2013年10月29日
【解答・解説】98回薬剤師国家試験(薬理-理論問題) -2
【問21】
正解 1、5
1 正。カルバマゼピンは、電位依存性Na+チャネル遮断作用により、Na+流入を抑制し、強直間代発作や複雑部分発作(精神運動発作)に用いられる。
2 誤。バルプロ酸は、GABAトランスアミナーゼ阻害によりGABAの分解を抑制して脳内GABA濃度を増加させ、すべての型の全般発作に用いられる。
3 誤。プリミドンは、生体内で活性体のフェノバルビタールとなり、GABAA受容体-Cl−チャネル複合体のバルビツール酸結合部位に結合してCl−チャネルを開口して抗てんかん作用を示す。なお、プリミドンとフェノバルビタールの作用部位は同じであるため、併用することで相加効果が見られる。
4 誤。クロナゼパムは、ベンゾジアゼピン系薬であり、GABAA受容体-Cl−チャネル複合体のベンゾジアゼピン結合部位を刺激することにより、GABAA受容体機能を亢進し、複雑部分発作などに用いられる。
5 正。エトスクシミドは、T型Ca2+チャネルを遮断することにより、異常な神経発火を抑制し、欠神発作に用いられる。
【問22】
正解 2、5
1 誤。カルペリチドは、遺伝子組換えα型ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)製剤であり、ANP受容体を刺激し、グアニル酸シクラーゼを活性化して細胞内のcGMP濃度を上昇させ、血管拡張作用及び利尿作用を示す。
2 正。デノパミンは、β1受容体刺激薬であり、心筋収縮力増強作用を示す。
3 誤。エナラプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンUの生成を抑制し、末梢血管抵抗を減少させ、心負荷を軽減させる。また、心筋リモデリングを抑制し、慢性心不全患者の生命予後を改善する。
4 誤。オルプリノンは、ホスホジエステラーゼVを選択的に阻害し、細胞内cAMP濃度を上昇させ、心筋収縮力増強作用を示す。
5 正。ピモベンダンは、心筋の収縮調節タンパク質(トロポニンC)のCa2+に対する感受性増強作用を示し、心筋収縮力を増強させる。
【問23】
正解 2、3
1 誤。ジピリダモールは、アデノシントランスポーターを阻害することで赤血球へのアデノシンの取り込みを抑制し、血液中アデノシン濃度を上昇させる。その結果、間接的にA2受容体を刺激し、Gsタンパク質を介するアデニル酸シクラーゼの活性化をおこし、cAMP濃度を上昇させて冠血管を拡張する。そのほか、ホスホジエステラーゼ阻害によるcAMP濃度上昇作用も有する。また、血小板凝集阻害作用も有する。
2 正。ニトログリセリンは、生体内で一酸化窒素(NO)を遊離し、グアニル酸シクラーゼ活性化を介してcGMP濃度を上昇させ、血管を拡張させる。その結果、静脈を拡張させて静脈還流量(静脈側から心臓へ流れ込む血液量)を減少させ、前負荷を軽減する。
3 正。ビソプロロールは、選択的β1受容体遮断薬であり、心機能を抑制して心筋の酸素消費量を低下させるため、労作性狭心症に用いられる。
4 誤。ニコランジルは、NO遊離作用とATP感受性K+チャネルの開口作用を併せもつ。NO遊離による血管拡張作用のほか、K+チャネル開口に伴い細胞膜のK+透過性を亢進することにより細胞膜を過分極させ、また、活動電位の再分極を早め、Ca2+流入を減少させて血管を拡張させる。
【問24】
正解 2
1 正。(D-)マンニトールは、浸透圧性利尿薬であり、尿細管管腔内浸透圧を上昇させることにより、尿細管からの水の再吸収を抑制して利尿作用を示す。
2 誤。ブメタニドは、ループ利尿薬であり、腎臓尿細管のヘンレ係蹄上行脚におけるNa+-K+-2Cl−共輸送系を抑制して利尿作用を示す。
3 正。トリアムテレンは、遠位尿細管末部や集合管のNa+チャネルを遮断し、尿細管上皮細胞のNa+-K+交換系を間接的に抑制して利尿作用を示す。
4 正。トリクロルメチアジドは、近位尿細管管腔中に分泌され、主に遠位尿細管でNa+-Cl−共輸送系を抑制して利尿作用を示す。
