2018年05月05日
三菱ジュピタージュニア
どうもです。
皆さんゴールデンウィークは堪能してますか?
私は風邪を拗らせて咳が止まらず鼻水も止め処なく出てくるので大人しく自宅待機です(泣)
・・・さて、今回は三菱の商用車である「ジュピター」シリーズを取り上げたいと思います。
このクルマ、現在ではまず見かける事のないかなりレアなクルマになっています。
まあ旧い商用車やトラックなどは排ガス規制が厳しくなってからは急激に淘汰が進んでしまったので仕方ないのですが、数年前のお台場旧車天国にジュピタージュニアが参加していたので、珍しさもあって写真に収めさせて頂きました。
ジュピターシリーズ自体を見たのがその時初めてで、浮かれて写真を撮るだけで詳しい話をオーナーさんに聞きそびれてしまったんで(汗)
今回一応自分で調べてみました。
自分はプリンス系の資料ならば多少持ってはいるものの、残念ながら旧車全般の資料を揃えている訳ではないので今回あまり詳しい事は書けませんが、個人的な視点で勝手に語ってみたいと思います。
今回取り上げたジュピタージュニアは、ジュピターシリーズ末弟として1963年(昭和38年)4月に当時の新三菱重工業(元中日本重工業)から発売された2t積の小型トラックです。
形としては当時のプリンスマイラーやニッサンジュニア、トヨタスタウトなんかと同じボンネットタイプの運転席を持った乗用車的な形状をしていました。
特徴的なのはそのフロントマスクで、マイラーよりも角度のきつい吊り目がトレードマークでした。
エンジンは2000ccガソリンと2000ccディーゼルがあり、型式はガソリン仕様がT51でディーゼル仕様がT50となってました。
63年度版自動車ガイドブックより
ガソリン仕様のほうがディーゼル仕様より62,000円安いです。
同じ時期のジュピターシリーズラインナップ
同じく63年度版自動車ガイドブックからですが、2.5、3、3.5tのラインナップです。
このガイドブックに記載のものだと3トン積のものはエンジンがガソリンとなってますね。
途中65年度版にはダブルキャブタイプも登場しますが・・・
65年頃のジュピターシリーズラインナップ
ボンネットタイプに4灯ライトが新たに加わり、他にキャブオーバータイプが新登場してます。
一番下はふそうの4トン積T620
65年度版自動車ガイドブックより
その後、ジュピタージュニアは66年度版自動車ガイドブックの記載を最後に消えています。
おそらく66年度後半か67年度の半ばまでに生産は終了したものと思われます。
この間の64年には戦後の財閥解体で分割されていた三社(東日本重工業「三菱日本重工業」、中日本重工業「新三菱重工業」、西日本重工業「三菱造船」)を再合併して新たに三菱重工業が発足します。「」内は合併時の会社名
再合併時、三菱日本重工業は主に大型車(トラック・バス)の製造を請け負っており、新三菱重工業は主に小型車(軽自動車・乗用車・小型トラックなど)の製造を行ってました。
3社の合併により、生産車種の統廃合があったのでしょうか?
ジュピターシリーズそのものは1959年より続いた2トン以上4トン未満クラスの中型トラックで、当時このクラスは穴で、他メーカーは生産していなかった為重宝されました。
しかし、再合併後にはふそうの中型トラックシリーズと統合されて、まずはボンネットタイプが70年ごろまでに生産終了となります。
一番新しいキャブオーバー型のみ、ふそうシリーズに組み込まれて70年代半ばまで継続販売されました・・・
このジュピターシリーズでは今回取り上げたジュピタージュニアが一番短命だったんですよね。
今見るとアメ車っぽいデザインでカッコいいと思いますが(個人的にはむしろ同時期の三菱の乗用車よりカッコいいと思ってます)三菱ユーザーにはあまり受け入れられなかったのでしょうか?
他社のボンネット型2tトラックと比べても残存数は少ないと思います。
以前の旧車天国で見かけたジュピタージュニア
本来ボンネットに付く三菱のエンブレムが欠品なこと以外はかなり綺麗です
確かディーゼル車だったと思います・・・
今回写真を載せたこの個体は実働状態でしたのでかなり貴重だと思うんですよね。
最近は旧い商用車を維持(特にナンバーつきで所有)するには条件が相当厳しいので、オーナーさんも苦労されていると思います。
でもそんな苦労をしている方がいるお陰でこちらは貴重なクルマに出会えるわけなので、オーナーさんは大変でしょうがどうか頑張って維持していただければありがたいです。
ではまた。
皆さんゴールデンウィークは堪能してますか?
