2021年10月17日
S41D グロリアスーパー6 1型2型の違いなどを解説 前編
どうもです。
関東地方は本日雨模様で気温が低かったです。
ようやく秋らしい気候になってきました。
個人的にはこのくらいの気温が過ごし易くて好きです。
さて、今回はスーパー6をメインに、グロリア系の1型2型の違いについて少し細かい所まで書いてみました。
好きな車種ですので何度も記事にしていますが、今までよりもより細かい部分について書いてみたのでだいぶ重箱の隅をつつくような内容になっているかと思います。
プリンスの第二世代グロリアのS4系は、1962年9月にまず4気筒1900ccのG2エンジン搭載のデラックス(S40D)が登場し、翌年の1963年6月に本命であるスーパー6(S41D)が登場したというのは既にご存じの通りです。
この2代目グロリアシリーズは大きく分けて前期型に当たる1型と後期の2型(S40Dは3型まで存在)に大別されますが、実際には型式の変わらない変更は多岐にわたり、外観上分かる変更のほかにも見た目では分からない変更まで含めるとかなりの項目になるので、全てを書くことはできませんが今回は自分の知っている範囲ではありますが解説してみたいと思います。
S41Dスーパー6を例にして主に書いてはいますが、それ以外のグレードでも共通の変更箇所は多数存在するので、文中で書いている事にはシリーズ共通の変更部分も多くあります。
しかし、その辺りに関してはちょっと分かり難い書き方になってしまっているかもしれません。
まず外観上で良くわかる変更はフロントグリルのメッシュの細かさとルーフモールの太さの違いです。
ただしグリルは途中から変更・・・参考までに:〜S40D-16615【2型】、〜S41D-15273【1型】、〜S40S-4670【1型】、〜S41S-325【1型】、〜V43A-344【1型】までが細かいグリル・・・されたので、この部分だけで1型か2型の判断は出来ません。
※但し、64年度版パーツリストでは上記の番号までとなっているのですが、66年度版になると何故かスペシャルはS40S-4280までに、6はS41S-344までにと変わっています。
同じく6ワゴンもV43A-410までに変わっており、どちらの適用車番が正しいのかは検証が必要です。
グランドは元々プレス打ち抜きではなくダイキャスト製の全く別物です。
余談ですがそのために腐食してブツが出来易いです。
グリルセンターに付く「P」マークも1型途中まではベースと「P」部分が別体式のツーピース物でしたが、1型途中から一体型の別物となります。
フロントグリルの目の細かさとマークの作りの違い
汚いサンプル写真ですが、左は初版のカタログ写真からの抜粋で、右は65年式の1型後期の車両になります。
P部分まで一体なのが分かるでしょうか?
このパーツ、64年版パーツリストにはまだツーピース構造の物しかありませんが、66年度版になると一体型の部品しか掲載されておらず途中で廃止されたのかもしれません。
なので何時から変更されたのかは不明です。
因みに自分の所有していた65年式では一体型でした。
初期のツーピース構造の頃はP部分がアルミ製でピンク色のアルマイト仕上でしたが、グランドだけは金色仕上でした。
ルーフモールは2型になると1型に比べて細くなるので見分けるポイントになりますが、単体で見ると分かりにくいかもしれません。
手前が1型で奥が2型
ルーフモールの太さの違いが分かりますでしょうか?
