってきちゃった。。

でもそういう悲しさも含めて全部フリーレンの人生なんだろうな。これからも旅の続きを見ていきたいな。
ではでは、今日はこのへんで!

2022年03月07日

葬送のフリーレン/山田鐘人・アベツカサ/ネタバレなし

こんにちは。今回は、原作・山田鐘人さん、作画・アベツカサさんの「葬送のフリーレン」(週刊少年サンデー)を紹介します。

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出典:「葬送のフリーレン」コミックス1巻より
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★あらすじ
魔王を倒した「あと」の物語。
魔王を討伐するために、10年旅をした4人は勇者・ヒンメル、魔法使い・フリーレン、僧侶・ハイター、戦士・アイゼン。無事魔王を倒し、旅は終わった。旅が終わった50年後、勇者・ヒンメルは天寿を全うする。
フリーレンはエルフのためかなりの長寿で、人間とは時間の価値観が違う。
だが、ヒンメルの葬儀で涙を流し、人間の寿命は短いとわかっていたのになぜもっと知ろうとしなかったのかと悲しむ。
フリーレンは「人間を知る」旅に出ることにした。

★ネタバレなし感想
魔王を倒すために旅に出る漫画はありがちですが、第一話は既に魔王を倒して凱旋しているところから始まります。
しかもいかにもメインキャラであろうヒンメルも、第一話で寿命を迎えて亡くなります。
この第一話はとても衝撃的でした!
ヒンメルの出番はここで終了かと思いきや、フリーレンの記憶の中に思い出が残っていて、旅をするフリーレンは、ことあるごとにヒンメルのことを思い出してます。それはエピソードだったりセリフだったり、フリーレンが何かを決断するときなどに背中を押してくれるような役割を持っています。

ヒンメルは亡くなっているけれど、フリーレンの中で生きているかのような気持ちになります。
この、常にどこか物悲しい感じが、この漫画からは醸し出されていています。ベスト・オブ・エモ漫画。
でも、切ないだけではなくて、心が温まる描写や、ハラハラドキドキする戦闘シーン、くすっと笑えるギャグもあり、読んでいて飽きません。

魔法やダンジョン、魔族なども出てくるので、RPGの世界観が好きな人にもおすすめです!
宝箱(のふりをした偽物)にフリーレンがちょいちょい挟まっているところもツボ。

フリーレンやヒンメル以外にも、ハイター(彼も第二話で亡くなりますが、ヒンメル同様フリーレンの記憶によく出てきます)やアイゼン、フリーレンの弟子のフェルンなど、魅力的な登場人物がたくさん出てきます。
そんな仲間たちと自分も一緒に旅をしている気分にもなれる漫画です。

「サンデーうぇぶり」でも読めますので最初の一話だけでも読んでみてください
では、また次回!
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