2017年09月23日
プリンスグロリアS41D-1
どうもです。
前回までは初めて買った車であるスバル360と、その後に購入したカローラレビンTE27について書きましたが、今回はその後三台目にあたる「プリンスグロリアS41」について書いていきたいと思います。
スバル360を購入して2年ほど経過した頃、レビンを購入してからだと1年くらいでしょうか?
そのとき私は、雑誌『オールドタイマー』の売買欄にこのグロリアを見つけて一人興奮しておりました。
特に記載はされていなかったのですが、どうも掲載されている写真を良く見ると地元のシングルナンバーが付いているのです。これはもう気になってしまい、数日後には売り主さんへ電話をしていました。
・・・いつかはプリンス。
自分の大きな夢でしたが、もう一つの夢がいつかはシングルナンバーの付いた車を所有する、でした。
今回見つけてしまった?このグロリアはまさに二つの夢が同時に叶ってしまいそうな大チャンスでした。
で、相手の方に電話をして、まずはシングルナンバーのことを聞いてみると、やはり地元のシングルナンバー付です。
しかし、既に何人か問い合わせが来ていると言われて内心焦りました。
しかし、ここは冷静に、「自分は同じエリアに住んでいるのでナンバーの継続が出来ます!」
という事をアピールしてまずはクルマを見せていただく約束を取り付けました。
数日後の週末の休みの日、約束の場所でドキドキしながら相手の到着を待っていると・・・しばらくして、交差点をゆっくり曲がってこちらに向かってくるグロリアが視界に入ってきました。
・・・うっかり失禁しそうになるくらい興奮したのは言うまでもありません。
で、浮き足立っている自分を必死に抑えつつ、挨拶もそこそこに早速現車のチェックです。
一回りして見たところ、外観はこれといって大きな傷も無く、古いクルマの割には手入れもしっかり行き届いているようで綺麗な車でした。
もちろん細かい傷や小さな凹み等はありましたが、内装も含めてかなりの上物に見えます。
ざっとですが、その場で一通りチェックした後、場所を移して車の少ないところまで移動をしてから、実際にハンドルを握らせてもらえることになり、憧れのグロリアを初体験。
初めて乗った感想を一言で言うと、『高級車』
今まで旧車というとスバルとレビンしか知らない自分には、グロリアの走りはまさに高級車の走りでした。
クッションは柔らかく、エンジンもスムースで白いハンドルとベンチシートが優雅さを感じさせてゆったりした時間が流れているような錯覚さえ覚える感じ。
たぶん、終始ニヤニヤしていたであろう試乗時間はあっという間に終了しました。
試乗後も暫くはオーナーさんとその場で車について色々と話をさせていただき、どうにか譲っていただける方向に話は決まりつつありましたが、この時点でまだ購入資金の目処は立っていませんでした。
当時でも決して安くはない売却希望金額を即金で用意する事は当時の自分には不可能でした。
まあ、今でも絶対無理ですけど。
それでも何とかしてこのグロリアを自分のものにしたい一心で、その時必死になって考えた方法が、
「一度知り合いのお店に売却してもらい、それを自分がお店から購入する」
という方法でした。
要するにクルマ屋さんに仲介してもらったわけです。
オーナーさんには了承を戴いたので以前スバルでお世話になった「カーサービス」に相談すると快く対応してもらえたので、何とか無事グロリアを購入する事が出来たのでした。
まあ、幸いな事に夢だったクルマが自分の物になったわけですけれど、この後は嬉しくも厳しい現実が待っているのでありました(要するに長いローン地獄が待っているのであった・・・)
ここで少し詳しくプリンス時代のグロリアについての解説をしたいと思います。
元々、初代グロリアBLSIP-1は1959年2月にスカイラインの上級車種として追加されたもので、エンジンがスカイラインのGA30型1500ccOHVエンジンに対し、GB30型1900ccOHVエンジン(80PS)を搭載しており、外装や装備品などスカイラインよりも豪華に仕立てられていました。