5 正。カンレノ酸は、遠位尿細管から集合管のアルドステロン受容体でアルドステロンと競合的に拮抗し、Na+-K+交換系を抑制して利尿作用を示す。
【問25】
正解 2、3
1 誤。アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を阻害し、Na+-H+交換系抑制を介してHCO3−排泄を促進し、H+を増加させ、H+が呼吸中枢を刺激する。副作用として代謝性アシドーシスをおこす。
2 正。ジモルホラミンは、延髄の呼吸中枢刺激による呼吸興奮作用と、交感神経系の興奮による血圧上昇作用を示す。
3 正。フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体遮断薬であり、ベンゾジアゼピン系薬物による鎮静の解除及び呼吸抑制の改善目的で用いられる。
4 誤。ドキサプラムは、主に頸動脈小体及び大動脈小体の末梢性化学受容器を介して、呼吸中枢を興奮させることにより、呼吸促進作用を示す。
【問26】
正解 1、3
1 正。オザグレルは、トロンボキサン(TX)合成酵素を阻害し、TXA2産生を抑制して血小板凝集抑制作用や、気道過敏性抑制作用、気道収縮抑制作用を示す。
2 誤。ザフィルルカストは、ロイコトリエン(LT)受容体を遮断することにより気管支収縮抑制作用を示す。
3 正。スプラタストは、ヘルパーT細胞からのインターロイキン(IL)-4、5の産生を抑制し、好酸球浸潤抑制作用、IgE抗体産生抑制作用などにより、抗アレルギー作用を示す。
4 誤。ラマトロバンは、TXA2受容体を遮断し、TXA2による血管透過性亢進作用及び炎症性細胞浸潤に対して抑制作用を示す。
5 誤。オロパタジンは、非鎮静性H1受容体遮断薬であり、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を示す。
【問27】
正解 2、4
1 誤。ラモセトロンは、5-HT3受容体を遮断し、セロトニンによる腸運動を調整して大腸輸送能及び大腸水分輸送異常を改善し、排便や下痢を抑制するため、男性における下痢型の過敏性腸症候群(IBS)に用いられる。
2 正。急性膵炎の疼痛時にモルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬が用いられるが、Oddi括約筋のれん縮作用による膵管内圧の亢進を抑制する目的で、抗コリン薬であるアトロピンが併用される。
3 誤。モサプリドは、消化管内神経叢に存在する5-HT4受容体を刺激し、アセチルコリン遊離を増大して、消化管運動促進作用を示す。
4 正。ラクツロースは、下部消化管で腸内細菌によって乳酸と酢酸に分解され腸管内を酸性化し、アンモニア産生菌の活動を抑えるため、高アンモニア血症や肝性脳症に用いられる。
【問28】
正解 5
1 正。メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)を特異的に阻害し、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)の産生を抑制する。その結果、脳下垂体前葉が正常であれば副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌が促進されるため、脳下垂体ACTH分泌予備能の測定に用いられる。
2 正。リシノプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンUの産生を阻害し、副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制する。
3 正。ヒドロコルチゾンは、ステロイド感受性細胞の細胞質に局在する受容体と複合体を形成し、核内に移行することにより、特異的遺伝子の転写を調節し遺伝子発現を変化させる。
4 正。デキサメタゾンは、合成糖質コルチコイド製剤であり、コルチゾールと比較して、糖質コルチコイド作用が強く、鉱質コルチコイド作用は弱い。