他にフロントバンパー中央に1型はクランク棒が差し込めるように穴が開いているのですが、2型になると廃止され穴は無くなります。(上の写真で確認できますね)
他に分かりやすい箇所としては2型のみに装着されているフロントフェンダー横に付く「P」マークのバッジです。
これは1型には付きません。
このバッジは2型以降でもデラックス系のみの装備で、装着されていたのはS40Dデラックス(3型)、S41Dスーパー6、S44Pグランド、W41Aエステートの4車だけでした。
グリルやバンパーなどは後年交換されていることもある為あてにならないこともあるので、まずバッジの有無を見るのが簡単な見分け方になるでしょう。
逆に2型でもあえて外している(または紛失している)場合が無きにしも非ず。
他に細かい所ではフロントターンシグナルレンズの形状が1型はフロントからサイドに回り込んだL形のレンズ形状だったものが、2型の途中からレンズがサイドに回り込まず正面部分だけになりました。
左が1型から2型の途中(スーパー6の場合はS41DS-26300まで)までのもので、グロリアシリーズ全車共通で変更されます。
本来レンズが回り込んでいた側面のモール部分は埋まり、サイドからはウインカーが点滅しているのが分からない造りとなります。
その後ろに続くモール(フロントバンパーサイドに隠れるところ)も、元々スタンダード系には付いていなかったものですが後期になると廃止されています。
このバンパーに隠れている部品ですが、64年版のパーツリストを探してみたところ該当の部品が見つかりませんでした。
62年版のS40Dパーツリストか63年版のS41Dのパーツリストには記載があるのかもしれませんが手元にない為確認できず。
先ほどの写真を別の切り取り方をしたものですが、黒いのが先ほどのS41Dの1型で、ターンシグナルはサイドまで回り込んでいて、その先のバンパー裏までモールがありますが、左のグロリアはS41Dの2型でも割と後期の車両なのでターンシグナルは平面タイプ(分かり難いですが取付ネジが見える)で、バンパー裏側のモールがありません。
このタイプは上記の通り2型の途中からなので実際に見かけることは少ないです。
もっと細かいところをいえば、ウインドウウォッシャーのノズルが1型はボンネットフード真ん中の1か所から左右に飛ぶような作りでしたが、2型はフードではなく、ボンネットフードとガラスの間にあるスリット部分から左右別々にノズルが出ています。
上の写真に写っていますが、黒の1型のボンネットセンターモールのガラス側に丸く見えるのがウォッシャーノズルです。
あとS41Dの場合フロントグリルとトランクフード右についているPrinceのエンブレムの横に「6」と付いていれば1型です。
2型になると省略されてPrinceのみとなります。(デラックスやスタンダード系は元々Princeのみ)
※フロントグリルのPrinceエンブレムはスタンダード系には付きません。
リアガーニッシュも1型途中まではステンレス製でしたが、後期になると鉄の塗装仕上げに変更されます。
(S41DとS44Pのみの装備)
ミラーは本来オリジナルであれば1型2型を通じて同じ(通称殺人ミラー)なのですが、リコールで交換されたため現在ではオリジナルを装着している車は後年探し出して付け替えて元に戻している車であり数は少ないです。(リコール対象だったのでオリジナルミラーそのものが本来は残っていない)
目立たないところでは、リアバンパー下に足回りを隠すように小さなスカートが初期(S40D-16647、S41D-10474まで)のみ付いていました。
実際に後ろから見るとよくわかるのですが、これが付いていないと結構下回りが丸見えになってしまいます。
(スタンダード系はリアだけではなく、フロントバンパー下のスカートも最初から未装着)
リアバンパー下に見えるボディと同色のパネルがそれです
実はヘッドランプリムも1型と2型で違いがあり、1型は左右兼用でしたが2型になると見えない部分の面積を減らし左右作り分けるようになります。
具体的にはグリルに隠れる部分まであった本体のベロ部分をなくし、左右別部品となりました。
細かく見ると他にもあるのですが、キリがないのでこの辺で。
その他の違いについては長くなってしまったので次回に続きます。
ではまた
関東地方は本日雨模様で気温が低かったです。
ようやく秋らしい気候になってきました。
個人的にはこのくらいの気温が過ごし易くて好きです。