ちなみにスカイラインはALSID(デラックス)、ALSIS(スタンダード)になります。(BLSIグロリアにスタンダードは存在しない)
ALSI=1500ccエンジン搭載
BLSI=1900ccエンジン搭載
と覚えると分かりやすいです。
スカイラインもその後のマイナーチェンジで1900ccエンジンを搭載して型式がBLSID(デラックス)に変わります。
但し、レギュラーガソリン仕様の為圧縮比が低く、最高出力は91PSとなっていました。(このときのグロリア用は94PS)
当時はまだ小型自動車の排気量上限が1500ccまでだったため、発売当初は普通車区分になり3ナンバーでした。
翌1960年9月には、排気量上限が2000ccまで拡大されたために晴れて5ナンバーとなりますが、その間1960年2月には最初のマイナーチェンジを行い(BLSIP-2) ヘッドライトは2灯から4灯になり、リア周りも丸い砲弾型テールランプになり大きなテールフィンも付いて、より豪華で派手になります。
1961年2月には主にエンジンの変更(80PS→94PS)に伴うマイナーチェンジを行い型式もBLSIP-3となります。
エンジン呼称もGB4と変わります。
外観はホイールキャップが変わり、グリルに「PRINCE」と一文字ずつ独立して付いていたのがボンネットの小さな「Prince」バッジになった程度ですが、内装はシート生地などが変わりだいぶイメージが違います。
その後、1962年9月には「S40D-1グロリアデラックス」にモデルチェンジをするのです。
エンジンはBLSIPグロリアと同じ1900ccでしたが、この年に行われた車両型式とエンジン型式の名称変更によりG2と名称が変わっています。(性能的には変わらず)
ちなみにこの時、殆どの車種は相前後してマイナーチェンジや小変更を行い、型式変更を実施しているのですが、一部車種は継続生産だったため、殆ど変更の無いままエンジンルーム内のプレートの型式のみ切り替わっている場合があります。
例 スカイラインスポーツ 変更前BLRA-3 変更後→R21A(B) (Bはコンバーチブル)
翌63年6月には待望のSOHC6気筒のG7エンジン(105PS)搭載の「スーパー6」が追加されます。
型式は4気筒のS40D-1に対してS41D-1となり、発売当時は国産唯一のSOHC2000cc6気筒エンジン搭載車でした。
外観はフロントグリルの「Prince」バッジの横に「6」のバッジが追加され、サイドのエンブレムも「GloriaDeluxe」から「GloriaSuper6」に変更。
トランクリッドの「Prince」バッジの横にも「6」が追加されました。
リアには新たにステンレス製のガーニッシュが追加され煌びやかさが増しました。
細かいところでは、サイドモールの内側が白塗装からコルゲート模様に変更されているのですが、最初のカタログの見開きの写真の車を見るとS40D-1のサイドモールがついています。
よく見るとタイヤもホワイトウォールタイヤの内側を黒く塗り、ホワイトリボンに見せかけているので(笑)、もしかするとデラックスのエンブレムのみスーパー6用に交換した撮影用の間に合わせ車なのかもしれません。
最初期のカタログの見開き写真のアップ
ホワイトリボンの内側、艶も違うし縁がヘロヘロしてますね(笑)
41Dのモール部のアップ
本来はこっちが正規のもの
好きな車なのでまだまだ続きますが、長くなったので今回はここまで
ではまた
前回までは初めて買った車であるスバル360と、その後に購入したカローラレビンTE27について書きましたが、今回はその後三台目にあたる「プリンスグロリアS41」について書いていきたいと思います。
スバル360を購入して2年ほど経過した頃、レビンを購入してからだと1年くらいでしょうか?
