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2019年01月19日

【感想】小説版「おおかみこどもの雨と雪」を読んで

今回は、細田守さんの小説「おおかみこどもの雨と雪」の感想ブログです。

「おおかみこどもの雨と雪」といえば細田守監督によるアニメ映画ですね。
「時をかける少女」や「サマーウォーズ」、「バケモノの子」とともに
時々テレビで放送されています。

今回は、その映画「おおかみこどもの雨と雪」の原作であり
細田守監督初の小説でもある作品を、紹介させていただきます。

映画は静かでセリフが少な目な印象でしたが、
小説には小説ならではの表現があり、
映画内では出てこなかったエピソードやその意味、
登場人物たちが感じていたことなどを文字で読むことができます。

ページ数は240ページほどと少な目で文章も易しく、
あまり小説を読まない方でもスラスラ読めると思います。

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この先完全にネタバレですのでご注意ください。


私は「おおかみこどもの雨と雪」を先に映画で見ました。
たしか、映画館に見に行ったと思います。
そしてその後もテレビで放送されているのを何度か見ました。
小説の方も何回か読み返しています。

「おおかみこどもの雨と雪」は
映画も良いですが、小説も良いですね。

映画は主に映像での表現で、小説は文章ですが
小説の方もなんだか映像的な表現です。
ほとんどのシーンがピッタリ、映画のイメージや展開と重なります。


それは、映画も小説も細田守監督が創っているからですね。
原作者が別の方の場合、映画版で大胆にアレンジされていたり
登場人物の雰囲気や印象が若干異なったりすることがありそうですが
「おおかみこどもの雨と雪」は、映画がそのまま小説になった感じです。

いや、順番では逆ですね。
どのようにして書かれたのかは分からないですが、小説が原作です。

多分、映画を作る前から明確なビジョンやこだわりがあって、
既にきちんと定まっていた映画の雰囲気が、小説に表れているんですね。
……違うかもしれませんが。


物語の序盤の幼いおおかみこどもの描写は、小説版でも可愛らしいです。
特に雪ちゃんのワイルドな振る舞いが、おおかみこどもらしくて素敵です。

しかし野性的だった雪はだんだん落ち着き、
今度は雨が野性に目覚めてゆきます。

二人がなぜその選択をしたのか、明確には語られていませんが
雪はおおかみの部分を抑えて人間として生きることを選び、
雨は人間の世界から離れて完全に狼となりましたね。


この選択について、
雪ちゃんはせっかく狼らしさや狼の素質があったのに
それらを封印して人間社会に溶け込もうとする様子が
可哀想なように思いました。

小さい頃のまま、豪快で無邪気な雪ちゃんでいてほしかったような。

でも小説版おおかみこどもを読んで、雪は雪で最大限
「おおかみらしく生きる道」を選んだのではないかと思いました。


ニホンオオカミの血を受け継ぐ者は、作中で雨と雪二人しかいません。
ひょっとしたら、どこかに正体を隠したおおかみ人間や、
山奥に隠れ住む狼がいるかもしれませんが、きっと二人とも最後まで
自分たち以外のニホンオオカミと出会うことはないと思います。

その状況の中で雨は「狼」として生きる道を選びました。
ということは、雨は……。

他の種類の野生動物と出会ったり
仲良くなったりすることはあるかもしれませんが、
たった一頭の狼として、生きていくことになるんですね。


一方の雪は、人間である部分を生かして、人間として生きようとします。

でもオオカミといえば群れ社会ですね。
ニホンオオカミは小規模な群れで活動していたと聞いたのですが
大規模であれ小規模であれ、仲間たちと共に生きていく
社会性のある動物のようです。

だから雪は、人間の「群れ」で生きることを選んだのかもしれません。


一頭だけで生きてゆく雨は、
元のニホンオオカミとは違う生き方をすることになります。
絶滅寸前の彼はもう、群れをなすことはできず、
元のニホンオオカミには戻れません。

ひょっとしたら、群れの中で協調性や社会性を学び、
協力しあって生きてゆく雪の方が、
狼らしい生き方を選んだのかもしれません。
合わせるのが人間の社会であれ狼の社会であれ、
群れの一員として生きることに意味を見出したのかもしれません。


……そんなことを感じさせる文が、ところどころにありました。

実際雨や雪や細田守監督がどう考えたかは分かりませんが、
私は映画であんまり雪や雨の気持ちを推し量れなかったので、
小説版を読んだことで二人の新たな一面を見られたような気がしました。


作中で雨と雪が大喧嘩をするシーンがあり、
「人間」か「おおかみ」かで主張を戦わせますが
結局お互いを認め合いますね。

人として生きるのも狼を選ぶのも両方正解で、
でもあるいはもう、真の正解はないのかもしれません。
二人は無言だったけれど、「おおかみこども」であるという使命を背負って
狼一族の今までやこれからについて、色々考えたのかもしれません。

人間として生きる道を選んだことが狼らしさかも、なんて言い出したら
何が人間らしさで、何が狼らしさなんだって話になりますが……。
同じように自分の素質を生かそうとしても、違う道を選ぶこともある。
そしてどこにも、間違った道はない。そんな話のように思えました。


なかなか花や雪、雨、おおかみおとこの彼のように
まっすぐに生きることができませんが、その姿勢を見習いたいです。
そしてこの作品では多くが語られないぶん色々と想像することができ、
多分人によって違った解釈が生まれますね。そこが魅力だと思います。

ということで今回は「おおかみこどもの雨と雪」の感想ブログでした。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
もし宜しければ、こちらのブログもご覧ください。

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