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2022年04月13日

さよなら絵梨/藤本タツキ/完結までのネタバレあり

こんにちは!
本日はネタバレあり編です。





★完結までのあらすじ

一応最後まであらすじ書きますが、読み切りだし、まだ当分公開されてると思うので読んだ方が早いかもしれません↓
https://shonenjumpplus.com/red/content/SHSA_JP02PLUS00022697_57

(ネタバレなし編の続き)優太と絵梨は廃墟の中で映画をひたすら見る日々を過ごし、優太はついに映画のプロットをつくることになる。

「病院が爆発して終わる映画が酷評されたため、とびおり自殺しようとする主人公。それを止める吸血鬼。2人で映画を見まくる。主人公は映画の評判が悪かったことよりも、母親の死を撮らなかったことを悔やんでいる。実は吸血鬼ももうすぐ死んでしまう身で、自分が生きたことを忘れられないように映画を撮って欲しいのだった。主人公は吸血鬼の死ぬところを撮れて、ちゃんと生きていこうと思える」
という話を考える。

映画の撮影の最中、絵梨は本当に病気で倒れてしまい、入院する。そして絵梨は「私の死ぬところを撮ってほしい」という。
優太は落ち込むが、父親の「優太は人をどんな風に思い出すか自分で決める力があるんだよ」「みんながどういう風に絵梨ちゃんを思い出すのか絵梨ちゃんは優太に決めて欲しかったんじゃないかな」という言葉で再度立ち上がる。
優太は絵梨との思い出を撮り続け、亡くなるところまで撮ることができた。
映画の構想では主人公はこの後「ちゃんと生きていこう」と思うが、実際の優太は絵梨の映画を何度も再編集しながらなんとなく生きて大人になる。

もう死んでしまおうと、最後に絵梨と映画を見まくった廃墟に行くと、若い頃のままの絵梨がいて、自分は本当に吸血鬼で、死んだ後に蘇ったのだと言う。
蘇ると記憶はなくなってしまうが、優太の作った映画を見て、前の自分がどんな風だったかを知ることができたのだった。これから何度死んでも思い出す、と言う。
優太はそれを聞いて自殺するのをやめ、廃墟をあとにする。背景には爆発する廃墟。

★感想

まず最初に思った感想は、
これ、全部映画だったの?
ってこと。

最初は病院が爆発する映画だけだと思ってたけど、次に絵梨が死ぬところまでが映画だと思い、最後まで読むと、この漫画自体が映画だったのかな?って思えた。

で、ネタバレなし編にも書いたけど、どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションなのかわからなくて混乱した。
とっても不思議な気持ちになった。
劇中劇中劇!?

そして、爆発して終わるところも印象的。というかここに全部持っていかれた感!
最初に優太が作った映画と同じ終わり方っていうのが秀逸すぎる。
この最後の爆発があったから、「全部映画だったの?」っていう混乱を引き起こせたんじゃないかな。もし爆発しなかったら、「そっかーいい話だったなー(ページ閉じる)」で終わりになっちゃうけど、爆発の混乱で何回も読み返すことになった。笑 私はね。

それから、作者背景の絵うますぎ。
アシスタントさんが描いたのかもしれないけど。
この漫画の声質上、何コマも同じ背景があってセリフだけ淡々と進んでいく場面が多かったけど、同じ背景たくさんあって見入っちゃった。

見入るといえば背景だけじゃなくて、絵梨も。
まつ毛の感じとか美しくて、こんな吸血鬼だったら私も血吸われてもいいかなーって思っちゃう。笑
でもそれは優太が切り取った絵梨の絵で、絵梨の友達いわく、本当はメガネかけてて歯の矯正もしてて、すぐキレて自己中だったらしいね。
映画の中の絵梨と現実の絵梨は違ったようだけど、それもいいなと思う。

この作品、本当に映画になってほしいな。
だけど実写あるあるの内容や設定変えるっていうのはしないで、原作に忠実、そのまんっま!で作って欲しいな。という願望。

さよなら絵梨、美しい作品でした。
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