そのとき私は、雑誌『オールドタイマー』の売買欄にこのグロリアを見つけて一人興奮しておりました。
特に記載はされていなかったのですが、どうも掲載されている写真を良く見ると地元のシングルナンバーが付いているのです。これはもう気になってしまい、数日後には売り主さんへ電話をしていました。
・・・いつかはプリンス。
自分の大きな夢でしたが、もう一つの夢がいつかはシングルナンバーの付いた車を所有する、でした。
今回見つけてしまった?このグロリアはまさに二つの夢が同時に叶ってしまいそうな大チャンスでした。
で、相手の方に電話をして、まずはシングルナンバーのことを聞いてみると、やはり地元のシングルナンバー付です。
しかし、既に何人か問い合わせが来ていると言われて内心焦りました。
しかし、ここは冷静に、「自分は同じエリアに住んでいるのでナンバーの継続が出来ます!」
という事をアピールしてまずはクルマを見せていただく約束を取り付けました。
数日後の週末の休みの日、約束の場所でドキドキしながら相手の到着を待っていると・・・しばらくして、交差点をゆっくり曲がってこちらに向かってくるグロリアが視界に入ってきました。
・・・うっかり失禁しそうになるくらい興奮したのは言うまでもありません。
で、浮き足立っている自分を必死に抑えつつ、挨拶もそこそこに早速現車のチェックです。
一回りして見たところ、外観はこれといって大きな傷も無く、古いクルマの割には手入れもしっかり行き届いているようで綺麗な車でした。
もちろん細かい傷や小さな凹み等はありましたが、内装も含めてかなりの上物に見えます。
ざっとですが、その場で一通りチェックした後、場所を移して車の少ないところまで移動をしてから、実際にハンドルを握らせてもらえることになり、憧れのグロリアを初体験。
初めて乗った感想を一言で言うと、『高級車』
今まで旧車というとスバルとレビンしか知らない自分には、グロリアの走りはまさに高級車の走りでした。
クッションは柔らかく、エンジンもスムースで白いハンドルとベンチシートが優雅さを感じさせてゆったりした時間が流れているような錯覚さえ覚える感じ。
たぶん、終始ニヤニヤしていたであろう試乗時間はあっという間に終了しました。
試乗後も暫くはオーナーさんとその場で車について色々と話をさせていただき、どうにか譲っていただける方向に話は決まりつつありましたが、この時点でまだ購入資金の目処は立っていませんでした。
当時でも決して安くはない売却希望金額を即金で用意する事は当時の自分には不可能でした。
まあ、今でも絶対無理ですけど。
それでも何とかしてこのグロリアを自分のものにしたい一心で、その時必死になって考えた方法が、
「一度知り合いのお店に売却してもらい、それを自分がお店から購入する」
という方法でした。
要するにクルマ屋さんに仲介してもらったわけです。
オーナーさんには了承を戴いたので以前スバルでお世話になった「カーサービス」に相談すると快く対応してもらえたので、何とか無事グロリアを購入する事が出来たのでした。
まあ、幸いな事に夢だったクルマが自分の物になったわけですけれど、この後は嬉しくも厳しい現実が待っているのでありました(要するに長いローン地獄が待っているのであった・・・)
プリンスグロリアS41とは
ここで少し詳しくプリンス時代のグロリアについての解説をしたいと思います。
元々、初代グロリアBLSIP-1は1959年2月にスカイラインの上級車種として追加されたもので、エンジンがスカイラインのGA30型1500ccOHVエンジンに対し、GB30型1900ccOHVエンジン(80PS)を搭載しており、外装や装備品などスカイラインよりも豪華に仕立てられていました。
ちなみにスカイラインはALSID(デラックス)、ALSIS(スタンダード)になります。(BLSIグロリアにスタンダードは存在しない)
ALSI=1500ccエンジン搭載
BLSI=1900ccエンジン搭載
と覚えると分かりやすいです。
スカイラインもその後のマイナーチェンジで1900ccエンジンを搭載して型式がBLSID(デラックス)に変わります。
但し、レギュラーガソリン仕様の為圧縮比が低く、最高出力は91PSとなっていました。(このときのグロリア用は94PS)
当時はまだ小型自動車の排気量上限が1500ccまでだったため、発売当初は普通車区分になり3ナンバーでした。
