2011年06月14日
抗うつ剤の薬理学的特性と副作用
抗うつ剤は大まかに
1) 三環系抗うつ薬(TCA,TriCyclic Antidepressant)
2) 四環系抗うつ薬
3) SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害剤)
4) SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害剤)
に分類されていたが,
5) NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)
といわれる成分:ミルタザピンが2009年に日本でも発売されたため,
2011年現在では,抗うつ剤は5つに分類されている。
さらにどれにも分類しにくいものは
四環系抗うつ薬とSSRIの過渡期によく使用されていた
「トラゾドン(商品名:デジレル,レスリン)」と
ちょっと変わりどころのスルピリド(商品名:ドグマチールetc,ドパミンD2受容体に選択的に作用して,少量では賦活作用,中等量から大用量で鎮静作用を有するといわれている)などがある。
それぞれ日本で処方されている成分は次のとおり
三環系抗うつ薬,第一世代抗うつ薬
イミプラミン(商品名:トフラニール)
アミトリプチリン(商品名:トリプタノール)
クロミプラミン(商品名:アナフラニール)
ロフェプラミン(商品名:アンプリット)
アモキサピン(商品名:アモキサン)
ドスレピン(商品名:プロチアデン)
トリミプラミンマレイン酸塩(商品名:スルモンチール)
ノルトリプチリン(商品名:ノリトレン)
四環系抗うつ薬,第二世代抗うつ薬
マプロチリン(商品名:ルジオミール)
ミアンセリン(商品名:テトラミド)
セチプチリン(商品名:テシプール)
三環系でも四環系でもない,第二世代に分類される抗うつ薬
トラゾドン(商品名:トレドミン)
SSRI
フルボキサミン(商品名:デプロメール,ルボックス)
パロキセチン(商品名:パキシル)
セルトラリン塩酸塩(商品名:ジェイゾロフト)
SNRI
ミルナシプラン(商品名:トレドミン)
デュロキセチン(商品名:サインバルタ)←2010年1月に承認,分1で良いのが特徴
NaSSA
ミルタザピン(商品名:リフレックス,レメロン)←抗ヒスタミン作用が強いため,かなりの鎮静作用ももつ
※MAO阻害剤は日本では鬱病に対する適応は無くなった。
パーキンソンの治療では未だに使われている。
それぞれの特徴は,後日に記したいと思うが,今回は
「抗うつ剤」としての副作用をまとめたいと思う。
基本的に,抗うつ剤の副作用は
・ノルアドレナリン濃度の上昇によるもの
・セロトニン濃度の上昇によるもの
・抗うつ剤に由来する抗コリン作用及び抗ヒスタミン作用によるもの
・アドレナリン
がメインとなる。
その他にも
・アドレナリンα1受容体阻害によるもの
・アドレナリンα2受容体阻害によるもの
・ドパミンD2受容体阻害によるもの
・セロトニン5-HT2受容体阻害によるもの
に注意しなければならない。
抗コリン作用による副作用
抗うつ剤の中には,抗コリン作用が強いものがあり,
緑内障や,心筋梗塞回復期(抗コリン作用により,心拍数が増加し,心臓に過負荷をか. けることがある)への投与は禁忌である。
抗コリン作用でしばしばみられる服用は
口渇,便秘,尿閉,霧視(かすみ目),頻脈といったものである。
さらに老人の場合は,認知障害の悪化にも注意する必要がある。
セロトニン再取込み阻害による副作用
三環系抗うつ薬やSSRI,SNRIはセロトニンの再取込み阻害作用が強く
セロトニン過剰による副作用に注意する。
セロトニンが高濃度になると,
悪心,嘔吐,神経過敏,頭痛,不眠,といった中枢症状が現れやすい。
さらに,精神状態の悪化やミオクローヌス(瞬間的な不随意運動のこと)悪寒,振戦,下痢,発熱などがいくつか現れたら,セロトニン症候群である。セロトニン症候群は
時に致死的なものになるので,軽微な症状を見逃してはならない。
セロトニン症候群が起こった場合の治療は
ベンゾジアゼピン系による鎮静と麻痺および換気である。場合によっては
シプロヘプタジンやクロルプロマジンといったセロトニン拮抗薬も使われる。
ノルアドレナリン再取込み阻害による副作用
SNRIで起こりやすいほか,アミキサピンやマプロチリンでも頻度が高い。
臨床症状は,振戦,頻脈,勃起障害,射精障害,高血圧などがある。
その他にも,
抗H1作用の副作用:鎮静(インペアード・パフォーマンス),眠気,体重増加(ヒスタミンは食欲の調整にも関与していることが知られている),低血圧
α1受容体阻害によるもの:起立性低血圧,めまい,反射性頻脈,
α2受容体阻害によるもの:クロニジンやαメチルドパなどの降圧作用減弱
D2受容体阻害によるもの:錐体外路症状,乳汁分泌
5-HT2受容体阻害によるもの:射精障害,低血圧
にもいつでも注意を払えるよう覚えておきたいところだ。
