2011年10月02日
ロナセン(ブロナンセリン)について
ロナセンは非定型精神病治療薬として
2008年1月に厚生労働省から販売承認を受け、
4月よりロナセン®という商品名で販売されたお薬です。
薬価は2mg錠で1錠あたり77.3円。
治療量の1日8mg服用したら
77.3×4=309.2円
3割負担だと100円/dayくらいなのでコストは中ランクですね。
ただし,MAXの24mgの服用だとかなり高負担ですね^^;
同じく非定型精神病治療薬のリスパダールやルーランは、ドパミンD2受容体遮断作用よりもセロトニン5-HT2受容体遮断の方が強いのでSDA(セロトニン−ドパミン遮断薬)ですが、ロナセンはドパミンD2受容体遮断作用の方が強いDSA(ドパミン−セロトニン遮断薬)と言われています。
ロナセンは注意する点が食事の影響を受けやすいところです。
空腹時はAUC(吸収される薬の量)が約40%まで低下しますので、必ず食後に服用するよう指導します。
D2ブロックーなので錐体外路症状(EPS)の振戦などは比較的でやすく,
ドパミン遮断の作用により,食欲が増え,体重増加の副作用がでやすいようです。
中には20kgくらい太る人もいます。
(なお,ジプレキサはもっと太りやすい薬と言われています。)
その場合,薬を中止するわけにもいかないので,
食事・運動療法をするのが一般的な治療法となります。
アカシジアなどのEPSがでたら中枢性抗コリン薬のアキネトン・アーテンなどをもらいましょう。
睡眠に対する影響は,どちらかというと不眠のほうがでやすく,
吐き気や便秘などの症状もよく見られます。
不眠がでやすいのでベンゾジアゼピンを併用する方がほとんどです。
薬漬けにならないようには注意したいところです。
薬の切れ味は,人によって大きく違うのですが
リスパダール,エビリファイ,ジプレキサ,ルーランに比べて
著効する人も多く,基本的には使いやすい薬と思ってます。
他の薬と同様に血糖値に影響することがあるので
定期的にヘモグロビンA1c(HbA1c)を検査してもらいましょう。
あと,リスパダールに比べて性機能障害(射精障害)は少ないみたいなので
リスパダールでこれに困ってる方は変えてもらってみてはいかがでしょう。
私の印象だと,用量依存性が少なく,効く人には2-4mgでも効く薬な気がします。
ただし,重症の方には効きにくく(リスパダールより鎮静作用が弱い)
軽度−中程度の統合失調症及びメンタル関連疾患の人にオススメするお薬です。
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