5 誤。エプレレノンは、選択的鉱質コルチコイド(アルドステロン)受容体遮断薬であり、遠位尿細管から集合管においてアルドステロン受容体でアルドステロンと競合的に拮抗し、Na+-K+交換系を抑制して利尿作用を示すため、高血圧症の治療に用いられる。
【問29】
正解 4、5
1 誤。アレンドロン酸は、ヒドロキシアパタイトに強い親和性をもち、破骨細胞に取り込まれた後、その活性を抑制して骨吸収を抑制する。
2 誤。イプリフラボンは、エストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強させて間接的な骨吸収抑制作用を示すとともに、直接的な骨吸収抑制作用を示す。
3 誤。エルカトニンは、カルシトニン製剤であり、カルシトニン受容体に作用して骨吸収を抑制し、血中カルシウム低下作用を示すため、骨粗しょう症における疼痛に用いられる。
4 正。カルシトリオールは、活性型ビタミンD3製剤で、カルシウムの腸管からの吸収や腎臓での再吸収を促進し、血中カルシウム値を上昇させる。
5 正。ラロキシフェンは、骨組織においてエストロゲン様作用を示し、骨吸収を抑制する。また、乳腺や子宮においてはエストロゲン受容体遮断作用を示す。
【問30】
正解 1、3
1 正。バンコマイシンは、細菌の細胞壁合成の前駆体ペンタペプチドC末端のD-アラニル-D-アラニン(D-Ala-D-Ala)と結合し、細胞壁合成を阻害する。
2 誤。ミノサイクリンは、70Sリボソームの30Sサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAがリボソームに結合するのを防ぎ、タンパク質合成を阻害する。
3 正。イソニアジドは、結核菌の細胞壁成分のミコール酸の生合成を阻害し、抗結核作用を示す。
4 誤。ホスホマイシンは、細胞壁ペプチドグリカン合成初期段階のUDPサイクルを阻害し、細菌の細胞壁合成を阻害する。
5 誤。セフジニルは、β-ラクタム系抗生物質であり、トランスペプチダーゼを阻害し、細胞壁合成を阻害する。
正解 1、5
1 正。カルバマゼピンは、電位依存性Na+チャネル遮断作用により、Na+流入を抑制し、強直間代発作や複雑部分発作(精神運動発作)に用いられる。
2 誤。バルプロ酸は、GABAトランスアミナーゼ阻害によりGABAの分解を抑制して脳内GABA濃度を増加させ、すべての型の全般発作に用いられる。
3 誤。プリミドンは、生体内で活性体のフェノバルビタールとなり、GABAA受容体-Cl−チャネル複合体のバルビツール酸結合部位に結合してCl−チャネルを開口して抗てんかん作用を示す。なお、プリミドンとフェノバルビタールの作用部位は同じであるため、併用することで相加効果が見られる。
4 誤。クロナゼパムは、ベンゾジアゼピン系薬であり、GABAA受容体-Cl−チャネル複合体のベンゾジアゼピン結合部位を刺激することにより、GABAA受容体機能を亢進し、複雑部分発作などに用いられる。
5 正。エトスクシミドは、T型Ca2+チャネルを遮断することにより、異常な神経発火を抑制し、欠神発作に用いられる。
【問22】
正解 2、5
1 誤。カルペリチドは、遺伝子組換えα型ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)製剤であり、ANP受容体を刺激し、グアニル酸シクラーゼを活性化して細胞内のcGMP濃度を上昇させ、血管拡張作用及び利尿作用を示す。
2 正。デノパミンは、β1受容体刺激薬であり、心筋収縮力増強作用を示す。
3 誤。エナラプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンUの生成を抑制し、末梢血管抵抗を減少させ、心負荷を軽減させる。また、心筋リモデリングを抑制し、慢性心不全患者の生命予後を改善する。
4 誤。オルプリノンは、ホスホジエステラーゼVを選択的に阻害し、細胞内cAMP濃度を上昇させ、心筋収縮力増強作用を示す。
5 正。ピモベンダンは、心筋の収縮調節タンパク質(トロポニンC)のCa2+に対する感受性増強作用を示し、心筋収縮力を増強させる。