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1) 三環系抗うつ薬(TCA,TriCyclic Antidepressant)
2) 四環系抗うつ薬
3) SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害剤)
4) SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害剤)
に分類されていたが,
5) NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)
といわれる成分:ミルタザピンが2009年に日本でも発売されたため,
2011年現在では,抗うつ剤は5つに分類されている。
さらにどれにも分類しにくいものは
四環系抗うつ薬とSSRIの過渡期によく使用されていた
「トラゾドン(商品名:デジレル,レスリン)」と
ちょっと変わりどころのスルピリド(商品名:ドグマチールetc,ドパミンD2受容体に選択的に作用して,少量では賦活作用,中等量から大用量で鎮静作用を有するといわれている)などがある。
それぞれ日本で処方されている成分は次のとおり
三環系抗うつ薬,第一世代抗うつ薬
イミプラミン(商品名:トフラニール)
アミトリプチリン(商品名:トリプタノール)
クロミプラミン(商品名:アナフラニール)
ロフェプラミン(商品名:アンプリット)
アモキサピン(商品名:アモキサン)
ドスレピン(商品名:プロチアデン)
トリミプラミンマレイン酸塩(商品名:スルモンチール)
ノルトリプチリン(商品名:ノリトレン)
四環系抗うつ薬,第二世代抗うつ薬
マプロチリン(商品名:ルジオミール)
ミアンセリン(商品名:テトラミド)
セチプチリン(商品名:テシプール)
三環系でも四環系でもない,第二世代に分類される抗うつ薬
トラゾドン(商品名:トレドミン)
SSRI
フルボキサミン(商品名:デプロメール,ルボックス)
パロキセチン(商品名:パキシル)
セルトラリン塩酸塩(商品名:ジェイゾロフト)
SNRI
ミルナシプラン(商品名:トレドミン)
デュロキセチン(商品名:サインバルタ)←2010年1月に承認,分1で良いのが特徴
NaSSA
ミルタザピン(商品名:リフレックス,レメロン)←抗ヒスタミン作用が強いため,かなりの鎮静作用ももつ
※MAO阻害剤は日本では鬱病に対する適応は無くなった。
パーキンソンの治療では未だに使われている。
それぞれの特徴は,後日に記したいと思うが,今回は
「抗うつ剤」としての副作用をまとめたいと思う。
基本的に,抗うつ剤の副作用は
・ノルアドレナリン濃度の上昇によるもの
・セロトニン濃度の上昇によるもの
・抗うつ剤に由来する抗コリン作用及び抗ヒスタミン作用によるもの
・アドレナリン
がメインとなる。
その他にも
・アドレナリンα1受容体阻害によるもの
・アドレナリンα2受容体阻害によるもの
・ドパミンD2受容体阻害によるもの
・セロトニン5-HT2受容体阻害によるもの
に注意しなければならない。
抗コリン作用による副作用
抗うつ剤の中には,抗コリン作用が強いものがあり,
緑内障や,心筋梗塞回復期(抗コリン作用により,心拍数が増加し,心臓に過負荷をか. けることがある)への投与は禁忌である。
抗コリン作用でしばしばみられる服用は
口渇,便秘,尿閉,霧視(かすみ目),頻脈といったものである。
さらに老人の場合は,認知障害の悪化にも注意する必要がある。
セロトニン再取込み阻害による副作用
三環系抗うつ薬やSSRI,SNRIはセロトニンの再取込み阻害作用が強く
セロトニン過剰による副作用に注意する。
セロトニンが高濃度になると,
悪心,嘔吐,神経過敏,頭痛,不眠,といった中枢症状が現れやすい。
さらに,精神状態の悪化やミオクローヌス(瞬間的な不随意運動のこと)悪寒,振戦,下痢,発熱などがいくつか現れたら,セロトニン症候群である。セロトニン症候群は
時に致死的なものになるので,軽微な症状を見逃してはならない。
セロトニン症候群が起こった場合の治療は
ベンゾジアゼピン系による鎮静と麻痺および換気である。場合によっては
シプロヘプタジンやクロルプロマジンといったセロトニン拮抗薬も使われる。
ノルアドレナリン再取込み阻害による副作用
SNRIで起こりやすいほか,アミキサピンやマプロチリンでも頻度が高い。
臨床症状は,振戦,頻脈,勃起障害,射精障害,高血圧などがある。
その他にも,
抗H1作用の副作用:鎮静(インペアード・パフォーマンス),眠気,体重増加(ヒスタミンは食欲の調整にも関与していることが知られている),低血圧
α1受容体阻害によるもの:起立性低血圧,めまい,反射性頻脈,
α2受容体阻害によるもの:クロニジンやαメチルドパなどの降圧作用減弱
D2受容体阻害によるもの:錐体外路症状,乳汁分泌
5-HT2受容体阻害によるもの:射精障害,低血圧
にもいつでも注意を払えるよう覚えておきたいところだ。
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