さて、今回はスーパー6をメインに、グロリア系の1型2型の違いについて少し細かい所まで書いてみました。
好きな車種ですので何度も記事にしていますが、今までよりもより細かい部分について書いてみたのでだいぶ重箱の隅をつつくような内容になっているかと思います。
プリンスの第二世代グロリアのS4系は、1962年9月にまず4気筒1900ccのG2エンジン搭載のデラックス(S40D)が登場し、翌年の1963年6月に本命であるスーパー6(S41D)が登場したというのは既にご存じの通りです。
この2代目グロリアシリーズは大きく分けて前期型に当たる1型と後期の2型(S40Dは3型まで存在)に大別されますが、実際には型式の変わらない変更は多岐にわたり、外観上分かる変更のほかにも見た目では分からない変更まで含めるとかなりの項目になるので、全てを書くことはできませんが今回は自分の知っている範囲ではありますが解説してみたいと思います。
S41Dスーパー6を例にして主に書いてはいますが、それ以外のグレードでも共通の変更箇所は多数存在するので、文中で書いている事にはシリーズ共通の変更部分も多くあります。
しかし、その辺りに関してはちょっと分かり難い書き方になってしまっているかもしれません。
外観上の違い
まず外観上で良くわかる変更はフロントグリルのメッシュの細かさとルーフモールの太さの違いです。
ただしグリルは途中から変更・・・参考までに:〜S40D-16615【2型】、〜S41D-15273【1型】、〜S40S-4670【1型】、〜S41S-325【1型】、〜V43A-344【1型】までが細かいグリル・・・されたので、この部分だけで1型か2型の判断は出来ません。
※但し、64年度版パーツリストでは上記の番号までとなっているのですが、66年度版になると何故かスペシャルはS40S-4280までに、6はS41S-344までにと変わっています。
同じく6ワゴンもV43A-410までに変わっており、どちらの適用車番が正しいのかは検証が必要です。
グランドは元々プレス打ち抜きではなくダイキャスト製の全く別物です。
余談ですがそのために腐食してブツが出来易いです。
グリルセンターに付く「P」マークも1型途中まではベースと「P」部分が別体式のツーピース物でしたが、1型途中から一体型の別物となります。
汚いサンプル写真ですが、左は初版のカタログ写真からの抜粋で、右は65年式の1型後期の車両になります。
P部分まで一体なのが分かるでしょうか?
このパーツ、64年版パーツリストにはまだツーピース構造の物しかありませんが、66年度版になると一体型の部品しか掲載されておらず途中で廃止されたのかもしれません。
なので何時から変更されたのかは不明です。
因みに自分の所有していた65年式では一体型でした。
初期のツーピース構造の頃はP部分がアルミ製でピンク色のアルマイト仕上でしたが、グランドだけは金色仕上でした。
ルーフモールは2型になると1型に比べて細くなるので見分けるポイントになりますが、単体で見ると分かりにくいかもしれません。
手前が1型で奥が2型
ルーフモールの太さの違いが分かりますでしょうか?
他にフロントバンパー中央に1型はクランク棒が差し込めるように穴が開いているのですが、2型になると廃止され穴は無くなります。(上の写真で確認できますね)
他に分かりやすい箇所としては2型のみに装着されているフロントフェンダー横に付く「P」マークのバッジです。
これは1型には付きません。
このバッジは2型以降でもデラックス系のみの装備で、装着されていたのはS40Dデラックス(3型)、S41Dスーパー6、S44Pグランド、W41Aエステートの4車だけでした。
グリルやバンパーなどは後年交換されていることもある為あてにならないこともあるので、まずバッジの有無を見るのが簡単な見分け方になるでしょう。
逆に2型でもあえて外している(または紛失している)場合が無きにしも非ず。
他に細かい所ではフロントターンシグナルレンズの形状が1型はフロントからサイドに回り込んだL形のレンズ形状だったものが、2型の途中からレンズがサイドに回り込まず正面部分だけになりました。
本来レンズが回り込んでいた側面のモール部分は埋まり、サイドからはウインカーが点滅しているのが分からない造りとなります。
その後ろに続くモール(フロントバンパーサイドに隠れるところ)も、元々スタンダード系には付いていなかったものですが後期になると廃止されています。