【問23】
正解 2、3
1 誤。ジピリダモールは、アデノシントランスポーターを阻害することで赤血球へのアデノシンの取り込みを抑制し、血液中アデノシン濃度を上昇させる。その結果、間接的にA2受容体を刺激し、Gsタンパク質を介するアデニル酸シクラーゼの活性化をおこし、cAMP濃度を上昇させて冠血管を拡張する。そのほか、ホスホジエステラーゼ阻害によるcAMP濃度上昇作用も有する。また、血小板凝集阻害作用も有する。
2 正。ニトログリセリンは、生体内で一酸化窒素(NO)を遊離し、グアニル酸シクラーゼ活性化を介してcGMP濃度を上昇させ、血管を拡張させる。その結果、静脈を拡張させて静脈還流量(静脈側から心臓へ流れ込む血液量)を減少させ、前負荷を軽減する。
3 正。ビソプロロールは、選択的β1受容体遮断薬であり、心機能を抑制して心筋の酸素消費量を低下させるため、労作性狭心症に用いられる。
4 誤。ニコランジルは、NO遊離作用とATP感受性K+チャネルの開口作用を併せもつ。NO遊離による血管拡張作用のほか、K+チャネル開口に伴い細胞膜のK+透過性を亢進することにより細胞膜を過分極させ、また、活動電位の再分極を早め、Ca2+流入を減少させて血管を拡張させる。
【問24】
正解 2
1 正。(D-)マンニトールは、浸透圧性利尿薬であり、尿細管管腔内浸透圧を上昇させることにより、尿細管からの水の再吸収を抑制して利尿作用を示す。
2 誤。ブメタニドは、ループ利尿薬であり、腎臓尿細管のヘンレ係蹄上行脚におけるNa+-K+-2Cl−共輸送系を抑制して利尿作用を示す。
3 正。トリアムテレンは、遠位尿細管末部や集合管のNa+チャネルを遮断し、尿細管上皮細胞のNa+-K+交換系を間接的に抑制して利尿作用を示す。
4 正。トリクロルメチアジドは、近位尿細管管腔中に分泌され、主に遠位尿細管でNa+-Cl−共輸送系を抑制して利尿作用を示す。
5 正。カンレノ酸は、遠位尿細管から集合管のアルドステロン受容体でアルドステロンと競合的に拮抗し、Na+-K+交換系を抑制して利尿作用を示す。
【問25】
正解 2、3
1 誤。アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を阻害し、Na+-H+交換系抑制を介してHCO3−排泄を促進し、H+を増加させ、H+が呼吸中枢を刺激する。副作用として代謝性アシドーシスをおこす。
2 正。ジモルホラミンは、延髄の呼吸中枢刺激による呼吸興奮作用と、交感神経系の興奮による血圧上昇作用を示す。
3 正。フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体遮断薬であり、ベンゾジアゼピン系薬物による鎮静の解除及び呼吸抑制の改善目的で用いられる。
4 誤。ドキサプラムは、主に頸動脈小体及び大動脈小体の末梢性化学受容器を介して、呼吸中枢を興奮させることにより、呼吸促進作用を示す。
【問26】
正解 1、3
1 正。オザグレルは、トロンボキサン(TX)合成酵素を阻害し、TXA2産生を抑制して血小板凝集抑制作用や、気道過敏性抑制作用、気道収縮抑制作用を示す。
2 誤。ザフィルルカストは、ロイコトリエン(LT)受容体を遮断することにより気管支収縮抑制作用を示す。
3 正。スプラタストは、ヘルパーT細胞からのインターロイキン(IL)-4、5の産生を抑制し、好酸球浸潤抑制作用、IgE抗体産生抑制作用などにより、抗アレルギー作用を示す。
4 誤。ラマトロバンは、TXA2受容体を遮断し、TXA2による血管透過性亢進作用及び炎症性細胞浸潤に対して抑制作用を示す。
5 誤。オロパタジンは、非鎮静性H1受容体遮断薬であり、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を示す。
【問27】
正解 2、4
1 誤。ラモセトロンは、5-HT3受容体を遮断し、セロトニンによる腸運動を調整して大腸輸送能及び大腸水分輸送異常を改善し、排便や下痢を抑制するため、男性における下痢型の過敏性腸症候群(IBS)に用いられる。
