2012年07月08日
バイエル社のエバミールについて
成分名はロルメタゼパム。ロラメットという商品も同じです。
エバミールちゃんは意外にもベンゾジアゼピンの中でも優秀な子だったりします。
以下,その理由です。
エバミール錠1.0 は米国ワイス社(現ファイザー社)で合成され
たベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、強い鎮静作用、抗不安作用、
睡眠増強作用および抗けいれん作用と比較的弱い
筋弛緩作用を示し、約10 時間の消失半減期を有する。
本剤は、1975 年にドイツ連邦共和国においてシエーリングAG
(現バイエル・シエーリング・ファーマ社)とワイス社との共同開発が開始され、
各種臨床試験を経て、1980 年に承認された。
本邦においては、1980 年より前臨床試験を、1981 年より臨床試
験を開始した。その結果、本剤の睡眠導入剤としての有効性と安全性が認められ、
1990 年に承認を得て発売に至った。
(1) 健常者を対照とした第T相試験の終夜睡眠ポリグラフィーによ
る各睡眠段階を科学的に検討した結果、本剤はレム睡眠、
ノンレム睡眠への影響が少なく生理的に自然な睡眠パターンを
導入した。
(2) 不眠症患者を対象とした精神科、神経科、心療内科・内科領域
の第V相二重盲検試験の結果、本剤は従来使用されている製剤
と同様、優れた睡眠改善効果が認められた。また、本剤は各種
不眠症(入眠障害、熟眠障害、中途・早朝覚醒)に対しも有効
性が認められた。国内で実施された不眠症患者を対象とした
本剤の臨床試験(990 例)の改善率は83%であった。(やや改善
を含む)
(3) 本剤は製剤学的特性としてω1受容体への選択性が高く、
筋弛緩作用が弱い。(ラット、マウス)
(4) 本剤は肝の代謝過程においてグルクロン抱合化が行われ、肝
薬物代謝酵素による代謝を受けないベンゾジアゼピン系睡眠剤である。
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ぱっと見,弱点が見当たりませんね(^^;)
ω1受容体への選択性が高い,ってことは筋弛緩作用が弱いので
高齢者にとっては,夜間の排尿時などにフラつき・転倒のリスクが少ないってことで
マイスリーやアモバン,ルネスタがω1受容体への選択性が高いことで有名ですが
エバミールなんですね!
個人的には,寝起きが弱いタイプなので
半減期が10時間よりもう少し短かったら最高だのですが,
まぁ,今のままの性質でも十分優良な薬ですね。
といっても処方するお医者は少ないのかな?
どちらかと言えばマイナーなほうでしょうか?
あと,ハルシオンやロヒプノールやベゲタミンが好きな人は
物足りないでしょうね
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