私は風邪を拗らせて咳が止まらず鼻水も止め処なく出てくるので大人しく自宅待機です(泣)
・・・さて、今回は三菱の商用車である「ジュピター」シリーズを取り上げたいと思います。
このクルマ、現在ではまず見かける事のないかなりレアなクルマになっています。
まあ旧い商用車やトラックなどは排ガス規制が厳しくなってからは急激に淘汰が進んでしまったので仕方ないのですが、数年前のお台場旧車天国にジュピタージュニアが参加していたので、珍しさもあって写真に収めさせて頂きました。
ジュピターシリーズ自体を見たのがその時初めてで、浮かれて写真を撮るだけで詳しい話をオーナーさんに聞きそびれてしまったんで(汗)
今回一応自分で調べてみました。
自分はプリンス系の資料ならば多少持ってはいるものの、残念ながら旧車全般の資料を揃えている訳ではないので今回あまり詳しい事は書けませんが、個人的な視点で勝手に語ってみたいと思います。
今回取り上げたジュピタージュニアは、ジュピターシリーズ末弟として1963年(昭和38年)4月に当時の新三菱重工業(元中日本重工業)から発売された2t積の小型トラックです。
形としては当時のプリンスマイラーやニッサンジュニア、トヨタスタウトなんかと同じボンネットタイプの運転席を持った乗用車的な形状をしていました。
特徴的なのはそのフロントマスクで、マイラーよりも角度のきつい吊り目がトレードマークでした。
エンジンは2000ccガソリンと2000ccディーゼルがあり、型式はガソリン仕様がT51でディーゼル仕様がT50となってました。
63年度版自動車ガイドブックより
ガソリン仕様のほうがディーゼル仕様より62,000円安いです。
同じ時期のジュピターシリーズラインナップ
同じく63年度版自動車ガイドブックからですが、2.5、3、3.5tのラインナップです。
このガイドブックに記載のものだと3トン積のものはエンジンがガソリンとなってますね。
途中65年度版にはダブルキャブタイプも登場しますが・・・
65年頃のジュピターシリーズラインナップ
ボンネットタイプに4灯ライトが新たに加わり、他にキャブオーバータイプが新登場してます。
一番下はふそうの4トン積T620
65年度版自動車ガイドブックより
その後、ジュピタージュニアは66年度版自動車ガイドブックの記載を最後に消えています。
おそらく66年度後半か67年度の半ばまでに生産は終了したものと思われます。
この間の64年には戦後の財閥解体で分割されていた三社(東日本重工業「三菱日本重工業」、中日本重工業「新三菱重工業」、西日本重工業「三菱造船」)を再合併して新たに三菱重工業が発足します。「」内は合併時の会社名
再合併時、三菱日本重工業は主に大型車(トラック・バス)の製造を請け負っており、新三菱重工業は主に小型車(軽自動車・乗用車・小型トラックなど)の製造を行ってました。
3社の合併により、生産車種の統廃合があったのでしょうか?
ジュピターシリーズそのものは1959年より続いた2トン以上4トン未満クラスの中型トラックで、当時このクラスは穴で、他メーカーは生産していなかった為重宝されました。
しかし、再合併後にはふそうの中型トラックシリーズと統合されて、まずはボンネットタイプが70年ごろまでに生産終了となります。
一番新しいキャブオーバー型のみ、ふそうシリーズに組み込まれて70年代半ばまで継続販売されました・・・
このジュピターシリーズでは今回取り上げたジュピタージュニアが一番短命だったんですよね。
今見るとアメ車っぽいデザインでカッコいいと思いますが(個人的にはむしろ同時期の三菱の乗用車よりカッコいいと思ってます)三菱ユーザーにはあまり受け入れられなかったのでしょうか?
他社のボンネット型2tトラックと比べても残存数は少ないと思います。
以前の旧車天国で見かけたジュピタージュニア
今回写真を載せたこの個体は実働状態でしたのでかなり貴重だと思うんですよね。
最近は旧い商用車を維持(特にナンバーつきで所有)するには条件が相当厳しいので、オーナーさんも苦労されていると思います。
でもそんな苦労をしている方がいるお陰でこちらは貴重なクルマに出会えるわけなので、オーナーさんは大変でしょうがどうか頑張って維持していただければありがたいです。
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1960年頃のアメリカ車クライスラー300Cを思わせる吊り目四灯の顔つき、最高速度120km/hの高性能など当時メーカー側では「トラック1台しか持てない自営業者にも、乗用車が持つ華やかな生活の夢を与えたい」姿勢がにじみ出ておりそこは感涙モノではないでしょうか。
事実当時の同クラスのトラック=ニッサンジュニア、トヨタのスタウト、或いはダイハツF175にも「休日はドライブに」という文言が踊っており、まさに世相を感じさせてくれるものです。
ジュピタージュニアはそれらの中でも、甲高い高周波のエンジン音、スリムな平面基調のキャブスタイルなどアクティブな走り志向のキャラクターが素敵だと感じられますが如何でしょうか。
返信がおそくなりました。
コメントありがとうございます。
昭和の旧車はやはり独特の存在感があると思っています。
しかし、トラックや商用車は中々維持するのが大変なので、所有されている方々には是非とも頑張っていただきたいと思います!
日産のジュニアは今でも稀に見ることはありますが、三菱のジュピタージュニアは正に「激レア」車ですよ。
宜しければまた見に来てください。
なかでも、トラックは日本の高度成長時代を象徴する乗り物だと思います!
三菱のジュニアは存じ上げませんでしたね!
日産ジュニアトラックは本日付けのカーセンサー にも記載されていまして驚きました!
トラックがやはり酷使され消え行く中、現存車の価値がこれからもっと上がっていくのでしょうね。
コメントありがとうございます。
ジュピタージュニアは確かにクライスラー系の顔をしていますね。
当時の三菱は乗用車系はどちらかというと野暮ったいデザインの車が個人的には多いと思っていますが、商用系は割とクセはありますが好きなデザインの車がいくつかあります。
冗談抜きにジュピタージュニアのデザインは当時の三菱車の中ではピカイチではないかと密かに思っている次第です。