2 正。急性膵炎の疼痛時にモルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬が用いられるが、Oddi括約筋のれん縮作用による膵管内圧の亢進を抑制する目的で、抗コリン薬であるアトロピンが併用される。
3 誤。モサプリドは、消化管内神経叢に存在する5-HT4受容体を刺激し、アセチルコリン遊離を増大して、消化管運動促進作用を示す。
4 正。ラクツロースは、下部消化管で腸内細菌によって乳酸と酢酸に分解され腸管内を酸性化し、アンモニア産生菌の活動を抑えるため、高アンモニア血症や肝性脳症に用いられる。
【問28】
正解 5
1 正。メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)を特異的に阻害し、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)の産生を抑制する。その結果、脳下垂体前葉が正常であれば副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌が促進されるため、脳下垂体ACTH分泌予備能の測定に用いられる。
2 正。リシノプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンUの産生を阻害し、副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制する。
3 正。ヒドロコルチゾンは、ステロイド感受性細胞の細胞質に局在する受容体と複合体を形成し、核内に移行することにより、特異的遺伝子の転写を調節し遺伝子発現を変化させる。
4 正。デキサメタゾンは、合成糖質コルチコイド製剤であり、コルチゾールと比較して、糖質コルチコイド作用が強く、鉱質コルチコイド作用は弱い。
5 誤。エプレレノンは、選択的鉱質コルチコイド(アルドステロン)受容体遮断薬であり、遠位尿細管から集合管においてアルドステロン受容体でアルドステロンと競合的に拮抗し、Na+-K+交換系を抑制して利尿作用を示すため、高血圧症の治療に用いられる。
【問29】
正解 4、5
1 誤。アレンドロン酸は、ヒドロキシアパタイトに強い親和性をもち、破骨細胞に取り込まれた後、その活性を抑制して骨吸収を抑制する。
2 誤。イプリフラボンは、エストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強させて間接的な骨吸収抑制作用を示すとともに、直接的な骨吸収抑制作用を示す。
3 誤。エルカトニンは、カルシトニン製剤であり、カルシトニン受容体に作用して骨吸収を抑制し、血中カルシウム低下作用を示すため、骨粗しょう症における疼痛に用いられる。
4 正。カルシトリオールは、活性型ビタミンD3製剤で、カルシウムの腸管からの吸収や腎臓での再吸収を促進し、血中カルシウム値を上昇させる。
5 正。ラロキシフェンは、骨組織においてエストロゲン様作用を示し、骨吸収を抑制する。また、乳腺や子宮においてはエストロゲン受容体遮断作用を示す。
【問30】
正解 1、3
1 正。バンコマイシンは、細菌の細胞壁合成の前駆体ペンタペプチドC末端のD-アラニル-D-アラニン(D-Ala-D-Ala)と結合し、細胞壁合成を阻害する。
2 誤。ミノサイクリンは、70Sリボソームの30Sサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAがリボソームに結合するのを防ぎ、タンパク質合成を阻害する。
3 正。イソニアジドは、結核菌の細胞壁成分のミコール酸の生合成を阻害し、抗結核作用を示す。
4 誤。ホスホマイシンは、細胞壁ペプチドグリカン合成初期段階のUDPサイクルを阻害し、細菌の細胞壁合成を阻害する。
5 誤。セフジニルは、β-ラクタム系抗生物質であり、トランスペプチダーゼを阻害し、細胞壁合成を阻害する。
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