このバンパーに隠れている部品ですが、64年版のパーツリストを探してみたところ該当の部品が見つかりませんでした。
62年版のS40Dパーツリストか63年版のS41Dのパーツリストには記載があるのかもしれませんが手元にない為確認できず。
先ほどの写真を別の切り取り方をしたものですが、黒いのが先ほどのS41Dの1型で、ターンシグナルはサイドまで回り込んでいて、その先のバンパー裏までモールがありますが、左のグロリアはS41Dの2型でも割と後期の車両なのでターンシグナルは平面タイプ(分かり難いですが取付ネジが見える)で、バンパー裏側のモールがありません。
このタイプは上記の通り2型の途中からなので実際に見かけることは少ないです。
もっと細かいところをいえば、ウインドウウォッシャーのノズルが1型はボンネットフード真ん中の1か所から左右に飛ぶような作りでしたが、2型はフードではなく、ボンネットフードとガラスの間にあるスリット部分から左右別々にノズルが出ています。
上の写真に写っていますが、黒の1型のボンネットセンターモールのガラス側に丸く見えるのがウォッシャーノズルです。
あとS41Dの場合フロントグリルとトランクフード右についているPrinceのエンブレムの横に「6」と付いていれば1型です。
2型になると省略されてPrinceのみとなります。(デラックスやスタンダード系は元々Princeのみ)
※フロントグリルのPrinceエンブレムはスタンダード系には付きません。
リアガーニッシュも1型途中まではステンレス製でしたが、後期になると鉄の塗装仕上げに変更されます。
(S41DとS44Pのみの装備)
ミラーは本来オリジナルであれば1型2型を通じて同じ(通称殺人ミラー)なのですが、リコールで交換されたため現在ではオリジナルを装着している車は後年探し出して付け替えて元に戻している車であり数は少ないです。(リコール対象だったのでオリジナルミラーそのものが本来は残っていない)
目立たないところでは、リアバンパー下に足回りを隠すように小さなスカートが初期(S40D-16647、S41D-10474まで)のみ付いていました。
実際に後ろから見るとよくわかるのですが、これが付いていないと結構下回りが丸見えになってしまいます。
(スタンダード系はリアだけではなく、フロントバンパー下のスカートも最初から未装着)
リアバンパー下に見えるボディと同色のパネルがそれです
実はヘッドランプリムも1型と2型で違いがあり、1型は左右兼用でしたが2型になると見えない部分の面積を減らし左右作り分けるようになります。
具体的にはグリルに隠れる部分まであった本体のベロ部分をなくし、左右別部品となりました。
細かく見ると他にもあるのですが、キリがないのでこの辺で。
その他の違いについては長くなってしまったので次回に続きます。
ではまた
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おはようございます
グロリアの1型は大まかに分類をすれば前期後期と言う分け方が出来るのですが、厳密には生産途中に少しずつ細かい変更があったので何処までが前期でどこから後期、と言う区別があるわけでは無いです。
便宜上あのような記述をしていますが、メーカーとしては分類はしていないので、何をもって前期後期かと言うのはあくまでも個人的な見解であり、これは人によって違う考察をされている方もいらっしゃるかと思います。
S4系グロリアの2型の生産数は、スーパー6だけに限ると凡そ1型の4分の1程度の6千台前後では無いかと思いますが、残存数に関しては残念ながら分かりません。
S4系グロリアシリーズ全体の残存数も不明なので、それが分かると個人的には嬉しいのですが・・・
いつもありがとうございます!
今回はかなり細かいことを書いていますが、これでもまだ書ききれていないんですよね。
自分でも把握しきれていない部分や、書いても分かり難いところもあるので本当はまだあるんですがあれで止めています(笑)
近いうちに後編もアップする予定ですのでもう少しお待ちください。
もしかするとプリンス社報の更新のほうが早いかも・・・しれません。
待ってましたS4系グロリアの記事。細かくマイナーチェンジされているのですね。
理由は主にコストダウンだと思いますが、ここまで詳細に解説されているのはすごいです。
次回も楽しみにしています。