2022年12月23日
あの魚も!?身近にいる性転換する魚達
魚が持つ面白い生態“性転換”。
今回は、釣り人に身近な性転換する魚達を紹介します。
魚の面白くて不思議な生態『性転換』
出典・photoAC
魚の中には、環境変化や成長に伴って性別を変化させる特殊な生態を持つ魚がいるんです。
このように、一生の間で性別を変化させることを“性転換”と呼びます。
魚達は長い進化の過程で、競合種達と競い合いさまざまな生態を獲得してきました。
今回紹介する“性転換”という生態は、生殖戦略の進化として画期的なものと言えますね。
性転換の仕組みは謎に包まれている
性転換する魚は世界で約300〜500種確認されているとされています。
まだまだ研究が進んでいない種も沢山居るので、実際にはもっと多いかもしれません。
また、性転換のメカニズムも明らかになっておらず、謎に包まれたままです。
釣り人にとって身近な魚でも、性転換する魚も確認されています。
性転換することで外見が変化する魚
性転換をすることで外見が変化する魚がいます。
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例えば、堤防釣りでよく釣れる色鮮やかなベラの仲間も性転換する魚です。
関西地方などで美味しい魚として喜ばれるベラの仲間「キュウセン」。
メスの頃は赤っぽい体色をしていますが、オスに性転換すると緑がかった体色に変化します。
ベラの仲間は、群れの中でも最も大きい個体がメスからオスへ性転換します。
コブダイは雌雄で形が違う
出典・photoAC
ベラの仲間であるコブダイは、メスからオスに変化するとオデコのコブが大きく発達します。
名前の通りに大きく発達したおでこのコブは、まさに群れのリーダーっていうような姿ですよね。
性転換しても見た目が変わらない魚
先ほどと違い、性転換しても見た目が変わらない魚もいます。
出典・photoAC
ハタの仲間は、先ほど紹介したベラと同様、メスからオスに性転換します。
性転換する魚の多くは“メスからオス”に性転換し、これを「雌性先熟(しせいせんじゅく)」と言います。
キジハタがメスからオスへ性転換するのは、一般的に30p前後。
しかし、40cmでメスの個体や、25cmでオスの個体も確認されていたり、年齢で調べても雌雄が重複することから、必ずしも大きさや年齢で一斉に性転換が起こる訳ではないと考えられています。
キジハタの性転換は繁殖期(夏)以外の生殖腺の活動が不活発な時に、生息密度や栄養状態、水温など様々な要因により起こると考えられているみたいです。
オオモンハタやクエも性転換する
アカハタやオオモンハタ、マハタやクエもメスからオスへの性転換を行います。
キジハタ同様に、性転換を起こす具体的な要因は明らかになっていません。
オスからメスへ性転換する魚
ベラの仲間やハタ類とは逆で、“オスからメス”への性転換を「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」と言います。
雄性先熟の魚は雌性先熟に比べて少数派ですが、釣り人の身近にもいます。
出典・photoAC
オスからメスへ性転換するクロダイやキチヌをはじめとしたヘダイの仲間。
ハタやベラの仲間が年齢と関係なく性転換を起こしているのに対し、ヘダイの仲間は年齢で性転換していると考えられています。
ちなみに、クロダイは4〜5歳でオスからメスへ性転換をします。
また、全てのオスがメスに性転換するわけではなく、雌性ホルモン量が少ない個体はメス化しない場合もあるようです。
魚の生態は不思議で面白い!
今回は魚達の性転換という生殖生態について見てきました。
まだまだ謎に包まれた魚達の世界は、不思議で面白いですね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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