翌1960年9月には、排気量上限が2000ccまで拡大されたために晴れて5ナンバーとなりますが、その間1960年2月には最初のマイナーチェンジを行い(BLSIP-2) ヘッドライトは2灯から4灯になり、リア周りも丸い砲弾型テールランプになり大きなテールフィンも付いて、より豪華で派手になります。
1961年2月には主にエンジンの変更(80PS→94PS)に伴うマイナーチェンジを行い型式もBLSIP-3となります。
エンジン呼称もGB4と変わります。
外観はホイールキャップが変わり、グリルに「PRINCE」と一文字ずつ独立して付いていたのがボンネットの小さな「Prince」バッジになった程度ですが、内装はシート生地などが変わりだいぶイメージが違います。
その後、1962年9月には「S40D-1グロリアデラックス」にモデルチェンジをするのです。
エンジンはBLSIPグロリアと同じ1900ccでしたが、この年に行われた車両型式とエンジン型式の名称変更によりG2と名称が変わっています。(性能的には変わらず)
ちなみにこの時、殆どの車種は相前後してマイナーチェンジや小変更を行い、型式変更を実施しているのですが、一部車種は継続生産だったため、殆ど変更の無いままエンジンルーム内のプレートの型式のみ切り替わっている場合があります。
例 スカイラインスポーツ 変更前BLRA-3 変更後→R21A(B) (Bはコンバーチブル)
翌63年6月には待望のSOHC6気筒のG7エンジン(105PS)搭載の「スーパー6」が追加されます。
型式は4気筒のS40D-1に対してS41D-1となり、発売当時は国産唯一のSOHC2000cc6気筒エンジン搭載車でした。
外観はフロントグリルの「Prince」バッジの横に「6」のバッジが追加され、サイドのエンブレムも「GloriaDeluxe」から「GloriaSuper6」に変更。
トランクリッドの「Prince」バッジの横にも「6」が追加されました。
リアには新たにステンレス製のガーニッシュが追加され煌びやかさが増しました。
細かいところでは、サイドモールの内側が白塗装からコルゲート模様に変更されているのですが、最初のカタログの見開きの写真の車を見るとS40D-1のサイドモールがついています。
よく見るとタイヤもホワイトウォールタイヤの内側を黒く塗り、ホワイトリボンに見せかけているので(笑)、もしかするとデラックスのエンブレムのみスーパー6用に交換した撮影用の間に合わせ車なのかもしれません。
最初期のカタログの見開き写真のアップ
ホワイトリボンの内側、艶も違うし縁がヘロヘロしてますね(笑)
41Dのモール部のアップ
本来はこっちが正規のもの
好きな車なのでまだまだ続きますが、長くなったので今回はここまで
ではまた
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初めまして
スーパー6を直しておられるのですね。
部品に関しては通常のルートで探すのは現在かなり厳しいと思います。
私が購入した当時はまだ辛うじてカップ類やホース関係は手に入りましたが、今では殆どメーカーから出る物は無いと思います。
今なら旧車部品専門店や個人でパーツ販売をしている人から購入するか、旧車イベントで情報を得るしかないでしょう。
ただ、プリンス系は中々部品が無いのは確かで、もし出てきても高価な事が多いです。
それでもプリンス系のクラブ等で聞いてみると流用可能な部品を教えてくれたり、部品を持っている人を紹介してくれることもあるので良ければ一度旧車イベントに足を運んでみてはどうでしょうか?
グロリアの場合は詳しい人がいますので、知り合いになると色々と勉強になりますよ。
私、野口と申しますが今知人のプリンスグロリア スーパー6を個人で色々と整備をして乗り出しを考えているのですが、中々部品が出てこずネットを検索していた所このブログがあり読ませてもらって殆ど無知識の為、1型2型すら知らずこういう歴史の車だったのかと思いました。
部品入手で質問なのですがブレーキ関係のカップ、シール類、シュー等はどうなさいましたか?
どこか部品の入手できる所や流用等できる物がありましたら教えていただけると助かります。
またキャブのオーバーホールも考えているのですが、キット等あるのでしょうか?
聞いてばかりで申し訳ないのですが、宜しくお願いします。
今ある車種は2型だと思います。
野口