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【解答・解説】97回薬剤師国家試験(薬理-必須問題)

【解答・解説】97回薬剤師国家試験(薬理-必須問題)

【問1】
解答5
 50%致死量(LD50)を50%有効量(ED50)で除した値(LD50/ED50)を安全域(治療係数)といい、薬物安全性の指標となる。なお、致死量と有効量の幅が大きく、この値が大きい薬物ほど、安全性の高い薬物といえる。

【問2】
解答1
競合的アンタゴニスト(拮抗薬)存在下では、最大反応が一定のままアゴニスト(作動薬)の用量‐反応曲線は高濃度側(右側)へ平行移動する。なお、非競合的アンタゴニスト存在下ではアゴニストの最大反応が低下し、また、協力作用を示す薬物の存在下では、最大反応が一定のままアゴニストの用量‐反応曲線は低濃度側(左側)に平行移動する。

【問3】
解答2
アトロピンは、抗コリン薬であり、唾液腺のムスカリン性アセチルコリンM3受容体を遮断し、唾液分泌を抑制する。なお、抗コリン作用により、瞳孔括約筋の収縮抑制に伴う散瞳作用、消化管運動の抑制作用、胃酸分泌抑制作用及び子宮平滑筋の収縮抑制作用を示す。

【問4】
解答4
スキサメトニウムは、神経筋接合部終板のニコチン性アセチルコリンNM受容体に対しアゴニスト活性を示す脱分極性筋弛緩薬であり、筋終板の持続的脱分極をおこし、一過性の筋収縮ののちに筋弛緩作用を示す。なお、パンクロニウム、ベクロニウムは競合的筋弛緩薬、ダントロレンは興奮‐収縮連関を抑制する筋弛緩薬、A型ボツリヌス毒素は運動神経からのアセチルコリン遊離を抑制する筋弛緩薬である。

【問5】
解答3
フェンタニルは、麻薬性鎮痛薬であり、延髄網様体のオピオイドμ受容体を刺激して下行性痛覚抑制系神経を活性化するとともに、脊髄後角のオピオイドμ受容体に対する直接的な抑制作用により上行性の痛覚伝導を抑制し、鎮痛作用を示す。なお、フェンタニル自身の作用持続時間は短いが、フェンタニルの貼付剤では、作用持続時間は長くなる。

【問6】
解答5
バルプロ酸は、GABAトランスアミナーゼを阻害し、GABAの分解を抑制して中枢内GABA濃度を上昇させ、間接的にGABAA受容体機能を亢進し、Cl−チャネルを開口させ抗てんかん作用を示す。なお、カルバマゼピン及びフェニトインはNa+チャネル遮断、ジアゼパムはGABAA受容体‐Cl−チャネル複合体のベンゾジアゼピン結合部位に作用してCl−チャネル開口、エトスクシミドはT型  Ca2+チャネル遮断により抗てんかん作用を示す。

【問7】
解答1
ドブタミンは、アドレナリンβ1受容体刺激薬であり、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ(AC)を活性化し、細胞内cAMP濃度の上昇及びプロテインキナーゼAの活性化を介して強心作用を示す。なおAC活性化薬としてコルホルシンダロパート、ホスホジエステラーゼ阻害作用を示す薬物としてアミノフィリン、ミルリノン、ピモベンダンなどがある。ムスカリン性アセチルコリンM2受容体はドブタミンの強心作用には関係しない。

【問8】
解答4
ジルチアゼムは、膜電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断し、細胞内へのCa2+流入抑制により冠動脈を拡張させる。また、心筋のCa2+チャネル遮断により心筋収縮力と心拍数を低下させる。なおニトログリセリン、硝酸イソソルビドはNO遊離に伴う血管拡張作用、ジピリダモールは血中アデノシン量増加に伴う血管拡張作用、アルプレノロールはアドレナリンβ1受容体遮断による心機能抑制作用を示す。

【問9】
解答2
ループ利尿薬は、ヘンレ係蹄上行脚でのNa+‐K+‐2Cl−共輸送系を抑制し、尿の濃縮を抑制して利尿作用を示す。なお、チアジド系利尿薬は遠位尿細管でのNa+‐Cl−共輸送系を阻害する。スピロノラクトンは、遠位尿細管〜集合管においてアルドステロン受容体上でアルドステロンと拮抗する。トリアムテレンは、遠位尿細管〜集合管の尿細管腔側のNa+チャネルを遮断する。

【問10】
解答3
アセチルシステインは、システイン誘導体であり、構造中にSH基を有し、粘液ムコタンパク質のジスルフィド結合(―S―S―)を開裂して喀痰の粘度を低下させ、去痰作用を示す。なお、アンブロキソールはブロムヘキシンの活性代謝物で、肺表面活性物質の分泌促進作用を示す去痰薬、ジヒドロコデインは麻薬性の鎮咳・鎮痛薬、ジモルホラミンは呼吸興奮薬、ノスカピンは非麻薬性の鎮咳薬である。

【問11】
解答2
ファモチジンは、胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制することにより、胃・十二指腸潰瘍、上部消化管出血、逆流性食道炎などに用いられる。なお、メトクロプラミド、スルピリドはドパミンD2受容体遮断による消化管運動亢進作用、モサプリドはセロトニン5‐HT4受容体刺激による消化管運動亢進作用、プログルミドは胃壁細胞及びECL細胞のガストリン受容体遮断による胃酸分泌抑制作用を示す。

【問12】
解答1
チアマゾールは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモン(T3、T4)の産生を阻害するため、甲状腺機能亢進症の治療に用いられる。なお、オキシトシンは子宮の律動的収縮作用、プロチレリンは甲状腺刺激ホルモン(TSH)及びプロラクチンの分泌促進作用、クロミフェンはエストロゲン受容体遮断による内因性エストロゲン作用減弱に伴う排卵誘発作用、ソマトレリンは成長ホルモン分泌促進作用を示す。

【問13】
解答3
クロモグリク酸は、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、肥満細胞の細胞膜を安定化させ、ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制することにより、抗アレルギー作用を示すが、ヒスタミンH1受容体遮断作用は示さない。なお、クロルフェニラミン、プロメタジン、ジフェンヒドラミン、ケトチフェンは、ヒスタミンH1受容体遮断作用を示す。

【問14】
解答5
セファゾリンは、セフェム系抗生物質であり、ペニシリン結合タンパク質(PBP)に結合して細胞壁合成酵素であるトランスペプチダーゼ活性を阻害し、細胞壁成分であるペプチドグリカンの合成を阻害することにより、細胞壁合成を阻害する。

【問15】
解答4
イリノテカンは、生体内で加水分解されてできた活性代謝物(SN‐38)がトポイソメラーゼTと結合して酵素活性を阻害し、DNA合成を阻害する。細胞周期のS期に特異的である。なお、ネダプラチン、マイトマイシンCはDNA鎖に対する架橋形成作用、ブレオマイシンは非酵素的なDNA鎖切断作用、メルカプトプリンはプリン代謝拮抗作用を示す。


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