2011年06月27日
意外と知らない抗不安剤の作用の強さの順序
催眠剤や抗不安剤は基本的に,半減期の長さで分類されています。
その一例が次のようなものです。
超短時間作用型
・マイスリー(ゾルピデム*)
・アモバン(ゾピクロン*)
・ハルシオン(トリアゾラム)
短時間作用型
・レンドルミン(ブロチゾラム*)
・ロラメット,エバミール(ロルメタゼパム)
・リスミー(リルマザホン)
中時間作用型
・ロヒプノール,サイレース(フルニトラゼパム)
・ベンザリン,ネルボン(ニトラゼパム)
・ユーロジン(エスタゾラム)
・エリミン(ニメタゼパム)
長時間作用型
・ドラール(クアゼパム)
・ダルメート,ベノジール(フルラゼパム)
・ソメリン(ハロキサゾラム)
(↑括弧内は一般名,全て不眠症に適応あり)
*非ベンゾジアゼピン系
でも,意外の載っていないのが抗不安作用の強さ(力価)
同じ半減期でも,抗不安作用の強さは異なるものです。
適当に眠剤を処方する医師は,睡眠障害を
T.入眠障害タイプ
U.中途覚醒タイプ
V.早朝覚醒タイプ
W.睡眠障害タイプ
に分けることで処方薬を決めています,
プロの精神科医,心療内科医はちゃんと抗不安作用の強弱を考えて処方しています。
抗不安剤の抗不安作用の強弱は以下のとおりです。
弱
↑
| グランダキシン(トフィソパム) :短
| リーゼ(クロチアゼパム) :短
| セレナール(オキサゾラム) :長
| レスミット(メダゼパム) :長
| バランス,コントール(クロルジアゼポキシド) :長
| コレミナール(フルタゾラム) :短
| コンスタン,ソラナックス(アルプラゾラム) :中
| セルシン,ホリゾン(ジアゼパム) :長
| エリスパン(フルジアゼパム) :長
| セダプラン(プラゼパム) :超長
| メンドン(クロラゼプ酸) :長
| メレックス(メキサゾラム) :長
| メイラックス(ロフラゼプ酸エチル) :超
| デパス(エチゾラム) :短
| ワイパックス(ロラゼパム) :中
| レキソタン(ブロマゼパム) :中
| レスタス(フルトラゼパム) :超長
| クロキサゾラム(セパゾン) :長
| クロナゼパム(ランドセン,リボトリール) :長
↓
強
ベンゾジアゼピン系は本当にたくさんありますね^^;
ちなみに5-HT1A(セロトニン受容体のサブタイプ)作動薬をして
知られる短時間作用型の抗不安薬のセディール錠(成分名:タンドスピロン)の
作用の強さは中程度とされています,
この中から一番合ったものを探すわけですから,
医師とのカウンセリングはとっても重要になるわけです。
あとは,薬物に依存してしまうことを気をつければ,
これらの薬は現代のストレス過多の人々にとっては
QOL改善につながる素晴らしい良薬です。
参考までに......
睡眠障害対処の12の指針
1)睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
歳をとると必要な睡眠時間は短くなる
2)刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
3)眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
4)同じ時刻に毎日起床
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じるい
日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
5)光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
夜は明るすぎない照明を
6)規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
運動習慣は熟睡を促進
7)昼寝をするなら、15時前の20〜30分
長い昼寝はかえってぼんやりのもと
夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
8)眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
9)睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要
10)十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
車の運転に注意
11)睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
12)睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就床
アルコールとの併用をしない
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